Mac内蔵の診断ツール「Apple Diagnostics」の使い方とエラーコード一覧
コンピュータは、ある程度予測可能なパターンで故障するものです。特にハードウェアの不具合については、プログラム的に検出できる信号が現れ、問題の原因を特定できることがあります。こうした診断プロセスを実行できるツールは、本来なら正規の修理店だけが利用できるものですが、実はそうではありません。「Apple Diagnostics」を使えば、どのMacからでもApple純正の診断機能にアクセスできるのです。
Apple Diagnosticsとは?

Apple Diagnosticsは、すべてのMacに標準搭載されているハードウェア診断ツールです。Apple Storeに出向かなくても、自宅で手軽にMacのハードウェア診断を実行できます。
キーボードやトラックパッドなどの入力デバイスから、グラフィックスプロセッサ(GPU)といった表示関連の部品、さらにコンピュータの中核となるCPU・ストレージ・メモリまで、Macの主要システム全体をチェックできます。プログラムされた範囲の問題しか検出できず、分析もそれほど細密ではありませんが、今抱えているトラブルの「種類」と「深刻度」を掴むための有力な手がかりになります。
Apple Diagnosticsの実行方法(Intel搭載Mac)
Apple Diagnosticsは起動プロセスの一部として動作するため、Macを再起動する必要があります。実行前に、不要な周辺機器をすべて外しておきましょう(キーボードとマウスは接続したまま)。これにより、診断結果を妨げる要因を減らせます。
- マウスとキーボード以外の外部デバイスをすべてMacから取り外す。
- Macをシャットダウンする。
- 電源を入れる際に、キーボードの「D」キーを押し続ける。
- 診断が完了するまで数分待つ。完了すると、画面に該当するリファレンスコードが表示される。

テスト終了後は、テストのやり直し、エラーコードの詳細情報の確認、または通常どおりのシャットダウンや再起動を選択できます。
Apple Silicon(Mシリーズ)搭載Macの場合
M1以降のApple Siliconチップを搭載したMacでは手順が異なります。
- Macを完全にシャットダウンする。
- 電源ボタンを長押しし、「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待つ。
- 「オプション」→「続ける」の順に選択する。
- メニューバーの「ユーティリティ」から「Apple Diagnostics」を選択して実行する。
診断後にやるべきこと
問題が検出された場合は、必ずもう一度テストを実行しましょう。2回目で問題が見つからなければ、断続的な不具合か、誤検出の可能性があります。逆に、同じ結果が何度も出れば、その原因である確信度はかなり高いといえます。
バッテリー関連のコード(PPT004)が表示された場合は、Appleがインターネット経由での再診断を推奨しています。手順は、Macを通常どおりシャットダウンした後、「D」キーの代わりに Option + D を押しながら電源を入れるだけです。
また、「Get Started(はじめる)」をクリックするか、Command + G を押すと、インターネット接続があればMacはリカバリーモードで起動し、AppleサポートのWebページへアクセスできます。テレメトリ(情報収集)を無効にしている場合は、Macの情報をAppleへ送信する前に許可を求められるので安心です。Apple DiagnosticsがAppleへデータを送るのは、このときだけです。
Apple Diagnosticsのリファレンスコード一覧
問題が見つからなかったことを意味する「ADP000」を除き、Apple Diagnosticsが出力するリファレンスコードには、それぞれ対応する問題の種類が割り当てられています。基本的に多くのエラーコードへの対処は共通しており、対象デバイスが未接続・未検出なら再接続を試みるか、Appleのサポートを受けることになります。コードに添えられた簡潔な説明文が、Appleが一般ユーザー向けに公開している情報のすべてです。
リファレンスコードは「英字3文字+数字3桁」の組み合わせで構成されています。以下の一覧では、連続する番号はダッシュ(-)で省略表記しています。
- CNW001〜006: Wi-Fiハードウェアに問題が検出された
- CNW007〜008: Wi-Fiネットワークが検出されなかった
- NDC001〜006: カメラに問題が検出された
- NDD001: USBコントローラーに問題が検出された
- NDK001〜004: キーボードに問題が検出された
- NDL001: Bluetoothハードウェアに問題が検出された
- NDR001〜004: トラックパッドに問題が検出された
- NDT001〜006: Thunderboltコントローラーに問題が検出された
- NNN001: シリアル番号が検出されなかった
- PFM001〜007: システム管理コントローラー(SMC)に問題が検出された。SMCは最新のMacで低レベルのハードウェア制御を担うチップです。
- PFR001: ファームウェアに問題が検出された
- PPF001〜004: ファンに問題が検出された
- PPM001〜015: 内蔵メモリに問題が検出された
- PPP001〜003: 電源アダプタに問題が検出された
- PPP007: 電源アダプタがテストされなかった
- PPR001: CPUに問題が検出された
- PPT001: バッテリーが検出されなかった
- PPT002〜003: バッテリーの劣化が深刻な状態にある
- PPT004: バッテリーの修理が必要
- PPT005: バッテリーが正しく装着されていない
- PPT006: バッテリーの修理が必要
- PPT007: バッテリーの交換が必要
- VDC001〜007: SDカードリーダーに問題が検出された
- VDH002〜004: 内蔵ストレージに問題が検出された
- VDH005: リカバリーパーティションから起動できなかった
- VFD001〜005: ディスプレイに問題が検出された
- VFD006: グラフィックスプロセッサに問題が検出された
- VFD007: ディスプレイに問題が検出された
- VFF001: オーディオハードウェアに問題が検出された
まとめ
「ADP000」以外のコードが表示された場合は、基本的に何らかの修理が必要です。診断ツールは具体的な修理内容までは教えてくれませんが、リファレンスコードは、Macのトラブル解決にあたる技術者にとって重要な最初の手がかりとなります。事前に自分で症状を把握しておけば、Apple Storeや正規サービスプロバイダでの相談も格段にスムーズになるでしょう。
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