iPhoneでiMovieを使う方法|初心者向け動画編集の完全ガイド
夏休みの旅行、子供たちの成長記録、大切に残したい祖父母の映像、誕生日やお祝い事など、iPhoneには日常のさまざまなシーンが動画として記録されています。実はそんな撮り溜めた動画も、iPhoneやiPadだけで手軽に編集して、まるでプロが作ったようなクオリティの高いホームムービーに仕上げることができるのです。
Appleの「iMovie」は、1999年にMac用アプリとして登場し、2010年からiPhoneでも使えるようになりました。直感的でシンプルな操作性が魅力で、ITに詳しくない方でも数ステップだけで美しい作品を作れます。
まだiMovieを試したことがないなら、今こそ絶好のチャンス。この記事では、iPhone版iMovieの基本的な使い方を、初めての方にもわかるようステップごとに丁寧に解説します。
なお、iMacやMacBookでiMovieを使いたい場合は、「Mac版iMovieの使い方ガイド」もあわせて参考にしてください。
iMovieの入手方法
iMovieはiPhoneやiPadに最初からインストールされているわけではありませんが、Apple App Storeから無料でダウンロードできます。iPhone版とiPad版が用意されており、ファイルサイズは約700MB強です。そのため、ダウンロード前にはデバイスの空き容量を確認し、必ずWi-Fi環境に接続しておきましょう(大容量のモバイルデータプランをお持ちであれば、4G回線からのダウンロードでも問題ありません)。
iMovieを使ってみよう
iMovieを初めて起動すると、「Welcome to iMovie(ようこそ)」という案内画面が表示されます。ここでは、クリップの選択、タイトルの追加、音楽の挿入、エフェクトの適用など、映画制作に必要な機能が紹介されています。これらの操作方法については、後ほど順番に説明していきます。
また、この画面では「トレーラーを作成(Create Trailers)」機能についても触れられています。これはテンプレートが用意された機能で、いくつかのクリップを選ぶだけで、Appleのアプリが自動的に映画予告編風の楽しい作品を作ってくれるものです。イベントや旅行の思い出をユニークにまとめたいときにぴったりです。
iMovieはiPhone・iPad・Macのすべてで利用できるため、あるデバイスで編集を始めた作品を、別のデバイスで続きから編集することも可能です。
最初の画面を進むと「プロジェクト」画面が表示されます。ここには既存のプロジェクトが一覧表示され、「プロジェクトを作成(Create Project)」ボタンから新作制作がスタートします。あなたの受賞作への第一歩はここからです。

ステップ1:iMovieプロジェクトを作成する
メインパネルにある「プロジェクトを作成」ボタンをタップしましょう。
次に、プロジェクトのスタイルを2種類の中から選択します。「ムービー(Movie)」または「トレーラー(Trailer)」です。前者は自由度の高い白紙のキャンバスのようなもので、後者はあらかじめ用意されたテンプレートに写真や動画を差し込んでいく形式です。
まずはiMovieの操作に慣れるため、「ムービー」から始めるのがおすすめです。画面の該当部分をタップしてください。

ステップ2:使いたいクリップを選ぶ
次の画面では、iPhoneに保存されている写真や動画が「瞬間(Moments)」単位で整理されて表示されます。イベントごとに分類されているため、旅行中の動画などをまとめて素早く見つけやすいのが便利なポイントです。
ムービーに使いたいクリップや写真をタップして選択していきます。選択すると、画面下部の「ムービーを作成」ボタンの下に、選択したクリップの本数と合計尺(編集前の想定時間)が表示されます。
使いたい素材を選び終えたら(後から追加することもできます)、「ムービーを作成」をタップしましょう。
iMovieが自動的にクリップを時系列でタイムライン(画面下部の帯状のエリア)に並べ、クリップ同士をつなぐトランジションも自動で挿入してくれます。
仕上がり具合を確認したいときは、タイムライン上を指でスワイプしてスクラブ再生したり、先頭まで移動して再生ボタン(三角アイコン)をタップして通しで再生したりできます。
このまま完成としてもよいのですが、実際にはクリップが少し長すぎることが多く(短いクリップのほうがテンポよく仕上がります)、さらに撮影の最後にうっかり足元を写してしまうこともあります。せっかくの傑作を台無しにしないためにも、ここから編集作業に入りましょう。
編集を始める前にクリップを追加したい場合は、メインパネル左側の「+」アイコンをタップします。写真や動画へのショートカットページが開くので、先ほどの「瞬間」ビューに戻ることも、直接「ビデオ」「写真」「アルバム」へ移動することもできます(「1年の振り返り」などを作るときは、使いたい素材だけをまとめたアルバムを事前に作っておくと、一箇所から選べてとても便利です)。追加したいクリップを選んで「+」をタップしましょう。
クリップの順番を入れ替えたいときは、クリップを長押しして好きな位置までドラッグし、指を離せば完了です。
これで素材が揃い、並び順にも満足できたら、いよいよ編集フェーズに移ります。
ステップ3:クリップを編集する
iMovieで編集を始めるには、タイムライン上のクリップをタップします。クリップの周囲が黄色い枠で囲まれたら、編集モードに入った合図です。
iMovieでは、以下のような編集が行えます。
- クリップの長さを変更し、開始点・終了点を調整する
- 1本の長いクリップを複数の短いクリップに分割する
- クリップを複製する
- クリップをスロー再生または早送り再生にする
- クリップの音量を上げ下げする
- クリップ間のトランジションを変更する
- クリップにBGMを追加する
以降、これらの機能を詳しく見ていきます。まずはクリップの長さの編集から始めましょう。
iMovieでクリップを短くする方法
クリップの中身は気に入っているけれど、冒頭や末尾が不要ということはよくあります。そんなときは、クリップの始まりと終わりの位置を簡単に変更できます。
- クリップをタップして、黄色い枠が表示された編集状態にします。
- クリップ先頭にある太い黄色のバーを長押しし、クリップを開始したい位置までドラッグします。
- 終了点を変更する場合は、クリップの末尾までスワイプして移動し、再度クリップをタップして黄色い枠を表示させてから、終了したい位置までドラッグして戻します。
クリップを複数に分割する方法
1本の非常に長いクリップを、複数のクリップに分割したくなることもあるでしょう。分割すれば、クリップ間にトランジションを挿入したり、不要な部分を取り除いたりできるようになります。
- 分割したい位置(白い線で表示されます)を見つけます。
- 「分割(Split)」をタップします。

- クリップが即座に2つに分かれ、間にはトランジションを表すボックスが現れます(デフォルトではトランジションは設定されません。トランジションについては後述します)。
- 分割してできた「新しい」クリップの開始点・終了点を変更したり、さらに細かく分割したりすることも可能です。
クリップを複製する方法
同じクリップを何度も使いたい場合や、通常再生と逆再生の両方を使いたい場合に便利なのが複製機能です(逆再生の設定方法は後ほど紹介します)。複製の手順はとてもシンプルです。
- クリップをタップして「複製(Duplicate)」を選択するだけです。
iMovieで操作を取り消す方法
細かい編集作業に入る前に、取り消し操作の方法を押さえておきましょう。
誤って分割してしまった場合や、間違った位置で分割してしまった場合は、メインパネル右側にある「取り消す(Undo)」アイコン(折り返し矢印のマーク)をタップします。

クリップの音声を編集する方法
クリップの長さを編集していたときに「分離(Detach)」という項目に気づいた方もいるかもしれません。ここでその使い方を説明します。
「分離」をタップすると、iMovieは映像から音声を切り離します。こうすることで、音声だけを独立して編集できるようになります。たとえばナレーションや音楽を上乗せしたい場合、元の録音のノイズを小さくして音がぶつかるのを防げます。
また、端をドラッグして音声を短くしたり、「分割」で一部をカットしたりできるほか、「背景」設定を適用すれば音量を抑えつつ臨場感を残しながら、新しい音声を重ねることもできます。
スロー・早送り再生を追加する方法
クリップの長さを編集していると、画面下部に並ぶ他のアイコンにも目がいくでしょう。ハサミのアイコンが編集用ですが、その隣には車の速度計のようなアイコン、スピーカーのアイコン、テキストのアイコン、カラーのアイコンが並んでいます。

- 速度計のアイコンをタップすると、動画のスロー再生や早送りセクションを追加できます。
- クリップの下に黄色くハイライトされた領域が現れるので、速さを変えたい範囲の始点と終点をドラッグして指定します。
- 対象範囲をハイライトした状態で、スライダーをカメ(遅い)側またはウサギ(速い)側に動かして速度を調整します。
この操作はやや繊細なので、うまくいかないときは「リセット」をタップすれば元の状態に戻せます。
ステップ4:iMovieのトランジションを編集する
デフォルトでは、iMovieはクリップ間に標準的な「ディゾルブ(Dissolve)」トランジションを自動挿入します(クリップを分割して新たに生まれたクリップ同士の場合を除く)。ただし、使えるトランジションはそれだけではありません。主な種類は以下の通りです。
- なし(None)
- テーマ(Theme)
- ディゾルブ(Dissolve)
- スライド(Slide)
- ワイプ(Wipe)
- フェード(Fade)
トランジションを変更する方法
- デフォルトのトランジションを変更するには、クリップ間に表示されているアイコンをタップします。
- 利用可能なトランジションの一覧メニューが開きます。置き換えたいものをタップすると、自動的に挿入されます。

- トランジションの長さ(継続時間)を変えたい場合は、スタイル一覧の左側にある時間設定をタップします。0.5秒〜2秒の範囲で指定できます(選択範囲は前後のクリップの長さによって異なります)。ゆったりとしたムーディーな演出にしたいときに役立ちます。
ステップ5:iMovieにフィルターをかける
InstagramやSnapchat、写真アプリでおなじみのように、iMovieにも個々のクリップや動画全体に視覚スタイルを適用できるフィルターが多数搭載されています。主なフィルターは以下の通りです。
- モノクロ(B&W)
- ブラスト(Blast)
- ブロックバスター(Blockbuster)
- ブルー(Blue)
- カモ(Camo)
- ドリーミー(Dreamy)
- サイレント時代(Silent Era)
- ヴィンテージ(Vintage)
- ウエスタン(Western)

フィルターの追加方法
- フィルターをかけたいクリップを選択します。
- フィルターアイコン(3つの丸)をタップします。
- 好みのフィルターを選びましょう。
- 動画全体に同じフィルターを適用したい場合は、各クリップに対して個別に設定する必要があります。

ステップ6:iMovieにBGMを追加する
ムービーの形が整ってきたら、標準の音声を音楽に置き換えたくなるかもしれません。Appleは著作権フリーの音楽ライブラリを提供しているほか、GarageBandで自分で作曲した曲を使うこともできます。
ただし、市販の人気曲の使用はおすすめしません。SNSで共有しようとした際に、著作権の制限で共有できないケースが多いからです。
BGMの追加方法
- 「+」ボタンをタップし、「オーディオ(Audio)」オプションを選択します。ここでは、iMovieに付属するテーマミュージック、各種効果音、Apple Musicアプリ内の楽曲から選べます。
- 使いたい曲を見つけて選択し、「使用(Use)」をタップします。
- 楽曲がタイムラインに配置されます。ダブルタップで編集モードに入り、長さや位置を好みに合わせて調整しましょう。
ステップ7:iMovieにタイトル(テロップ)を追加する
最後に、作品をよりプロフェッショナルに見せるために欠かせないのがタイトル(テロップ)です。
利用できるタイトルスタイルには、以下のようなものがあります。
- 標準(Standard)
- プリズム(Prism)
- グラビティ(Gravity)
- リビール(Reveal)
- フォーカス(Focus)
- ポップアップ(Pop-Up)
それぞれタップすると、実際のアニメーションやフォントのプレビューを確認できます。
タイトルやテキストを追加する方法
- クリップ編集中に「T」アイコンをタップします。
- さまざまなスタイルが表示され、それぞれ固有のフォントとアニメーションを持っています。
- プロジェクトに合ったスタイルを選び、テキストを入力します。表示位置はクリップ中央または下部のコーナーから選択できます。

ステップ8:動画を共有する
創作の成果に満足したら、「完了(Done)」をタップしましょう。これでムービーを視聴できるようになり、共有ボタン(矢印の付いた四角いアイコン)をタップすれば、友人や家族に作品を送れます。ハリウッドデビューも夢ではないかもしれません。
ほかの動画編集アプリも試してみたい方は、無料または低価格で使えるMac向け動画編集ソフトのおすすめ記事をご覧ください。また、iPhoneの「写真」アプリを使って動画スライドショーを作る方法の記事も参考になります。
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