Ubuntu 20.04のインストーラーがアップデート中にフリーズする問題の解決方法
Linuxは世界中で利用されているオペレーティングシステムです。個人ユーザー向けの普及度はそれほど高くありませんが、サーバーや商用分野では圧倒的なシェアを誇ります。数多くのディストリビューションが存在する中でも、Ubuntuは最も人気が高く、幅広く使われている定番のOSです。新しいLTS(長期サポート)版のリリースに伴い、多くのユーザーが最新バージョンへの移行を検討しています。

Ubuntuのインストーラーには、「インストール中にシステムの最新アップデートを自動的に適用する」という便利なオプションが用意されています。これを使えば、インストール後に手動でアップデート作業を行う手間を省けるのです。
ところが、一部の環境ではこのアップデート処理の段階でインストーラーがフリーズしてしまい、先へ進めなくなることがあります。原因は破損したパーティションやWindowsとの共存構成など、さまざまな要因が考えられます。ここでは、考えられる原因を整理した上で、それぞれの具体的な対処法を順番に解説していきます。
考えられる主な原因
- 破損したパーティション:ストレージデバイス上に壊れたパーティションがあると、インストーラーが正常に動作しないことがあります。この場合はGPartedを使って破損したパーティションを削除する必要があります。
- Windowsパーティション:同じHDDやSSDにWindowsがインストールされている場合、Ubuntu標準のインストーラー「Ubiquity」がフリーズし、インストールが中断されることがあります。この場合はWindowsパーティションをアンマウントすることで解決できます。
- ディスプレイドライバー:グラフィックドライバーに問題があると、同様の症状が発生することがあります。この場合は「セーフグラフィックスモード」で起動してインストールを進めます。
- MSI(Message Signaled Interrupts):デバイスが発行する割り込み信号が原因で問題が起こるケースもあります。「pci=nomsi」をブートパラメータに追加することで回避できます。
原因の候補がわかったところで、それぞれの解決方法を見ていきましょう。
方法1:Windowsパーティションをアンマウントする
Windowsとのデュアルブート環境でUbuntuをインストールしようとすると、インストーラーが途中で止まる現象は以前から報告されている既知の問題です。すべてのユーザーに発生するわけではありませんが、実際に遭遇する方は少なくありません。該当する場合は、Windowsパーティションをアンマウントしてみてください。
なお、一度のアンマウントでは改善せず、2〜3回繰り返すことで解決したという報告もあります。以下の手順に従って操作してください。
- ライブUSBからUbuntuを起動し、Windowsキーを押して検索メニューを開きます。
- 検索バーにgpartedと入力し、Enterキーを押してGPartedを起動します。
- GPartedが起動したら、Windowsがインストールされているパーティションを見つけます。
- そのパーティションを右クリックし、Unmount(アンマウント)を選択します。

- これでWindowsパーティションがアンマウントされました。
方法2:破損したパーティションを確認・削除する
同じドライブにWindowsが入っていない場合や、上記の方法で解決しない場合は、ストレージ上に破損したパーティションが存在している可能性があります。破損したパーティションがあると、インストーラーはどこかの時点で必ずつまずいてしまいます。
HDDやSSDに壊れたパーティションがないかを事前にチェックしておきましょう。手順は以下の通りです。
- Windowsキーを押して検索バーにgpartedと入力し、GPartedを起動します。
- GPartedが開いたら、Ubuntuをインストール予定のディスクが選択されていることを確認します。
- 破損したパーティションには赤い感嘆符(!)マークが表示され、ファイルシステム(File System)がunknown(不明)になっていることが多いです。

- 該当するパーティションがないか、ディスク全体を確認します。
- 破損したパーティションが見つかったら、右クリックしてDelete(削除)を選択します。
方法3:セーフグラフィックスモードでUbuntuを起動する
ブート時にグラフィックカードを正しく初期化できない環境では、ディスプレイドライバーの不具合によってUbiquityがフリーズすることがあります。こうした場合に備えて、Ubuntuには「セーフグラフィックスモード」が用意されています。これはブートパラメータを編集して安全な設定で起動するモードで、同様の症状に悩んでいたユーザーからも「効果があった」という報告があります。
試す価値は十分にあるでしょう。PCを再起動し、GRUBメニューでInstall Ubuntu (safe graphics)を選択してください。あとは通常どおりインストールを進めるだけです。

方法4:ブートパラメータを編集する
最後に、上記のいずれの方法でも解決しない場合は、MSI(Message Signaled Interrupts)が原因である可能性があります。この機能が有効になっていると、デバイスが特定のアドレスへ書き込む割り込みメッセージがトリガーとなり、インストーラーが停止することがあります。難しい操作ではないので、以下の手順を慎重に進めてください。
- まず、ライブUSBからUbuntuを起動します。
- 起動画面の下部に小さなロゴが表示されたタイミングで任意のキーを押すと、詳細ウェルカムページ(高度な起動メニュー)にアクセスできます。

- 成功すると、下図のような詳細ウェルカムページが表示されます。

- F6キーを押して、ブートコマンド(その他のオプション)を表示させます。
- F6を押すとポップアップメニューが現れるので、ESCキーを押して閉じます。

- すると、左側にBoot Optionsと表示されたコマンドラインが現れます。
- 行末のダブルハイフン--の後に半角スペースを空けて、pci=nomsiと入力します。
- 最後にEnterキーを押して、ブートシーケンスを開始します。
まとめ
Ubuntu 20.04のインストール中にアップデート処理でフリーズする問題は、Windowsパーティションのマウント状態、破損したパーティション、ディスプレイドライバー、MSI割り込みといった複数の要因が関係しています。本記事で紹介した4つの方法を順番に試していけば、ほとんどのケースは解決できるはずです。無事インストールが完了すれば、快適なUbuntuライフが待っています。
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