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LiDAR(ライダー)技術とは?基本の仕組みから種類・活用事例まで徹底解説

近年、「LiDAR(ライダー)」という技術がニュースで頻繁に取り上げられるようになりました。きっかけとなったのは、IT大手のGoogleと急成長中の配車サービスUberが、この技術をめぐって対立した事件です。本記事では両社の争いの詳細や特許問題には踏み込まず、LiDAR技術の基礎知識と現在の活用事例について、分かりやすく解説していきます。

LiDAR技術とは何か?

LiDARは「Light Detection and Ranging(光検出と測距)」の略称で、パルス状のレーザー光を用いて対象までの距離を測定するリモートセンシング(遠隔計測)手法です。発射された光パルスは、航空機システムが記録するその他のデータと組み合わされることで、対象物の形状や表面特性に関する正確な三次元情報を生成します。

LiDARシステムを活用すれば、科学者や地図作成の専門家は、自然環境と人工環境の両方を高い精度・柔軟性で調査することが可能です。例えば米国海洋大気庁(NOAA)では、より正確な海岸線マップの作成、地理情報システム(GIS)向けデジタル標高モデルの構築、緊急対応活動の支援など、幅広い用途でLiDARが利用されています。

LiDARの主な種類

1. 空搭載型LiDAR(Airborne LiDAR)

固定翼航空機やヘリコプターにシステムを搭載し、赤外線レーザー光を地面に向けて発射。反射光が移動中の空中センサーに戻る仕組みです。空搭載型センサーには次の2種類があります。

  1. 地形測量型(Topographic):近赤外線レーザーを使用して陸地をマッピングします。
  2. 水深測量型(Bathymetric):水を透過するグリーン光を使用し、海底や河床の標高まで測定できます。

2. 地上設置型LiDAR(Terrestrial LiDAR)

非常に高密度かつ高精度な点群データを収集できるため、物体の精密な識別が可能です。この点群データは、施設管理、高速道路や鉄道の調査、さらには建物内外の3D都市モデル作成などにも活用されています。主な方式は以下の2つです。

  1. モバイル型(Mobile):移動するプラットフォームから点群データを収集します。移動体に複数のLiDARセンサーを搭載したシステムが含まれます。
  2. スタティック型(Static):三脚などの据え置き装置に取り付けられた可搬式のレーザー測距・撮像システムで、静止した場所から点群を収集します。建物内外どちらも計測可能で、土木工学、鉱業、測量、考古学などの分野で広く使われています。

LiDARの仕組み

LiDARの原理は、電子距離測定器(EDM)とよく似ています。送信機からレーザー(パルス波または連続波)を発射し、反射されたエネルギーを受信。レーザーの飛行時間をもとに、送信機と反射体(自然物、あるいはプリズムのような人工反射体)との間の距離を算出します。

測定は次のシンプルな式で表せます。

距離 =(光速 × 飛行時間)÷ 2

つまりLiDARセンサーはレーダー技術と似た動作をしますが、電波の代わりに毎秒最大10,000回という速度でレーザー光パルスを使用する点が特徴です。光パルスを発射した正確な時刻を記録し、その反射を受信した時刻も記録します。光速は一定であるため、この時間差から「斜距離(スラントレンジ)」を求めることができ、さらにセンサーの位置と姿勢を基準に、反射面のXYZ座標を計算できます。

LiDARシステムを構成する主要コンポーネント

高精度で実用的な結果を生み出すために、LiDARシステムでは以下の部品が連携して動作しています。

  1. レーザー:波長によって分類されます。1550nmの波長は目に焦点が結びにくく、高出力でも「アイセーフ(目に安全)」とされるため一般的です。長距離・低精度向けの用途に適しており、暗視ゴーグルに映らないことから軍事用途にも向いています。
  2. LiDARセンサー:航空機の飛行に合わせて地面を左右に走査します。センサーは通常、グリーンまたは近赤外の帯域を使用します。
  3. 慣性計測装置(IMU):航空機の高度と位置を追跡します。正確な地形標高値の取得に不可欠な変数です。
  4. コンピュータ:データ保存・管理システムとして、スキャンで得られたデータを格納します。
  5. スキャナと光学系:画像生成の速度は、システムへの走査速度に大きく影響されます。
  6. フォトディテクタおよび受信回路:システムに返ってきた信号を読み取り、記録するデバイスです。
  7. 高精度クロック:レーザーパルスがスキャナを発信してから戻るまでの時刻を記録します。
  8. 航法・測位システム:GPS受信機が航空機の高度と位置を追跡し、正確な地形標高値の算出を支えます。

自動運転車とLiDARの関係

ここまで読んでいただければ、LiDAR技術とは何か、何の目的で使われるのか、おおよそイメージできたのではないでしょうか。Google傘下の自動運転事業「Waymo(ウェイモ)」は、この技術を自動運転車に搭載し、道路上の障害物をスキャン・検出しています。取得したデータをもとに高度なソフトウェア計算が行われ、進路変更などの判断結果が出力され、走行中の車両がそれを実行する仕組みです。一方のUberも、サービス品質の向上を目指して無人タクシーにLiDAR技術を導入しています。

信号を送信し、その反射を受信し、時間差を計算することで物体の位置を特定する――この障害物検出の手法自体は、決して新しいものではありません。レーザー光をこの方法に使うこと自体も同様です。本当に新しいのは、この技術を自動運転車のメカニズムへ応用・発展させている点なのです。

次回の記事では、LiDAR技術が実際に活用されている分野と、そこで実現される具体的な目的について詳しくご紹介します。

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