PCにmacOSをインストールする方法――「Hackintosh」構築の完全ガイド
AppleはmacOSをPCにインストールすることを想定していませんが、実際にはそれが可能です。専用ツールを使えば、Snow Leopard以降のさまざまなバージョンのmacOSを、Apple製ではないPCにインストールするためのインストーラーを作成できます。こうして構築されたPCは、親しみを込めて「Hackintosh(ハッキントッシュ)」と呼ばれています。
始める前に注意しておきたいのは、AppleのmacOSライセンスでは、Mac以外のデバイスへのインストールが明確に禁止されているという点です。実行する場合は、その点を十分理解した上で、自己責任で行ってください。
また、逆にAppleのハードウェアにMicrosoftのソフトウェアを導入したい場合は、「MacにWindowsをインストールする方法」のガイドをご覧ください。
PCでmacOSを動かすために必要なもの
作業を始める前に、いくつか準備が必要です。まず、互換性のあるPCを用意しましょう。
基本的な目安として、64ビットのIntelプロセッサーを搭載したマシンが必要です。さらに、macOSをインストールするための独立したハードドライブも必要で、これまでWindowsをインストールしたことのないものが理想的です。OSだけでなく快適に使いたいなら、少なくとも50GB以上の空き容量があるとよいでしょう。
macOSインストーラーを作成するには、App StoreからダウンロードできるMacが必要です。Mojaveなど最新のmacOSを動かせるMacであれば機種は問いません。自分のMacが対応しているかわからない場合は、Macの識別方法やスペック確認のガイドを参照してください。
最後に、インストーラー作成用のツールと、それを保存するUSBメモリが必要です。容量は8GB以上のものを用意してください。最近のMacBook、MacBook Pro、MacBook Airを使用している場合は、USB-C対応のフラッシュドライブ(Amazonや家電量販店などで購入できます)が必要になります。
最も人気のあるインストーラー作成ツールのひとつが「Unibeast」です。無料のMacアプリで、Intel PCにインストール可能なmacOSインストーラーをUSBメモリ上に作成できます。ダウンロードにはtonymacx86.comへの登録が必要ですが、登録さえ済ませればすぐに使い始められます。
macOSインストーラーの作成方法
以前は最近のバージョンのmacOSもMac App Storeから簡単に入手できましたが、今ではそうはいきません。たとえば「High Sierra」と検索しても見つかりません。代わりに、こちらのリンクからHigh Sierraを、こちらからMojaveをダウンロードできます。
ダウンロードを開始すると、システム環境設定のソフトウェア・アップデートが起動し、進行状況が表示されます。完了まで待ちましょう。
ダウンロードが完了したら、Mojaveが動作しているMacでHigh Sierraをダウンロードした場合、システム環境設定を終了して、アプリケーションフォルダ内のHigh Sierraインストーラーを探します。Mojaveをダウンロードする場合は、まだMojaveにアップグレードしていないMacで別のバージョンをダウンロードしてください。そうしないと、現行バージョンのアップデートになってしまいます。
- tonymacx86.comにアクセスして登録し、Unibeastをダウンロードします。ダウンロード後、通常のアプリと同じようにインストールしてください。
- macOSをインストールしたいUSBドライブを挿入し、ディスクユーティリティを起動します。
USBドライブに複数のパーティションがある場合は、「パーティション」タブをクリックし、マイナス記号を使ってドライブ全容量を占める1つのパーティションに減らします。パーティションに名前を付け、フォーマットが「Mac OS拡張(ジャーナリング)」になっていることを確認して「適用」をクリックします。 - スキームが「GUIDパーティションマップ」に設定されていれば手順4へ進みます。そうでなければ、「消去」タブをクリックして変更し、「消去」を押します。
- Unibeastを起動し、最初のウィンドウで、先ほどフォーマットしたUSBドライブをインストーラーの保存先として選択します。「続ける」をクリックしてページを進めると、インストールしたいOSを選択する画面が出てきます。MojaveまたはHigh Sierraのうち、インストールしたい方をクリックしてください。
- 次のページでは、UEFIとLegacyの2つのブートモードから選択を求められます。ほとんどの場合はUEFIを選びましょう。例外は、BIOSを使用しUEFI非対応の古いマザーボードを搭載したPCです。その場合はLegacyを選んでください。
- ブートモードを選ぶと、PCのグラフィックカードの指定を求められます。最近のIntel CPUを搭載したPCなら、このステップはスキップできます。指定が必要なのは、macOSと互換性のないグラフィックカードを搭載したPCだけです。該当する場合は、自分のグラフィックカードに最も近い説明のオプションを選択してください。
- 「続ける」をクリックすると、UnibeastがUSBメモリへのインストールを開始します。最大1時間程度かかることもあるので、気長に待ちましょう。その間に、PC側の準備として、すべてのUSB機器の取り外しと、macOSをインストールするドライブ以外の内蔵ハードドライブの取り外しを行っておくとよいでしょう。
完了したら、MultibeastをダウンロードしてUSBインストーラーにドラッグします。Multibeastは、PC上のインストール環境を設定するためのツールです。
- PCにオンボードグラフィックスと外付けグラフィックカードの両方がある場合は、外付けカードを取り外します。最後に、DVIポートがあれば、モニターをDVIポートに接続してください。HDMIやVGAよりも安定して動作する傾向があります。
- PCのマザーボードのBIOSまたはUEFIの設定も必要です。Gigabyte製マザーボードでBIOSの場合はこちらのガイド、UEFIの場合はこちらのガイドに従ってください。Gigabyteブランド以外のマザーボードの場合は、こちらの手順5のガイドを参考にしてください。
PCにmacOSをインストールする手順
これでインストールを開始する準備が整いました。続きを見ていきましょう。
- UnibeastをインストールしたUSBメモリを挿し込み、PCを再起動します。Unibeastが起動し、インストール元のドライブを選択できるようになるはずです。矢印キーで「External」へ移動し、「Enter」を押します。macOSインストーラーが起動します。
- macOSのインストール先ドライブを選択する段階で、選択肢が何も表示されない場合があります。
その場合は、ユーティリティメニューをクリックし、ディスクユーティリティが開いたら、macOSをインストールしたいハードドライブを選択して「消去」タブをクリックします。「Mac OS拡張(ジャーナリング)」が選択され、スキームが「GUIDパーティションマップ」に設定されていることを確認して「消去」をクリックします。消去が完了したらディスクユーティリティを終了すると、インストーラーでドライブを選択できるようになります。 - ドライブを選択し、インストーラーの指示に従って進めると、macOSのインストールが始まります。30分ほどで完了するでしょう。完了したら、USBドライブを挿したままPCを再起動します。今度はUnibeastのブートメニューにmacOSのブートディスクが表示されるので、それを選択するとPCがmacOSで起動します。
インストールが完了したら、Multibeastを起動して各種設定を行います。
PCにmacOSをインストールすることは、いわば「ハック」であり、だからこそHackintoshと呼ばれるのです。公式なサポートは一切ありません。上記のガイドは多くのケースで機能しますが、うまくいかない場合は、こちらで助けを求めることができます。
ターミナルでインストーラーを作成する方法
より細かく設定をコントロールしたい場合は、ターミナルを使って手動でUSBインストーラーを作成し、Cloverをブートローダーとして使用できます。まず上記の手順1〜3に従ってUSBフラッシュドライブを準備し、その後ターミナルを起動します。
- ターミナルウィンドウで以下のコマンドを入力します。
sudo /Applications/Install\ macOS\ Mojave.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
「MyVolume」は自分のUSBフラッシュドライブの名前に置き換えてください。High Sierraをインストールする場合は、「Mojave.app」を「High\ Sierra.app」に置き換えます。 - Returnキーを押します。
- 求められたら、管理者名とパスワードを入力します。
- 求められたら、「y」と入力してドライブの消去を確定します。
- 完了したら、ターミナルを終了します。
- Cloverをダウンロードします。
- Clover EFI(BIOSシステムの場合はLegacy)をインストールし、ターゲットとしてUSBインストーラーを選択します。
- 完了したら、USBドライブ上の /EFI/CLOVER/kexts/Other/ へ移動し、FakeSMC.kextをダウンロードして追加します。
これで、上記の手順10以降のUnibeastの指示に従って、PCにmacOSをインストールできます。
仮想マシンでmacOSを動かすのはどう?
上記の方法が、Windows PCでmacOSを動かす唯一の方法ではありませんが、最もシンプルで成功率の高い方法です。技術的には、VMWare Fusionや無料のVirtualBoxなどの仮想マシンソフトを使ってmacOSをインストールすることも可能です。
ただしそのためには、インストールしたいmacOSバージョンの特別に作成された仮想イメージが必要で、信頼できるソースからダウンロードしなければなりません。しかも、セットアップ後のプロセスも上記の方法より簡単ではなく、むしろ一部では複雑になります。
どうしてもVirtualBoxでPC上のmacOSを実行したい場合は、こちらで詳細を確認できます。ただし、そのサイトで紹介されている仮想イメージやプロセスの動作については保証できません。潜在的な落とし穴も多いため、おすすめはできません。
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