サイバー保険とは?必要性・補償範囲・データバックアップとの違いを徹底解説
サイバー保険とは?増加するサイバー犯罪への備え
増加の一途をたどるサイバー犯罪を目の当たりにし、「サイバー保険」という言葉を調べたことのある方も多いのではないでしょうか。近年急速に注目を集めているこの保険は、企業や個人がインターネット由来のリスクによる損失を金銭的に評価し、補償を受けられるようにする仕組みです。特に、機密データや情報の損失・盗難・破壊といったリスクに対応します。
ただし、サイバー保険はデータそのものを守ってくれるわけではありません。将来的には、データ窃盗やランサムウェア攻撃の発生件数を減らす効果が期待されるかもしれませんが、実際はそれほど単純な話ではありません。データに保険をかけるまでには、膨大な書類作成や審査が必要になることも想定されます。
そもそもサイバー保険とは、データの盗難・損傷・喪失に特化した保険です。他の保険と同様、契約時に定められた事象が発生した場合に保険会社が責任を負います。国によっては、多くの保険会社や銀行がサイバー賠償責任保険を提供しています。しかし、ここで大きな疑問が生じます。企業をはじめとする組織は、本当にこの保険を必要としているのでしょうか。必要だとすれば、どのように進めればよいのでしょうか。
データに保険をかけるべきか?
もちろんデータに保険をかけることは可能です。ただし、それによって得られるのは、失われたデータに対して一定額の保険金を請求できる権利だけです。データ漏洩に対する保険は、企業が健全な財務状態を維持するうえで特に役立ちます。一方で、サイバー保険によって失われたデータそのものを復元できるわけではない点には注意が必要です。
サイバー賠償責任保険の補償範囲
補償内容の捉え方は人それぞれですが、基本となるのは次の4つの要素です。「賠償責任(Errors & Omissions)」、「メディア賠償責任(Media Liability)」、「ネットワークセキュリティ(Network Security)」、「プライバシー(Privacy)」です。
- 賠償責任(Error and Omission):サービス提供時の過誤から生じる請求すべてをカバーします。代表的な例としては、ソフトウェア開発やコンサルティングなどの技術系サービスが挙げられます。
- メディア賠償責任(Media Liability):広告起因の侵害により、組の侵害により、組織がメディア賠償責任を問われる場面で適用されます。具体的には、著作権・商標の侵害や知的財産権の侵害などが含まれます。現在では一般賠償責任保険に組み込まれていることが多く、独立したメディア賠償責任保険としても購入可能です。オフラインのコンテンツにも補償範囲が及びます。
- ネットワークセキュリティ(Network Security):中でも最重要といえる補償で、顕在化しつつある多くの問題をカバーします。ネットワークセキュリティに脆弱性があった場合、企業は責任を負います。その結果として起こり得るのが、顧客データの漏洩、データ破壊、ウイルス感染、サイバー恐喝などです。いずれの場合も、顧客データが乗っ取られることで企業は甚大な損失を被ります。この補償により顧客への確実な賠償が実現し、企業は顧客からの信頼回復につなげられます。
- プライバシー(Privacy):プライバシーの対象はネットワークセキュリティの不備にとどまらず、物理的な記録も含まれます。廃棄用のゴミ箱に投げ捨てられたファイル、紛失したノートパソコン、顧客アカウント情報の入ったファイルを誤ったメールアドレスに送ってしまうといった人的ミスなども該当します。
これら4つの要素とそれぞれの責任範囲については、下の図で詳しく解説されています。

画像出典:https://wsandco.com
サイバー保険で補償されない項目
サイバー賠償責任保険は多くの側面をカバーしますが、保険会社が責任を負わない領域も存在します。
- 評判・ブランドイメージへのダメージ
- 将来の収益の損失
- 自社が保有する知的財産の価値低下
- 内部技術システムの改善コスト
サイバー保険より先に検討したい「データバックアップ」
サイバー保険は、データ漏洩発生時に企業が負う賠償責任を確実に支払うための手段です。しかし、データバックアップを導入していれば、より安全な立場に立てます。万が一の事態が発生しても、バックアップから即座に失われたデータを復元できるからです。
データバックアップが優れた対策である理由
端的に言えば、バックアップはデータ保護における最も安全な手段とされています。常にデータを安全な場所に確保しておけるほか、以下のような理由からもバックアッププランへの依存度は高まっています。
- 多くの場合、失われた・破損した・盗まれたデータを復元する最も安価な手段だからです。
- 復旧が速く、必要なドキュメントをすぐに取り戻せます。
- Dropbox、Google Drive、USBフラッシュドライブ、Right Backupアプリなど、オフサイトでのバックアップ手段が多彩に存在します。
まとめ
サイバー保険は、インシデント発生時の金銭的損失を軽減する有効なセーフティネットです。ただし、データそのものの復元はできず、補償されない項目もあるため、過信は禁物です。まずは定期的なデータバックアップなど基本的な対策を固め、そのうえでサイバー保険を補完的なリスク管理策として活用するのが理想的な備えといえるでしょう。
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