帯域幅スロットリング(制限)とは?仕組み・見分け方・回避策を徹底解説
帯域幅スロットリング(bandwidth throttling)とは、利用可能な帯域幅を意図的に遅くすることです。
言い換えれば、一般的にはインターネット接続で本来得られるはずの「速度」を意図的に低下させることを指します。
帯域幅の制限は、パソコンやスマートフォンなどのデバイスから、インターネット上で利用しているWebサイトやサービスに至るまでの間の、さまざまな場所で発生する可能性があります。
なぜ帯域幅は制限されるのか?
インターネット接続やサービスの利用者であるユーザー自身が、帯域幅制限の恩恵を受けることはほとんどありません。端的に言えば、帯域幅制限とは、オンラインで何かにアクセスできる速度を制限することを意味します。
一方、ユーザーとWeb上の接続先との間に位置する企業側にとっては、帯域幅制限によって大きな利益をもたらす場合があります。
例えば、ISP(インターネットサービスプロバイダ)は、特定の時間帯にネットワークの混雑を緩和するために帯域幅を制限することがあります。これにより一度に処理するデータ量が減り、そのレベルのトラフィックを捌くためにより高性能な機器を追加購入する必要がなくなります。
また、帯域幅制限のない高額なプランにアップグレードすれば制限を回避できる仕組みにしておき、ヘビーユーザーに上位プランへの移行を促すインセンティブとして機能させているケースもあります。
非常に議論の多い話題ですが、ISPの中には、トラフィックの種類や特定のWebサイトからの通信に限定して帯域幅を制限する場合もあります。例えば、Netflixから大量のデータをダウンロードする場合や、P2Pファイル共有(トレントサイトなど)でデータを送受信する場合にのみ制限をかけるといった具合です。
また、一定の使用量しきい値に達した後、すべての種類のトラフィックを一括して制限するISPもあります。これは、一部のISPの料金プランに存在する明示的または暗黙的なデータ容量上限(帯域幅キャップ)を「穏当に」強制する手法の一つです。
ISPによる帯域幅制限が最も一般的ですが、企業ネットワーク内でも発生することがあります。例えば、職場のパソコンのインターネット接続に、システム管理者の判断で人為的な速度制限がかけられているケースなどです。
逆に、接続先のサービス側が自ら帯域幅を制限することもあります。例えば、クラウドバックアップサービスでは、初期の大量データアップロード時に帯域幅を絞ることで、ユーザーのバックアップ時間は大幅に延びますが、サービス提供側はコストを大きく節約できます。
同様に、大規模多人数参加型オンラインゲーム(MMOG)サービスでも、サーバーの過負荷やクラッシュを防ぐため、特定の時間帯に帯域幅を制限することがあります。
一方で、ユーザー自身がダウンロードやアップロードの際に、自主的に帯域幅を制限したい場合もあります。この種の制御は通常「帯域幅コントロール」と呼ばれ、特定の用途に帯域幅を独占されないようにする目的で行われます。
例えば、パソコンで大容量の動画をフルスピードでダウンロードすると、別の部屋で家族がNetflixを視聴できなくなったり、YouTubeが十分な速度を確保できずバッファリングを繰り返したりする可能性があります。
帯域幅コントロールソフトを使えば、企業ネットワークでの制御と同じ要領で、自宅ネットワークの混雑を緩和できます。この機能は、トレントクライアントやダウンロードマネージャーなど、大量のトラフィックを扱うソフトウェアに標準搭載されていることが多いです。
自分の帯域幅が制限されているか確認する方法
月間の使用量しきい値に達したことでISPが帯域幅を制限している疑いがある場合は、1か月を通じて数回インターネット速度テストを実行してみましょう。月末近くになって突然速度が低下するようであれば、制限がかけられている可能性があります。
トレントの利用やNetflixのストリーミングなど、トラフィックの種類に基づくISPの帯域幅制限については、「Internet Health Test」や「M-Lab」といった無料のトラフィックシェーピングテストを利用すれば、ある程度確実に確認できます。
その他の種類の帯域幅制限は、テストでの検出が難しいものです。会社のネットワークで制限が有効になっている疑いがある場合は、社内のIT担当者に直接尋ねてみるのが一番早いでしょう。
MMOGやクラウドバックアップサービスなど、接続先のサービス側で行われる帯域幅制限については、サービスのヘルプドキュメントに記載されていることがほとんどです。見つからない場合は、サポートに問い合わせてみましょう。
帯域幅制限を回避する方法はある?
VPN(仮想プライベートネットワーク)サービスは、特にISPによる制限の場合、帯域幅制限を回避するのに役立つことがあります。
VPNは、自宅のネットワークとインターネット上の他の拠点との間で流れるトラフィックの種類を隠します。つまり、VPNを使用すれば、以前なら接続制限の原因となっていた1日10時間のNetflix視聴も、ISPからはNetflixの通信には見えなくなるのです。
トレントファイルの利用中にISPから帯域幅制限を受けている場合は、Webベースのトレントクライアントの利用を検討してもよいでしょう。通常のWebブラウザ接続を通じてサービス側にダウンロードを指示できるため、ISPからはごく普通のブラウジングセッションにしか見えません。
職場のネットワーク管理者によるローカルな帯域幅制限は、回避が難しいか、事実上不可能です。多くの場合、設定変更が必要なVPNの利用自体が禁止されているためです。
さらに回避が難しいのは、接続先のサービス自体が課すエンドポイントでの制限です。
例えば、オンラインバックアップサービスでこれが懸念される場合は、最初からそのような制限を行っていないサービスを選ぶのが最善策といえます。
よくある質問
帯域幅制限を止めるにはどうすればいいですか?
帯域幅制限を防ぐ最良の方法は、インターネットの使用量をこまめに監視し、ISPのデータ上限を超えないことです。頻繁に超えている場合は、上限の高いプランへの変更を検討しましょう。公共Wi-Fiには一定のリスクがありますが、地元のカフェや図書館のWi-Fiを活用すれば、自宅回線のデータ使用量を抑え、上限以内に収めやすくなります。
ISPの帯域幅制限についてFCCに連絡するには?
ISPが違法に帯域幅を制限していると思われる場合は、FCC(米国連邦通信委員会)の公式サイトから消費者苦情を申し立てることができます。FCCは苦情をISPに送付し、ISPには30日以内に回答する義務が生じます。
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ISP(インターネットサービスプロバイダ)が意図的にインターネットの通信速度を落とすことを「帯域幅スロットリング(帯域制限)」と呼びます。月間データ容量の上限を超えた場合や、利用料の支払いが滞っている場合などに発生することがあります。さらに、「無制限プラン」を契約していても、ISPによっては帯域幅を制限されるケースがあります。ISPはユーザーがどのようなウェブサイトを閲覧しているかを把握しており、その情報をもとに接続を制限するかどうかを判断することもあるのです。 帯域幅スロットリングが起こる主な理由 大量の帯域消費: 同じ地域内で特定のユーザーが大量の帯域を使用すると、他のユーザーの通信速