Raspberry PiでDOSを実行する方法|QEMU+FreeDOSで懐かしのDOSゲームを楽しもう
本チュートリアルは初心者向けではありません。Raspbianのターミナルコマンド(テキストベース)を使用するため、最低限のLinuxの基礎知識が必要です。また、Raspberry Piはそのままの状態ではMS-DOSを直接実行できず、エミュレータ経由でDOSを動かすことになります。QEMU(PCエミュレータ)とFreeDOSを組み合わせれば、クラシックなDOSゲームや各種DOSプログラムをRaspberry Pi上で楽しむことができます。QEMUを仮想マシンとしてセットアップし、FreeDOSをインストールすれば、準備完了です。
なぜFreeDOSを直接インストールできないのか?
現時点で、プログラムもゲームも両方実行できる唯一のDOS環境がFreeDOSです。しかし、FreeDOSをRaspberry Piに直接インストールできない理由は、CPUアーキテクチャの違いにあります。FreeDOSを含むあらゆるDOSは、Intel x86 CPUと、基本的なランタイムサービスを提供するBIOSを必要とします。一方、Raspberry PiはARM CPUを採用しており、Intel CPUとのバイナリ互換性がなく、BIOSも搭載していません。そのため、FreeDOSはRaspberry Pi上でネイティブに動作せず、エミュレータ経由での利用が必須となるのです。
Raspberry Piのセットアップ
まず、Raspberry Piにクリーンな状態のRaspbianをインストールする必要があります。RaspbianはRaspberry Pi専用に開発されたOS(オペレーティングシステム)です。筆者はRaspberry Pi 3 Model B+を使用しましたが、他のモデルでもおそらく動作するはずです。公式の手順に従ってRaspbianをmicroSDカードに書き込み、Raspberry Piにセットアップしてください。インストールが完了したら、Raspbianデスクトップから「ターミナル」を開きます。
Raspberry PiへのFreeDOSインストール手順
QEMUは「Quick EMUlator」の略称です。QEMUはオープンソースの仮想マシン(VM)ソフトウェアで、Linux上でDOSを「ゲスト」OSとして実行できます。Windows 10でVMを使うのと基本的には変わりません。幸い、QEMUはRaspbianを含むほとんどのLinuxディストリビューションに標準で用意されているため、追加のソフトウェアをインストールする必要はありません。
数行のLinuxコマンドを入力するだけで、FreeDOSをすぐに起動できるようになります。ただし、QEMUを使う場合は、仮想マシン(VM)の構成要素をすべて自分で定義する必要があります。以下に、FreeDOSのインストールと実行に必要な手順とコマンドを紹介します。
最初に、FreeDOS用の仮想ディスクイメージを作成します。FreeDOSはそれほど容量を消費しないため、次のコマンドを使用しました:
qemu-img create freedos.img 200M
このコマンドにより、QEMUに対して「freedos.img」という名前の200MBのディスクイメージを作成するよう指示します。
次に、最新版のFreeDOSをダウンロードしてインストールします。FreeDOS公式サイトから、FreeDOS 1.2 CD-ROMの「standard」インストーラ(FD12CD.iso)をダウンロードしてください。このシナリオでは最も安定して動作するため、これを使用します。
続いて、QEMUにCD-ROMイメージを使用してそこからブートするよう指示します。C:ドライブが最初のハードディスクであることを覚えておいてください。CD-ROMはD:ドライブとして認識されます。FreeDOSをRaspberry Piで動作させるために必要な設定をすべて含んだ、以下のコマンド全体をコピー&ペーストしてください:
qemu-system-i386 -localtime -soundhw sb16,adlib -vga cirrus -m 16 -k en-us -hda freedos.img -cdrom FD12CD.iso -boot d
コマンドを実行後、画面の指示に従えば、FreeDOSはあっという間にインストールされます。参考までに、このコマンドラインはQEMUに対して、16MBのメモリを搭載したIntel i386互換の仮想マシンを作成し、US英語キーボードとローカルシステム時刻に基づくリアルタイムクロックを設定することを指示しています。さらに、クラシックなSound Blaster 16サウンドカード、Adlibデジタルミュージックカード、標準的なCirrus Logic VGAカードも仮想マシンに割り当てられます。freedos.imgファイルは最初のハードディスク(C:)として、FD12CD.isoイメージはCD-ROM(D:)ドライブとして指定され、QEMUはCD-ROMドライブ(D:)からブートするように設定されています。
FreeDOS 1.2ディストリビューションのインストールは非常に簡単で、画面の指示に従うだけで完了します。上記のLinuxコマンドを実行後に表示される画面のスクリーンショットを、参考までに掲載しておきます。
インストールが完了したら、FreeDOSを再起動します。再起動後、FreeDOSディストリビューションパッケージには、QEMUエミュレータ上で動作するDOSで使用できるゲームやアプリケーションがプリインストールされています。また、FreeDOSの公式サイトでは、ダウンロード可能なその他のDOSプログラムやゲームへのリンクも提供されています。
Raspberry PiでFreeDOSを実行する

QEMUにFreeDOSをインストールしたら、DOSアプリケーションやゲームがどれくらいうまく動作するのか試してみたくなるでしょう。パフォーマンスの問題はめったにありませんが、大量のデータ書き込みを伴うディスクI/Oを行う際には、読み込み・実行速度が遅くなることがあります。全体的には、DOSアプリケーションの実行やDOSゲームのプレイで問題を経験することはありませんでした。現在、QEMU上のFreeDOSで遊んでいる中でお気に入りなのは『DOOM』です。『DOOM』は筆者が子供の頃に最も夢中になったゲームです。類似のゲームである『Wolfenstein』や『Heretic』も快適に動作します。
繰り返しになりますが、CPUアーキテクチャの制約により、DOSプログラムをRaspberry Pi上で直接実行することはできません。しかし、QEMU PCエミュレータを介せば、Raspberry Pi上でもDOSアプリケーションの実行やDOSゲームのプレイが可能になるのは嬉しいところです。QEMUを仮想マシンエミュレータとしてセットアップし、FreeDOSをインストールすれば、お気に入りのDOSプログラムやゲームをRaspberry Piで思う存分楽しめるようになります。
-
MacでWindowsを使う方法|Parallels・Boot Campなど5つの手段を徹底比較
Macは安全性と快適な操作性で知られています。しかし、「Windows専用のソフトウェアを使いたいから」という理由で、Windowsからの乗り換えをためらっている方も多いのではないでしょうか。 実は、その心配は不要です。仮想マシン(Virtual Machine)などの仕組みを活用すれば、1台のMac上でmacOSとWindowsの両方を利用することができます。再起動なしにOSを切り替えられる方法もあれば、ネイティブ性能でWindowsを動かせる方法もあります。 この記事では、MacでWindowsを実行する代表的な5つの方法(Parallels Desktop、VMware Fusion、B
-
Windows 11でAndroidアプリを実行する方法|Amazon Appstoreの導入手順とサイドロード術
Windows 11のPCでもAndroidアプリが使えたら便利だと思いませんか?その夢はついに現実になりました。Windows 11では、サードパーティ製ソフトやエミュレーターを別途用意しなくても、Androidアプリを簡単に実行できます。鍵となるのが「Amazon Appstore」。Microsoft Storeからインストールすれば、厳選されたカタログの中からお気に入りのアプリやゲームを閲覧・インストールできるようになります。ただし注意点として、この機能はリリース当初、米国でのみサポートされていました。 スマートフォンだけでなくWindows PCでもアプリを活用したい——これは多く