PRISM監視プログラムから逃れることは可能か?インターネットの仕組みとデータプライバシーの現実
エドワード・スノーデンがNSA(米国家安全保障局)の極秘監視プログラム「PRISM」を告発して以来、私たちが確信していることが一つあります。それは、オンライン上で行われることは何ひとつプライベートとは言えない、ということです。さらに悪いことに、流出した文書によれば、Microsoft、Yahoo!、Googleといった大手企業もこのプログラムに参加し、ユーザーのデータを米国政府へ提供していたことが明らかになりました。この結果、世界中のユーザーがGoogleやFacebookなどの米国系サービスから離れ始めています。
特定のサービスを避ければ監視を逃れられるのか?
では、特定のサービスを使わないようにすることで、諜報機関のデータ収集から逃れることは本当に可能なのでしょうか?フランス、イギリス、ドイツでも同様のプログラムの存在が次々と明るみに出ていることを考えると、その可能性は非常に低いと言わざるを得ません。しかも、自国や近隣諸国のサービスに乗り換えたとしても、それでデータの安全が保証されるわけではありません。インターネットの仕組みそのものが、データのプライバシーとセキュリティをはるかに複雑なものにしているのです。以下で詳しく見ていきましょう。
インターネットの仕組み
細部には立ち入りませんが、ユーザーがオンラインサービスに直接接続することはほとんどありません。A地点からB地点までの間、インターネットトラフィックは必ず複数のノード(サーバー)を経由します。どのノードを通るかは、現在のトラフィック量や各プロバイダーが利用できる回線状況によって変動します。サーバーは物理的に最短のルートではなく、通常、最速または最もコストのかからないルートを選択します。そのため、データパケットは目的地にたどり着くまでに、かなり回り道をすることもあるのです。

当然ながら、インターネットは国際的なインフラであり、歴史的にその大部分は米国に集中しています。つまり、データの発信地や宛先がどこであろうと、そのデータがインターネット監視を行う国のサーバーを経由する可能性は非常に高いのです。
技術的な詳細については、「インターネットの仕組み」に関するガイド記事をご覧ください。
Tracerouteで自分のデータの経路を追跡する
tracerouteというコマンドライン/ターミナルツールを使えば、自分のトラフィックがどの経路を通っているのかを実際に確認できます。
Mac OSの場合:「ネットワークユーティリティ」を開き、「Traceroute」タブを選択して実行するか、ターミナルで「traceroute」コマンドに続けてドメイン名を入力します。
Windowsの場合:[Windows] + [R]キーを押し、「cmd」と入力して[Enter]キーを押すとコマンドプロンプトが開きます。そこで「tracert」コマンドに続けてドメイン名を入力してください。
例えばMakeUseOf.comへのtracerouteを実行したところ、ベルリンにある筆者のルーターからテキサス州サンアントニオのターゲットサーバーまで、データパケットはドイツ、フランス、アメリカ国内の20もの異なるノードを経由しました。

コマンドライン操作に慣れていない方は、オンラインツール「Just-Traceroute」を利用すると手軽に確認できます。
OpenDataCityのTracerouteデモ【現在は利用不可】
かつてドイツのデータ専門企業OpenDataCityが提供していたWebアプリを使えば、トラフィックのルーティングの様子を視覚的に把握できました。このアプリは、ドイツからAmazon、Skype、YouTubeなどの代表的なサイトへ送られるデータパケットの経路を図解し、データが通過したサーバーのリストとともに、潜在的なデータ傍受者(覗き見の可能性がある機関)まで表示してくれるものでした。

上記の例が示しているのは、驚くべき事実です。ドイツ国内のローカル組織のデータ——この場合は大衆紙BILD——でさえ、一度アメリカのサーバーを経由してからドイツへ戻されていたのです。
私たちにできることは?
残念ながら、この状況全体が本当に悪い考えであることについて声を上げ続ける以外、個人にできることは多くありません。例えば、あるドイツ人アーティストは、ベルリンの米国大使館の壁に「United Stasi of America(アメリカ合衆国シュタージ)」という言葉を投影して抗議の意を示しました。
政府による盗聴はドイツでは非常に敏感な話題です。ナチスのゲシュタポや、共産主義体制下の東ドイツで広範な情報網を使って反体制派を弾圧したシュタージ秘密警察の記憶を呼び起こすからです。(…)ワシントンのスパイ手法を目の当たりにすると、旧東ドイツの秘密警察などボーイスカウトのように見えてしまう。——ロイター
結論
国際的な諜報機関から逃れることはできません。データ収集者は至る所におり、インターネットトラフィックのルーティングの仕組み上、あなたのデータはいずれ必ず誰かの目に触れることになります。一度オンラインになれば、あなたの活動がどこかで記録・保存されている可能性は非常に高いのです。暗号化すれば逆に怪しまれるだけですし、NSAのような機関が今は暗号を解読できなくても、いずれ技術は進歩し解読される日が来ます。その間も、データは彼らのデータセンターに安全に保管され続けるのです。
良い面を挙げるなら、Facebookで大切な家族写真を共有していれば、NSAや他の諜報機関が勝手にバックアップを取ってくれているかもしれません。
あなたはPRISMについてどう思いますか?普段使っているオンラインサービスに影響はありましたか?インターネットの使い方に変化はありましたか?ぜひコメント欄でお聞かせください。
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