Windows 11のアップグレード・インストールに失敗する原因と11の対処法
Microsoftは、対応デバイス向けにWindows 11バージョン22H2の無料アップグレード配信を開始しています。お使いのPCがWindows 11のシステム要件を満たし、Windows 10バージョン2004以降が動作していれば、Windows 11 22H2へのアップグレード準備完了の通知が届きます。更新プログラムは「Windows Update」から入手できるほか、「インストール アシスタント」を使う方法や、Microsoft公式サイトから「Windows 11 2022 Update ISO」をダウンロードしてインストールする方法もあります。
この大型アップデートには多数の新機能や既存機能の改善が含まれているため、通常のWindows更新プログラムに比べてダウンロードやインストールに時間がかかります。全体としてWindows 11のインストールはそれほど難しくありませんが、一部のユーザーからは「Windows 11のインストールに失敗した」「There were some problems installing updates, but we'll try again later.(更新プログラムのインストール中に問題が発生しました。後でもう一度試みます)」といったエラーが表示されるという報告があります。
Windows 11のインストールに失敗する主な原因
Windows 11への無料アップグレードが妨げられる原因は複数考えられます。よくあるのは以下の通りです。
- PCがハードウェア要件を満たしていない
- ドライバーの競合またはドライバーが古い
- セキュリティソフトが干渉している
- システムファイルの破損
- インターネット接続の不具合
これらに対しては、Windows Updateのトラブルシューティングツールの実行、更新キャッシュのクリアやWindows Updateコンポーネントのリセット、セキュリティソフトの一時無効化、VPNや外付けデバイスの取り外しなどが有効な対策となります。
Windows 11 22H2のインストールに失敗するときの対処法
Windows 11バージョン22H2のインストールがうまくいかない、ダウンロードが0%〜99%の途中で止まる、別のエラーが出て失敗する——そんなときは、以下の対処法を順番に試してみてください。
まず最初に試したいのはPCの再起動です。軽微な一時的な不具合が原因で更新プログラムのインストールに問題が発生することは少なくありません。再起動しても改善しない場合は、次に進む前にお使いのデバイスがWindows 11の最小システム要件を満たしているかを必ず確認しましょう。
Windows 11の最小システム要件
Windows 11の最小システム要件は以下の通りです。
- プロセッサー: 互換性のある64ビットプロセッサーまたはSoC(System on a Chip)上で動作する1GHz以上、コア数2以上
- メモリ(RAM): 4GB以上
- ストレージ: 64GB以上のストレージデバイス
- システムファームウェア: UEFI、セキュアブート対応
- TPM: Trusted Platform Module(TPM)バージョン2.0
- グラフィックスカード: WDDM 2.0ドライバー搭載のDirectX 12以降互換
- ディスプレイ: 対角9インチ超、720p(HD)解像度、色チャンネルあたり8ビット
- インターネット接続とMicrosoftアカウント: Windows 11 Homeエディションでは、初回セットアップ時にインターネット接続とMicrosoftアカウントが必要です。
PC正常性チェックアプリで問題を特定する
Microsoftが提供する「PC正常性チェック」アプリをダウンロードして実行すれば、お使いのPCがWindows 11の要件を満たしているかどうかを簡単に確認できます。
- Microsoft公式サイトからPC正常性チェックアプリをダウンロードしてインストールします。
- アプリを起動し、ダッシュボードの「今すぐチェック」ボタンを選択します。
- 自動的にスキャンが実行され、ハードウェアおよびソフトウェア構成がWindows 11のシステム要件を満たしているかが検証されます。
ハードウェアに互換性がない場合は、そのデバイスでWindows 11が動作できない理由を詳しく示すメッセージが表示されます。
BIOSでTPM 2.0を有効化する
Trusted Platform Module(TPM)は、デバイスのハードウェアに直接組み込まれたセキュリティチップです。この機能を有効にすると、ストレージドライブの暗号化や指紋認証・顔認証などのログイン保護など、コンピューターのセキュリティ強化につながります。
まず、PCがTPM 2.0に対応しているかを確認しましょう。「デバイスマネージャー」を開いて「セキュリティデバイス」を展開し、「Trusted Platform Module 2.0」と表示されていれば対応しています。
また、Windowsキー + Rを押して「tpm.msc」と入力し、OKをクリックする方法もあります。ウィンドウの「状態」セクションに「TPM を使用する準備ができています」と表示されれば正常です。
TPMとセキュアブートを有効にする手順:
- PCを再起動し、起動時にDeleteキーまたはF2キーを押してBIOS設定画面に入ります。
- 「Security」セクションに移動し、TPMの項目を見つけて有効化します。
- F10キーを押して設定を保存し、終了します。
セキュアブート(Secure Boot)を有効にする
- Windowsの設定を開き、「更新とセキュリティ」を選択します。
- 「回復」をクリックし、「高度なスタートアップ」の下にある「今すぐ再起動」をクリックします。
- ブートオプション画面が表示されたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」の順に選択します。
- 「UEFIファームウェアの設定」を選択します。
- PCがBIOS画面に入ったら、「Security」タブを開き、「Secure Boot」オプションを探して「On」に切り替えて有効化します。
- F10キーを押して変更を保存し、BIOSを終了してPCが再起動するのを待ちます。
インターネット接続を確認する
Windows 11の更新ファイルをMicrosoftサーバーからダウンロードしてインストール・アップグレードするには、安定したインターネット接続が必要です。speedtest.netやfast.comなどのサイトで通信速度を確認してみましょう。
また、Windowsキー + Rを押して「ping google.com -t」と入力し、OKをクリックしてping応答が継続的に返ってくるかを確認するのも有効です。応答が途切れる場合は、インターネット接続のトラブルシューティングを行ってください。
さらに、VPNを使用している場合は切断し、サードパーティ製のウイルス対策ソフトも一時的に無効化またはアンインストールしておきましょう。
ストレージの空き容量を確保する
Microsoftの公式情報によると、最新のWindows 11のインストールにはシステムドライブに20〜30GB程度の空きディスク容量が必要です。空き容量が不足していると、無料アップグレードの際に問題が発生することがあります。
ダウンロードファイルや大きなファイル・フォルダーを外部デバイスへ移動したり、不要なデータを削除したり、使っていないゲームをアンインストールしたりして、システムドライブの貴重な空き容量を確保しましょう。
また、「ディスククリーンアップ」や「ストレージセンサー」を実行してPCの空き容量を増やすこともできます。
さらに、Windows 11のインストールやアップグレードの前に、外付けHDD、SDカード、プリンター、スキャナーなどの外部デバイスを取り外しておくと、ドライバーの競合を防げます。
スタートアップサービスの競合が原因になっている可能性がある場合は、クリーンブート状態でWindows更新プログラムのインストールを試みてください。
そして最も重要な点として、日付・時刻および地域と言語の設定が正しいことを必ず確認してください。
Windows Updateのトラブルシューティングツールを実行する
Windows Updateトラブルシューティングツールは、更新プロセスの問題を自動的に検出して修復するために設計された機能です。実行すれば、Windowsが問題を自動的に検出・修正してくれます。
- Windowsキー + Xを押し、コンテキストメニューから「設定」を選択します。
- 「更新とセキュリティ」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティングツール」の順に移動します。
- 利用可能なトラブルシューティングツールの一覧が表示されるので、下にスクロールして「Windows Update」を見つけ、横の「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- Windows Update関連の問題の診断が開始されます。トラブルシューティングツールは、Windows Updateサービスが破損していないか、正しく実行されているかも確認します。
- 診断が完了したらPCを再起動します。
- 再度Windows Updateを開いて更新プログラムを確認し、Windows 11 22H2へのアップグレードで問題が解消されたかチェックしてください。それでも解決しない場合は、次の対処法に進みましょう。
Windows Updateコンポーネントをリセットする
Windows Updateフォルダー(C:\Windows\SoftwareDistribution)は、ダウンロードした新しい更新プログラムが保存される場所です。何らかの理由でSoftwareDistributionフォルダー内のファイルが破損すると、更新プログラムのダウンロードやインストールが途中で止まったり、さまざまなエラーコードとともにインストールに失敗したりすることがあります。更新ファイルが保存されているフォルダーをクリアすると、Windows Updateが強制的に再ダウンロードを行い、ほぼすべてのWindows更新の問題を解決できます。
- services.mscと入力してWindowsサービスコンソールを開きます。
- 下にスクロールして「Windows Update」サービスを見つけます。
- 「Windows Update」サービスを右クリックして「停止」を選択します。
- BITSサービスについても同じ操作を行います。
- キーボードショートカットWindows + Eでエクスプローラーを開きます。
- C:\Windows\SoftwareDistribution\Downloadフォルダーに移動します。
- Downloadフォルダー内のすべてのファイルとフォルダーを削除します(フォルダー自体は削除しないでください)。Ctrl + Aですべて選択し、Deleteキーを押せばOKです。
この操作の後、先ほど停止したサービス(BITS、Windows Update)を再起動します。その後、Windowsを再起動し、「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」から更新プログラムを確認してください。
DISMおよびSFCユーティリティを実行する
破損したシステムファイルが原因で、Windows 11の更新プログラムのダウンロードが止まってしまうこともあります。システムファイルチェッカー(SFC)を実行すると、Windows 11の破損したシステムファイルをスキャンして修復できます。
- コマンドプロンプトを管理者として開きます。
- コマンドプロンプトウィンドウ内で「sfc /scannow」と入力し、Enterキーを押します。
- 不足・破損したシステムファイルのスキャンが開始され、見つかった場合、SFCユーティリティは%WinDir%\System32\dllcacheにある特別なフォルダー内の正しいファイルで自動的に復元します。
スキャンが100%完了するまで待ち、その後Windowsを再起動して更新プログラムを確認してください。SFCのスキャン結果で破損ファイルが検出されたものの修復できなかった場合は、SFCの処理を助けるDISMツールを実行しましょう。
デバイスドライバーを更新する
インストール済みのすべてのデバイスドライバーが最新で、現在のWindowsバージョンと互換性があることを確認してください。特に重要なのは、ディスプレイドライバー、ネットワークアダプター、オーディオサウンドドライバーです。これらはデバイスマネージャーから確認・更新できます。また、CCleanerなどのサードパーティ製システム最適化ツールを使えば、ジャンクファイル、キャッシュ、システムエラー、メモリダンプファイルなどを削除し、壊れたレジストリや欠落したレジストリエラーを修復できます。
DNSアドレスを変更する
Windows Updateがさまざまなエラーで失敗する場合や、「更新サービスに接続できませんでした」というエラーが表示される場合は、この対処法を試してください。
- Windows + Rを押し、「ncpa.cpl」と入力してOKをクリックします。
- ネットワーク接続ウィンドウが開きます。
- アクティブなネットワークアダプターを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」をダブルクリックしてプロパティを開きます。
- DNSアドレスを、優先DNSサーバー「8.8.8.8」、代替DNSサーバー「8.8.4.4」に変更します。
- 「終了時に設定を確認する」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
TPM 2.0とセキュアブートのチェックをバイパスする
それでも「Windows 11のインストールに失敗しました」というエラーが解消しない場合は、Windowsレジストリを調整して、Windows 11インストール時のTPMおよびセキュアブートのチェックをバイパスする方法があります。
- Windowsキー + Rを押し、「regedit」と入力してOKをクリックし、Windowsレジストリエディターを開きます。
- Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setupに移動します。
- 右側の空きスペースを右クリックし、「新規」→「キー」を選択して「LabConfig」という名前を付けます。
- 「LabConfig」キーを右クリックし、「DWORD(32ビット)値」を選択して「BypassTPMCheck」という名前を付けます。
- もうひとつDWORD(32ビット)値を作成し、「BypassSecureBootCheck」という名前を付けます。
- 新しく作成した項目をそれぞれダブルクリックし、基数を「10進数」に選択して、値のデータ欄に「1」を入力し、「OK」をクリックします。
- レジストリエディターを閉じてPCを再起動し、Windows 11のインストールを再試行します。
また、公式の「Windows 11インストール アシスタント」ツールを使えば、エラーなしで22H2アップデートにアップグレードできることがあります。クリーンインストールをお望みの場合は、Microsoftサーバーから直接Windows 11 22H2 ISOをダウンロードする方法も参考にしてください。
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