コマンドプロンプトでWindows Defenderを使いこなす方法|スキャン・隔離・定義更新のコマンド集
Windows Defenderは、Windows 10およびWindows 11に標準搭載されているウイルス対策ソフトです。サードパーティ製のウイルス対策ソフトと比べても性能は引けを取らず、特にシステムリソースの消費が少ない点では最も優れた部類に入ります。GUI(画面操作)も使いやすいのですが、実はWindows Defenderはコマンドプロンプトからも操作できます。自作のバッチファイルやタスクスケジューラーでの定期実行など、自動化を組み立てたいときに特に便利です。
Windows Defenderのコマンドライン機能では、各種スキャンの実行、隔離されたファイルの一覧表示と復元、動的シグネチャの追加、ウイルス定義の削除や更新といった基本的な操作をすべて行えます。この記事では、コマンドプロンプトからWindows Defenderを利用する方法を詳しく解説します。
コマンドプロンプトからWindows Defenderを実行する準備
コマンドプロンプト経由でWindows Defenderを操作するには、管理者権限が必要です。スタートメニューで「cmd」または「コマンドプロンプト」と検索し、「管理者として実行」を選択してください。検索結果を右クリックして「管理者として実行」を選ぶ方法でも構いません。
Windows DefenderのGUIを使ったことがある方ならご存じの通り、Defenderには3種類のスキャン方式があります。それぞれの違いを簡単にまとめると以下のようになります。
クイックスキャン(ScanType 1)
名前の通り短時間で完了するスキャンです。レジストリキーやスタートアップフォルダなど、マルウェアやウイルスが影響を及ぼしやすい主要な場所だけを調べます。通常は数分で終了します。コマンドラインでは -ScanType 1 として指定します。
フルスキャン(ScanType 2)
システム全体を徹底的に調べる詳細スキャンです。PC内のファイル数によっては完了までに数時間かかることもあります。コマンドラインでは -ScanType 2 として指定します。
カスタムスキャン(ScanType 3)
特定のドライブ、フォルダ、ファイルだけを対象に詳細スキャンを行います。コマンドラインでは -ScanType 3 と指定し、追加のオプションでスキャン対象のパスを伝えます。
各種スキャンを実行するコマンド
クイックスキャンを実行する
クイックスキャンを行いたい場合は、次のコマンドを実行します。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -Scan -ScanType 1
フルスキャンを実行する
フルスキャンの場合は、上記コマンドの「1」を「2」に変更するだけです。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -Scan -ScanType 2
カスタムスキャンを実行する
特定のフォルダやファイルをスキャンしたい場合は、次のコマンドを使います。「D:\Folder\Path」の部分を、実際にスキャンしたいフォルダまたはファイルのパスに置き換えてください。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -Scan -ScanType 3 -File "D:\Folder\Path"
ブートセクターをスキャンする
Windows Defenderには、システムのブートセクターを調査するスキャン方式もあります。ブートセクターウイルスはマスターブートレcord(MBR)に感染し、PCの起動時にシステム全体へ感染が広がる厄介なタイプです。ブートセクターのスキャンには、次のコマンドを使用します。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -Scan -ScanType -BootSectorScan
スキャンを途中で中止したいときは、キーボードショートカットの Ctrl + C を押すだけでキャンセルできます。
隔離されたファイルの一覧表示と復元
Windows Defenderが脅威を検出すると、そのファイルはシステムへの感染を防ぐため「隔離」領域へ移動されます。ただし、誤検知(偽陽性)が発生することもあります。安全なファイルが誤って隔離されてしまった場合は、簡単に復元できます。
まず、次のコマンドで隔離中のファイルをすべて一覧表示しましょう。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -Restore -ListAll
一覧から目的のファイルを見つけて、その名前を控えておきます。続いて、次のコマンドの「FileName」を実際に復元したいファイル名に置き換えて実行してください。コマンドが正常に完了すると、ファイルは元の場所へ戻ります。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -Restore -Name "FileName"
ウイルス定義を手動で更新する
通常、Windows Defenderは最新のウイルス定義を自動的に取得します。しかし、「今この瞬間に最新かどうか確認したい」という場合は、次のコマンドで手動更新を実行できます。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -SignatureUpdate
セキュリティ定義の削除と復元
アプリのテストやスクリプト開発を行っていると、最新のセキュリティ更新プログラムだけでなく、前回のWindows Update時点の定義との挙動の違いを確認したくなることがあります。コマンドプロンプトを使えば、セキュリティ定義を削除してから再び復元できます。
注意: 定義を削除したままにすると、PCが最新の脅威から無防備になります。テストが終わったら必ず最新の定義へ復元してください。
それを踏まえて、ウイルス定義をロールバックする方法を紹介します。
定義を初期状態、または直近のバックアップコピー(最新版へ更新する際にWindowsが自動作成するもの)へ戻すには、次のコマンドを入力します。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -RemoveDefinitions -All
また、動的にダウンロードされたセキュリティシグネチャだけを削除したい場合は、こちらのコマンドを使用します。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -RemoveDefinitions -DynamicSignatures
テスト作業が終わったら、次のコマンドで定義を最新の状態へ復元しておきましょう。
"%ProgramFiles%\Windows Defender\MpCmdRun.exe" -SignatureUpdate
まとめ
以上が、コマンドプロンプトからWindows Defenderを操作する方法でした。ご覧の通り、Defenderのコマンドラインオプションは非常に分かりやすく、初心者でも扱いやすい設計になっています。スクリプトやタスクスchedulerと組み合わせれば、PCのセキュリティ管理をさらに効率化できるでしょう。
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