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EUの著作権改革案「第13条」とは?インターネット破壊のパニックは本当か

EUの著作権改革案「第13条」とは?インターネット破壊のパニックは本当か

2018年5月末にGDPR(EU一般データ保護規則)が採択されて間もなく、EUでは「第13条」として知られる新たな著作権改革をめぐる議論が再び過熱し始めました。この提案は、2016年秋からブリュッセルのオフィスで眠る「死文書」のような存在でしたが、欧州議会議員(MEP)のアクセル・フォス氏が最近になり周囲の反対意見を無視して推進に乗り出したことで、一気に注目を集めることになったのです。

さらに、この法案の推進は、本来その恩恵を受けるはずの著作権者たち自身をも不安に陥れました。その直後、「この法律がインターネットを破壊する」という声とともにパニックが広がり始めます。ここで一度、事実を丁寧に整理してみる必要がありそうです。

第13条とは何か?

EUの著作権改革案「第13条」とは?インターネット破壊のパニックは本当か

第13条の正式名称は「デジタル単一市場における著作権に関する欧州議会および理事会指令」です。これは、インターネット時代における現行著作権法の不備を是正することを目指した提案となっています。

この法案を推進する欧州議会議員たちは、EUがインターネット時代に本格的に対応すべき時が来たと考えています。その手段として掲げられているのが、インターネットサービスを提供するインフラへのEU型ガバナンスの導入です。具体的には、ISP(インターネットサービスプロバイダ)に対し、ウェブ上で共有される著作権保護対象コンテンツを検出・フィルタリングする高度な計算アルゴリズムを搭載した専用ハードウェアの設置を義務付けるというものです。

これは、中国政府が認めていないウェブサイトからの情報を本土へ届く前に遮断する「グレート・ファイアウォール(金盾)」とどこか似ています。決して誇張ではありません。実際、ベルギー、チェコ、フィンランド、ハンガリー、アイルランド、オランダといった加盟国からも、この提案がEU基本権憲章に抵触する恐れがあるとの懸念が表明されています。

この法律の基本的な考え方は、著作権者が自らの作品に対して適切な報酬を得られるようにすることです。そのため、コンテンツプロバイダにはユーザーによる潜在的な侵害行為の監視が求められ、侵害のおそれのあるユーザーには、アップロード前にライセンスを取得するよう促す仕組みが想定されています。SNSなどを通じたオンラインでのコンテンツ共有も、その監視対象の範囲に含まれます。

こうした措置を実施するには、ヨーロッパのインターネットインフラ全体の抜本的な見直しが不可避となるでしょう。

本当にインターネットを破壊するのか?

EUの著作権改革案「第13条」とは?インターネット破壊のパニックは本当か

定義上、インターネットそのものを簡単に「破壊」することはできません。法案が可決されたとしても世界の終わりが来るわけではありませんが、私たちが知っているヨーロッパのインターネットは、維持が格段に難しくなるでしょう。大規模な競合他社によるISPの買収や、法案に適応できる企業への業界再編(統廃合)が加速することは確実です。

消費者の観点からは、欧州消費者機構(BEUC)が「この提案は消費者の懸念に応えるものではなく、関係するすべての主体が公平に恩恵を受けられるバランスの取れた著作権システムを提供できていない」との見解を示しています。

いずれにせよ、第13条は2018年5月25日に発効したGDPRを上回る、EU史上最も野心的なインターネット関連の立法日程となるのは間違いありません。

もし可決されたらどうなる?

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EU圏外に住んでいる方にとっては、大きな影響はありません。ISPの振る舞いも当面は今のままでしょう。

一方、EU在住の方はプライバシー対策を本格的に始めるべき段階です。仮に法案が可決されなくても、Torの使い方に慣れ、真の匿名性を持ってインターネットを閲覧できるようになっておくことは有益です。より上級のユーザーであれば、オニオンルーティングに関する記事で紹介したAdvORを活用し、独自のTorプロキシ経路を構築することも可能です。

これにより接続が暗号化され、自分のコンテンツがフィルタリングされるのを防げるため、より自由なネット利用が実現します。AdvORを使えば、他のアプリケーションに「フック」して、アプリ側が対応していなくても強制的にTorネットワーク経由で通信させることもできます。さらに、データ中継ノードとして米国などEU域外の国のノードを指定して選ぶことも可能です。現時点では、このような形でISPを迂回することを禁じるEUの法的規定は存在していません。

第13条をめぐるパニックには正当な理由があると思いますか?それとも、単なる騒ぎに過ぎないとお考えですか?ぜひコメント欄であなたの意見をお聞かせください!

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