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Red Hat Enterprise Linuxにお金を払いたくない?無料で使えるCentOSという選択肢

デスクトップ向けLinuxディストリビューションを選ぶとき、多くの人が思い浮かべるのはUbuntu、Fedora、openSUSEといった使いやすいOSでしょう。しかし、Linuxがコンピューティングの世界でこれほど支持されている最大の理由の一つは、エンタープライズ環境やサーバーでの圧倒的な採用実績にあります。

ご存じない方のために補足すると、現在のWebの大部分はLinuxによって支えられています。Facebook、Twitter、Googleをはじめ、主要なインターネットサイトの大多数がサーバーにLinuxを採用しています。サーバー管理者は複数のディストリビューションから選択できますが、その筆頭格として名前が挙がるのがRed Hatです。ただし、Red Hat Enterprise Linux(略称:RHEL)には高額なサポート料金が発生します。RHELに興味があってもコストがネックになるなら、CentOSを試すのが定番の選択肢となります。

CentOSとRHELの違いとは

CentOS(Community ENTerprise Operating System)は、RHELとバイナリレベルで同一のLinuxディストリビューションです。CentOSのパッケージはRed Hatのものを直接利用しています。これは「Linuxディストリビューションは自由(フリー)であり、自由に配布されなければならない」というライセンス上の取り決めによって実現されています。

Red Hatもこの規約に従い、ディストリビューションを無償で公開しています。ただしそれは個々のパッケージ単位での提供に限られます。完成されたディストリビューション一式を手に入れるには、Red Hatとサポート契約を結ぶ必要があり、ここが同社の主な収益源となっています。そこでCentOSのコミュニティは、Red Hatが公開するすべてのパッケージを時間をかけて収集し、ブランド表記をRed HatからCentOSへ置き換えて再パッケージ化し、そのパッケージ群をCentOSディストリビューションとして提供しています。この一連の流れは完全に合法であり、決して盗用ではありません。Red Hatに支払いたくない、あるいは払えない場合でも、(Red Hatが顧客へ提供するプレミアムサポートはありませんが)CentOSを使えば同じ環境を手に入れられるのです。

RHELさながらの特性

Red Hat Enterprise Linuxにお金を払いたくない?無料で使えるCentOSという選択肢

CentOSはRHELと同様、極めて高い安定性を誇り、サーバーとエンタープライズ用途に特化したディストリビューションです。CentOSのリポジトリでデスクトップ向けゲームを探しても、ほとんど見つからないでしょう。その代わり、RHELとまったく同じパッケージが収録されています。RHELのパッケージはFedoraで十分なテストを経た後に取り込まれ、RHELユーザーにとって不要と判断されたものは除外されます。一見したところ、CentOSとRHELに技術的な違いはありません。あえて挙げるなら、CentOSの新バージョンのリリースがRHELよりかなり遅れる点だけです。CentOSコミュニティはRHELのリリース後にしか次期バージョンの作成を開始できず、その作業には多くの手間と時間がかかるためです。

Red Hat Enterprise Linuxにお金を払いたくない?無料で使えるCentOSという選択肢

デスクトップユーザーの視点で見ると、CentOSの使用感はかなり地味ですが、それこそが良い点だと言えます。各種サーバーサービスを設定するためのツールが豊富に用意されており、その安定性は本番環境レベルの要求に応える信頼性をもたらします。Fedoraを使ったことがある人なら、リポジトリからダウンロード・インストールできるツール類(ソフトウェアアップデータやパッケージの追加・削除ユーティリティなど)にも馴染みがあるはずです。

ただし、これらのツールを使いこなすには相応の知識が必要です。Linuxを始めたばかりの方は、まずUbuntuでWebサーバーを構築する方が簡単だと感じるかもしれません。

圧倒的な安定性

Red Hat Enterprise Linuxにお金を払いたくない?無料で使えるCentOSという選択肢

先述のとおり、CentOSは非常に安定しています。執筆時点の最新リリースであるバージョン6.4には、旧式のGNOME 2.28デスクトップ環境(デフォルト)とLinuxカーネル2.6.32が搭載されています。これらの数字にピンと来なくても、「非常に古い」ということだけ理解しておけば十分です。これらのパッケージは安定性のために徹底的にテストされ、岩のように堅牢であり続けるための多数のパッチが適用されています。さらに、CentOSのリリースはRHELと同じサポート期間(ソフトウェアアップデートなどの提供期間)を持ち、通常はメジャーリリースごとに約10年間サポートされます。

Extra Packages for Enterprise Linux(EPEL)

デフォルトのCentOSリポジトリに加え、RPMベースの他のリポジトリを追加することもできます。中でも便利なのがEPEL(Extra Packages for Enterprise Linux)です。このリポジトリを利用すると、MySQLやPHPなどの一部パッケージを更新し、新機能やセキュリティ以外のパッチを取り込めます。ただし、EPELを追加するとRHELとのバイナリ互換性が保証されなくなると言われています。RHEL専用にビルドされた特定のソフトウェアパッケージに依存している場合は、追加を慎重に検討してください。追加する場合は、64ビット環境で以下のコマンドを実行します。

wget https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/6/x86_64/epel-release-6-8.noarch.rpm
wget https://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi-release-6.rpm
sudo rpm -Uvh remi-release-6*.rpm epel-release-6*.rpm

CentOSの入手方法

CentOSを入手するには、公式サイトにアクセスして「Downloads」→「CentOS Public Mirror List」の順にクリックし、ミラーを選択します(ダウンロード速度の面ではHTTPミラーがおすすめです)。ページを下にスクロールして最新バージョンを選び(執筆時点では6または6.4のどちらでも可)、「isos」を選択し、希望するアーキテクチャ(32ビットまたは64ビット)を指定します。最後に、LiveCD、LiveDVD、DVD、最小構成ディスク、ネットインストールディスクのいずれかを選びましょう。ダウンロード後、ISOイメージをCD/DVDに書き込むかUSBメモリにコピーし、そのメディアからシステムを起動します。多くのLinuxインストーラーの「手動パーティショニング」を使いこなせるなら、インストールは比較的スムーズに進むはずです。

まとめ

全体として、CentOSは堅実なディストリビューションであり、エンタープライズ用途やサーバー用途があるならぜひ試してみる価値があります。もちろん、CentOSは万人向けではなく、カジュアルなデスクトップユーザーには不向きです(純粋に安定性を求めるなら、少なくともDebianをおすすめします)。しかし、得意分野においては極めて高い信頼性でその役割を果たしてくれるでしょう。

※補足: 本記事はCentOS 6.4当時の情報に基づいています。その後、CentOSプロジェクトの方針変更により、従来のCentOS LinuxはCentOS 8をもって終了し、現在はRHELの上流開発版として「CentOS Stream」が提供されています。また、RHELとほぼ同等の無料クローンとしてはRocky LinuxやAlmaLinuxなども登場しており、選択肢はさらに広がっています。

その他のおすすめLinuxディストリビューションについては、ベストLinuxディストリビューションのページをご覧ください。Linuxゲームに興味がある方は、Linuxゲーム特集ページもぜひチェックしてみてください。

あなたはどのエンタープライズ/サーバー向けディストリビューションを使っていますか、あるいはおすすめですか?Debian、Ubuntu Server、CentOSが三強とされる中、競合と比べてなぜその選択なのか、ぜひコメント欄でお聞かせください!

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