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MacにWindowsをインストールする方法【Boot Campと仮想化ソフトの違いも解説】

2020年11月にM1搭載Macが登場する以前、Macを使う大きなメリットの一つは、macOS単体で使うこともできれば、Windows専用アプリやゲームが必要な場面に備えてWindowsをインストールすることもできた点でした。

現在でもMac上でWindowsを実行することは可能ですが、現実的にはIntelプロセッサー搭載のMacに限られます。Appleシリコン(M1)搭載Macでは理論上ARM版Windowsを動かすことはできますが、ARM版Windowsは入手が容易ではなく、多くのWindowsアプリが動作しないという互換性の問題もあります。

この記事では、MacにWindowsをインストールする方法を詳しく解説します。主な方法としては以下の3つがあります。

  • Apple純正の「Boot Campアシスタント」を使ったデュアルブート
  • Parallels DesktopやVMware Fusionなどのサードパーティ製仮想化ソフトの利用
  • エミュレーター経由でのWindowsアプリの実行

さらに、それぞれの方法のメリット・デメリットについても触れていきます。

Windowsに対応しているMacはどれ?

これはインストールしたいWindowsのバージョンによって異なります。Windows 10を導入したい場合、2012年後半以降に発売されたIntelプロセッサー搭載Macであれば基本的に対応しています。

対応機種の一覧は以下の通りです。

  • MacBook:2015年以降に発売されたモデル
  • MacBook Air:2012年以降に発売されたモデル
  • MacBook Pro:2012年以降に発売されたモデル
  • Mac mini:2012年以降に発売されたモデル
  • iMac:2012年以降に発売されたモデル
  • iMac Pro(全モデル)
  • Mac Pro:2013年以降に発売されたモデル

M1搭載Macをお持ちの場合、Parallels Desktop 16.5以降を使えばARM版Windowsを実行できます。ただし、ARM版Windowsのライセンス入手は簡単ではなく、一部のWindowsアプリが動作しない互換性の問題も残っています。

ARM版WindowsがM1 Macで動くようになってまだ日が浅いため、この記事では詳細な手順には踏み込みませんが、Parallels社が公式に案内している情報を参考にするとよいでしょう。

また、Windows 11については、Intel Mac・M1 Macのどちらであっても動作させられない可能性があります。Windows 11の実行には「TPM」と呼ばれるセキュリティモジュールが必要ですが、Macにはこのモジュールが搭載されていないためです。

Windowsに必要なディスク容量は?

Boot CampのパーティションにWindowsをインストールする場合、Macには最低64GBの空き容量が必要です。ただし、Windows本体に加えて各種プログラムをインストールすると128GB程度を消費するため、Apple自身も128GBのパーティションを作成することを推奨しています。

Boot Campと仮想化、どちらがベスト?

MacにWindowsを導入する方法は大きく分けて2つあり、どちらを選ぶかは主に「どんなソフトウェアを動かしたいか」によって決まります。

方法1:Boot Campによるデュアルブート

1つ目は、すべてのIntel Macに標準搭載されているApple純正ツール「Boot Campアシスタント」を使う方法です。これは「デュアルブート」と呼ばれる方式で、Macの起動時にWindowsかmacOSのどちらかを選んで起動できるようにします。

Boot CampアシスタントはMacのHDDやSSDを「パーティション」と呼ばれる2つの領域に分割します。片方のパーティションにmacOSを残し、もう片方にWindowsをインストールします。起動時にキーボードのAlt(Option)キーを押せば、使いたいOSを選択できます。

この方式でWindowsを導入すると、Macは事実上一台のWindows PCとして機能し、プロセッサーの性能やメモリ、グラフィックス性能のすべてをWindowsの実行に専念させられます。

そのため、Windows向けゲームを遊びたい場合や、高い処理能力を必要とするグラフィック・デザイン系ソフトを快適に動かしたい場合には、最適な選択肢となります。

一方、Boot Campの唯一の欠点は、Windowsを起動している間は普段使っているMacアプリにアクセスできないことです。Apple Mailや写真アプリなどを使いたくなったら、Windowsを終了してmacOSを再起動する必要があります。

方法2:仮想化ソフトを利用する

そこで便利なのが「仮想化」と呼ばれるもう一つの方法です。HDDを分割する代わりに、Parallels DesktopやVMware Fusionといった仮想化ソフトを使って、macOSの中で動作する「仮想マシン」を作成します。

仮想マシン(VM)は、Mac上で動く一つのアプリにすぎません。しかし内部ではPCの動作を模倣しており、その中にWindowsをインストールし、必要なWindowsアプリも一緒に導入できます。

この方法は間違いなく最も手軽です。WindowsアプリをMacのデスクトップ上で、通常のMacアプリと並べて同時に実行できるため、Boot CampのようにOSを切り替えるために再起動を繰り返す必要がありません。

ただし仮想化にも弱点があります。仮想マシン内でWindowsを動かすことは、実質的に2つのOSを同時に実行することを意味します。快適なパフォーマンスを得るには、十分なプロセッサー性能とメモリが必要です。

それでも、最近のIntel搭載Macであれば仮想マシン上のWindowsでも十分な性能を発揮でき、デュアルブートのパワーが必要になるのは3Dゲームやハイエンドのグラフィックアプリくらいです。

新しい選択肢:Windows 365

Microsoftは「Windows 365」という新しいサービスを開始しました。これはビジネスユーザー向けに、クラウド上で稼働するWindows PCへどこからでもアクセスできるようにするものです。つまり、クラウド上に本格的なWindows 10マシンを用意できるのです。しかも利用はWindows PCに限らず、MacやiPad、iPhoneからでも接続できます。

当然ながらWindows 10およびWindows 11デバイスとの互換性がありますが、嬉しいことに、Windows 365のセッションはmacOS、iPadOS、Linux、Androidが動作するハードウェアにもストリーミング配信できます。

Windows 365は仮想化やリモートアクセスソフトに似ていますが、注意点もあります。まず月額料金が比較的高めであること(1CPU・2GB RAM・64GBストレージのCloud PCで、1ユーザーあたり月額約24ドル〜。メモリやストレージを増やすとさらに高額になります)。また、すべての入力をネットワーク経由で送信するため、安定した高速なインターネット回線が必須です。

Mac用のWindowsを入手する方法

MacでWindows 10を使いたい場合は、Microsoftの公式サイトから「ディスクイメージファイル(ISOファイル)」としてダウンロードできます。

Windows 7やWindows 8.1のISOファイルもダウンロード可能です。ただし、これらのバージョンは元々ディスク媒体で販売されていたため、インストールディスクが手元にあるなら、ディスク内のインストーラーからISOファイルを作成する方が早いかもしれません。この作業は意外と簡単で、Appleの公式サイトでも手順が紹介されています。

Windowsのインストールファイルが用意できたら、あとはBoot Campまたは仮想化ソフトをセットアップしてインストールを進めるだけです。

Boot CampでMac上にWindowsを導入する手順

Boot CampでWindowsを利用する最大の魅力の一つは、Appleが無料の「Boot Campアシスタント」を提供しており、Windowsのインストールをサポートしてくれることです。

アシスタントはMacの「アプリケーション」フォルダ内にある「ユーティリティ」フォルダに格納されています。ただし、実行前にいくつか準備しておくべきものがあります。

必要なもの

  • Macの内蔵HDD(SSD)に、Windowsインストール用として最低64GBの空き容量(Appleの推奨は実際には128GB)
  • Macのディスプレイやカメラ、独自仕様のキーボードやマウスなどを制御するための「ドライバーソフトウェア」を保存する、16GB以上のUSBメモリースティック(機種によっては自動ダウンロードも可能)
  • ライセンス番号付きの正規版Windows。最近のMacモデルやCatalina以降を搭載したMacではWindows 10のみ対応。古いモデルではWindows 7や8.1も動作する場合があります。自分のMacが対応するWindowsのバージョンはAppleのサイトで確認できます。

インストール手順は使用するWindowsのバージョンによって多少異なります。準備が整ったら、以下の手順で進めましょう。

ステップ1:Boot Campアシスタントを起動

初回起動時にいくつかのオプションが表示されます。最初に、使用するISOイメージを選択します。「選択」ボタンをクリックして、ダウンロードまたは作成済みのISOファイルを指定しましょう。これによりWindowsのISOファイルがUSBメモリーにコピーされ、インストールの準備が整います。

ステップ2:ドライバーソフトウェアをダウンロード

次に、Boot CampアシスタントがWindows用ドライバーをUSBメモリーにダウンロードするかどうか尋ねてきます。ただし、自動ダウンロードに対応しているのはWindows 8.1と10のみです。まだ世界中で多くのユーザーが使っているもののMicrosoftのサポートが終了したWindows 7をインストールしたい場合は、Appleのサイトにある互換性一覧から自分のMac用ドライバーを探し、手順に従ってUSBメモリーにコピーする必要があります。

ステップ3:ドライブをパーティション分割

Windowsのための領域を確保するため、Boot CampはMacのドライブを2つのパーティションに分割します。画面下部に、左側に既存のmacOS、右側に新規作成されるWindows領域が表示されます。

デフォルトでは40GBの小さなWindowsパーティションが提案されますが、スライダー(パーティション間のつまみ)をドラッグすれば、両方のサイズを自由に調整できます。

Macに複数の内蔵ドライブやSSDがある場合は、そのうち1台をWindows専用にすることも可能です。

ただし、Boot CampはUSBやThunderbolt接続の外付けドライブとの相性が良くないため、可能な限り内蔵ドライブを使用するのがおすすめです。また、Time Machineバックアップ用の外付けドライブが接続されている場合は、インストール中にBoot Campが混乱することがあるため、取り外しておくと安心です。

設定が完了したら、ウィンドウ下部の「インストール」ボタンをクリックして処理を開始します。

ステップ4:Windowsをインストール

パーティション分割が完了すると、Macが再起動し、USBメモリーからWindowsインストーラーが立ち上がります。画面の指示に従ってWindowsをインストールしてください。Windowsが起動するとすぐに、USBメモリーから追加のBoot Campドライバーをインストールするよう求められるので、こちらも忘れずに行いましょう。

ステップ5:Windowsを起動する

ここまで完了すれば、Macの電源投入時にAlt(Option)キーを押すだけで、macOSとWindowsを切り替えられるようになります。起動画面に2つのパーティションが表示されるので、そのとき使いたいOSを選ぶだけです。

仮想マシンでWindowsを実行する方法

Parallels DesktopやVMware Fusionといった仮想化ソフトは、Boot Campのデュアルブート方式に対する、柔柔軟で賢い代替手段を提供します。

これらのソフトはドライブを分割してWindowsを別パーティションに入れる代わりに、「仮想マシン(VM)」を作成します。VMとは、Mac上で動作しPCのように振る舞う一つのアプリです。

VMの中にWindowsと必要なアプリをインストールすれば、SafariやApple Mailなど他のMacアプリと並行して実行できます。Boot CampのようにOS間を行き来する必要はありません。

なお、VMソフト自体の購入が必要な場合があります。Parallelsは69.99ポンド/79.99ドルから、VMwareは個人利用なら無料ですが、商用利用は149ドルからとなっています。

無料の仮想化ソフト「VirtualBox」もありますが、やや操作が複雑で初心者には難しいため、ここではまずParallelsとVMwareを使った方法を中心に解説します。VirtualBoxに挑戦したい方向けの記事も別途用意しています。

Parallels DesktopでWindowsを実行

Parallels Desktop(執筆時点でバージョン16)は69.99ポンド/79.99ドルで購入でき、VMware Fusionよりカラフルで直感的なインターフェースが特徴ですが、基本的な仕組みは両者とも同じです。インストールディスクやISOファイルを使って、Mac上に新しいVMを作成するための複数のオプションが用意されています。

さらに、既存のWindows PCをMacに接続して、Windowsとアプリ一式を丸ごとコピーしたVMを作ることも可能です。また、すでにBoot Campを利用しているユーザーは、Boot Campパーティションを複製したVMを作成できます。これは、MacをシャットダウンしてWindowsを起動することなく、ちょっとしたファイル確認や高性能を要しないアプリの実行を素早く行える便利な機能です。

Windowsのインストール方法を決めたら、両ソフトとも重要な設定を細かく調整できます。

VMware FusionでWindowsを実行

VMware Fusion(現在はバージョン12)は、設定項目の多いウィンドウが表示されるため、初めてのユーザーには少し取っつきにくいかもしれません。一方Parallelsは、Microsoft Officeなどの生産性ソフト向け、3Dゲーム向け、デザインソフト向けといった用途別のプリセットを多数用意しており、初心者にも優しい設計です。

VMwareには複数のライセンス形態があります。基本版のFusion 12 Playerは個人利用なら無料。商用利用の場合、Fusion 12 Playerは149ドル、Fusion 12 Proは199ドル、旧バージョンからのアップグレードは79ドルです。

ハードウェア設定

VMware FusionとParallelsはどちらも、まるで実際のMacやPCの物理パーツを選ぶように、VMのハードウェア構成を変更できます。

Macがマルチコアプロセッサーを搭載していれば、複数のコアをVMに割り当ててパフォーマンスを向上させることができます。メモリやディスク容量の追加割り当てはもちろん、ゲームやグラフィックソフトで扱う3D描画用のビデオメモリ量を増やすことさえ可能です。

その他、外付けHDDやBluetoothスピーカーなどの外部デバイスをWindows VMに接続する機能もあります。また、仕事で使う特定のフォルダやファイルの共有、音楽や写真ライブラリの共有など、VMとmacOS側との連携方法も細かく設定できます。

ソフトウェア設定

VMをMacで快適に使ううえで重要なのが、Macデスクトップ上での表示方法です。

デフォルトでは、ParallelsもVMwareもVMをウィンドウ形式で実行します。つまり、Macのデスクトップ上に浮かぶ独立したウィンドウの中にWindowsのデスクトップが表示されるイメージです。これを全画面表示に拡張すれば、Macがまるで普通のWindows PCのように見えます(Command-TabでMacアプリへの切り替えは可能)。

しかし、多くの人にとってさらに便利なのが、Windowsのデスクトップを完全に非表示にするモードです。この設定にすると、個々のWindowsアプリがあたかも普通のMacアプリであるかのように、Macのデスクトップ上に直接表示されます。

選択肢が多くて少し戸惑うかもしれませんが、仮想化技術の素晴らしいところは、VMを壊してしまう心配がほぼない点です。Microsoft Wordで文書の複数バージョンを保存するように、VMの状態を異なるバージョンとして保存できます。さまざまな設定を試してみて、自分に合った組み合わせが見つかるまで何度でもやり直せるのです。

Windows PCでmacOSを動かせる?

逆のケースはどうでしょうか?PCでmacOSを動かすことは可能なのでしょうか?

結論から言えば:ノーです。ここには皮肉な事情があります。Microsoftは攻撃的なビジネス手法で知られていますが、この問題の原因を作っているのはAppleの方なのです。Windowsはあらゆるx86コンピューターで実行できますが、AppleはmacOSをMac以外のハードウェアで使えるようにしていません。

表向きの理由は立派なもので、macOSはApple独自のハードウェア向けに設計されており、他のコンピューターでは同じ体験を提供できない、というものです。これが、低スペックの「Mac」が存在しない理由の一つでもあります。

しかし正直に言えば、Appleはハードウェアを売るためにソフトウェアを作っている側面もあります。macOSの優秀さこそがMacを売るためのキラーアプリであり、それを他社と共有したくないのです。だからこそ、すべての良いとこ取りをしたいなら、Mac上でWindowsを動かすのが一番の近道なのです。

とはいえ、「Hackintosh」と呼ばれる手法でPCにmacOSを導入する試みに挑戦してみるのも一興かもしれません。

  1. M1搭載MacにWindows 11をインストールする方法【Parallels Desktop活用ガイド】

    Microsoftは2021年6月に「Windows 11」を発表しました。Androidアプリのサポート(予定)、中央寄せのタスクバー、Teamsの統合など、数々の新機能が注目を集める一方で、これまでは対応外とされていた一部の旧型ハードウェアでも動作するようになった点も大きな話題となっています。 正式版の提供は10月5日から開始されますが、それに先立ち、MicrosoftはInsider Previewメンバー向けにプレビュービルドを公開しています。これにより、一般公開前に新しいバージョンやアップデートを試すことが可能になりました。実は、M1搭載Macのユーザーでも、今この時点でWindow

  2. MacにWindowsをインストールする方法|Boot Campを使った簡単ステップガイド

    WindowsとmacOSは、歴史上最も人気のある2つのOSです。しかし「WindowsとmacOS、どちらが優れているのか?」と問えば、ユーザーごとに意見は分かれ、何時間議論しても結論が出ないのが実情ではないでしょうか。では、両方のOSの良いところを同時に活かしたいと思ったらどうすればよいのでしょうか?「MacにWindowsをインストールできるの?」——答えはイエスです。Apple純正のユーティリティ「Boot Campアシスタント」を使えば、Macデバイス上でWindowsを動作させることができます。Boot CampでWindowsを導入すれば、必要に応じて2つのOSを自由に切り替えら