WriteMonkeyレビュー|Markdown対応の無料「Zenware」エディターで執筆に集中する
Zenwareとは?画面から「気を散らすもの」を取り除く発想
「Zenware(禅ウェア)」という言葉は、まだあまり浸透していないかもしれませんが、ここ数年でじわじわと広がっているコンセプトです。その本質は、画面上の視覚的なノイズや余計な要素を極限まで排除し、設定の変更などではなく「作業そのもの」に深く集中できる環境をつくることにあります。
WriteMonkeyはそんなZenwareの代表的な存在で、無料で利用できます。追加機能やプラグインが使える有料版も開発支援として用意されていますが、基本的な用途であれば無料版で十分すぎるほどです。

起動すると全画面表示。落ち着きのあるグレー基調のUI
WriteMonkeyを起動すると、ランダムな格言が表示されるスプラッシュ画面の後に、全画面エディターが開きます。これらは設定から変更でき、通常のウィンドウ形式で表示することも可能です。ただし、それではこのソフトの趣旨を見失ってしまいます。
デフォルトUIは、「ページ」と背景、下部のステータスバーの間に心地よいグレーのコントラストがあり、驚くほど快適です。背景色はなかなかうまく調整するのが難しいものですが、WriteMonkeyは細かいパターンを繰り返し配置することで、単調な色の塊になりすぎないよう工夫されています。
Markdown記法に対応した高速入力
WriteMonkeyの大きな強みは、Markdownフォーマットへの対応です。MarkdownはWeb向けドキュメントを整形するための人気の記法で、非常に扱いやすいことで知られています。GitHubやRedditも独自に改変したバージョンを採用しています。さらにWriteMonkeyではキーボードショートカットも用意されており、より素早い入力が可能です。
Markdownは本来ワープロ向けの記法ではありませんが、WriteMonkeyでは書いたファイルをWordや既定のWebブラウザへ書き出せて、書式はすべて保持されます。つまり、WriteMonkeyで静かに執筆に集中し、完成後に最終版を書き出してきちんと整形する、といったワークフローが実現します。

パフォーマンス:長文でも安定、ただし極端な大容量には注意
テストでは、WriteMonkeyはほぼ完璧に動作しました。ただし当初は数千語程度のファイルしか試していません。問題が見えたのは、小説『ジェイン・エア』全文(約18万語)を読み込ませたときでした。非常に長いテキストでは多少の動作の遅延が発生し、ウィンドウモードと全画面モードを切り替える際には「応答なし」寸前になることもありました。とはいえ、これはかなり極端な例であり、実際に1つのファイルにそこまで大量の文章を保存することはまずないでしょう。

ブックマーク機能で長文も快適にナビゲート
18万語というのは1ファイルとしては膨大ですが、WriteMonkeyは数千語規模のテキスト向けに専用のブックマークシステムを備えています。「Alt + M」で現在位置にブックマークを挿入し、「Alt + J」でブックマーク間を移動できる専用ウィンドウを開けます。このウィンドウの見た目は、サンセリフ体と等幅フォントの選択である程度変更できます。
前述の通りWriteMonkeyはMarkdownで整形しますが、「#」記号による見出し作成にも対応しており、Microsoft Wordに書き出しても見出しは保持されます。

「Progress」ウィンドウ:文書分析とタイマー機能
このソフトで最も興味深い機能のひとつが「Progress(進捗)」ウィンドウです。文書全体の概要、最も多く使われている単語、読みやすさ(可読性)などを一覧できます。こうした機能を備えているのは少なく、あってもScrivenerのような専門的なライティングソフトがほとんどで、いわゆるZenwareが搭載しているのは珍しいことです。校正作業を簡略化できるため、歓迎される機能でしょう。ウィンドウ内には変更可能なオプションもあり、タイマーの設定も可能です。たとえば「15分か20分しか時間がない」というときに、その時間を現在のプロジェクトに充てる、といった使い方ができます。
Progressウィンドウのもうひとつの面白い点は、その柔軟性です。文書内の1段落だけを選択状態にすると、その段落だけを分析対象にします。この細やかなコントロールにより、単語1つだけを選択することさえ可能ですが、それで得られる洞察はほぼありません。それでも、文書をセクションごとに確認できることで、問題を一度にすべて表示するのではなく、小さな単位で不備を見つけられるため、編集作業が大幅に楽になる可能性があります。

見た目はシンプル、でもカスタマイズ性はしっかり確保
WriteMonkeyの最大の売りは外観の固定感にあるように思われますが、実際には調整可能なオプションがかなり豊富で、プロファイルとして割り当てることもできます。したがって、このソフトの魅力は「オプションがないこと」ではなく、オプションを執筆の邪魔にならない場所に追いやってくれることにあります。見た目を変えるために何度も設定をいじり続けるよりも、一度調整してそのまま放置する方がずっと簡単だからです。
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