ハードウェア
 Computer >> コンピューター >  >> ハードウェア >> ハードウェア

15年間にわたるハードディスク信頼性調査レポート(2005年〜2020年)

ご存じのとおり、私は日頃から使用しているハードウェアやソフトウェアについて、長期テストやレビューを行うのが好きです。これまで、さまざまなOSがどのように進化・変化してきたか、ノートパソコンが時間の経過にどう耐えてきたかなどをお伝えしてきました。そして今回は、これまでで最も野心的な長期プロジェクトに挑みます。それが「ハードディスクの信頼性調査」です。公開までに15年の歳月をかけました。

なぜそんなに時間がかかったのか。それは、読者の皆さんにとって価値のあるデータを集めるには時間が必要だったからです。GoogleやBackblazeとは違い、私はデータセンターで何千台ものディスクを稼働させているわけではないため、短期間で結果を出すことはできませんでした。しかし、この調査は私の実際の運用環境において、一般の家庭ユーザーが遭遇しうる現実的な条件下で行われたものであり、きっと有益な内容だと感じていただけるはずです。

ハードディスクの使用条件

この調査を正しく理解するうえで、私の環境がどのように構成されているかを知っておくことが重要です。

  • 以下の表には、過去15年間に使用したすべてのデバイスは含まれていません。例えば、ThinkPad(T61やT400など)を数台所有していましたが、それらは本調査の主目的以外の用途に使われていたため、結果を汚さないよう除外しました。ただし、仮に含めても結果はむしろ良くなるだけです。使用したノートPCの中でディスク障害が発生したのは1台のみ(老朽化したT42p)で、その他はすべて問題なく役目を終えています。つまり、この表は控えめに見積もっても楽観的な内容です。
  • 常設のディスクはすべて、無停電電源装置(UPS)で保護されたコンピューターに接続されています。独自の電源アダプターを持つ外付けHDD(大型の外付けケース、例えばWD My Bookなど)も同様です。
  • ノートPCのハードディスクは、バッテリーを搭載した状態で使用しています。
  • ほとんどのディスクの動作温度は35〜45℃です。
  • 私はWestern Digital製ハードディスクを好んで使っているため、リストの大半を占めています。
  • 機械式HDDのみを掲載しており、SSDは含みません。SSDについてはまだ十分なデータがないためです。
  • 6か月以上使用したハードディスクのみを掲載しています。

表の見方

以下の表は調査結果をまとめたものです。詳細に入る前に、各項目の意味を説明しておきます。

  • 並び順: ディスクは導入年(3列目「導入」)の昇順で並んでいます。
  • 終了: 現在の日付と状態を示します。「現役」はまだ使用中、「西暦」は退役した年です。
  • 種別: (D)デスクトップ用、(L)ノートPC用、(E)外付け(すべてUSB接続)です。
  • 使用状況: ディスクの使い方を示します。「24/7」は常時稼働。「X/M」は周期的に使用するディスクで、Xは1か月あたりの平均使用日数です。例えば「1/M」なら月1日(年12日)の使用で、連続12日の場合もあれば、数時間ずつ20〜30回電源を入れる場合もあります。「30/M」は毎日使用だが24時間稼働ではないという意味です。外付けHDDについては厳密な特定は困難でした。
  • 結果: 「OK」は健全な状態で退役したか、現在も健全であることを意味します。「OK(b)」は「OK ただし」の意で、動作はしているもののエラーが検出されているディスクです。「F」は故障、「DOA」は初期不良(Dead On Arrival、購入時点で故障)を表します。
  • 備考: 「同一機種 x数字」という表記がある場合、同じ結果となった同一ディスクがその台数存在することを示します(表を簡潔に読みやすくするため)。
  • 正確な型番は記載していません。モデル間には製造年、製造工場、ロット、ファームウェアバージョンなどの細かい差異が多すぎるためです。ノートPCについては、入手可能な情報をもとにハードウェアを特定しました。

調査結果

15年間の記録は以下のとおりです。

ディスク 容量(GB) 導入 終了 種別 使用状況 結果 備考
WD Black 200 2005 2011 D 24/7 OK(b) SMARTで早期故障の兆候エラーが出たが、1年以上問題なく動作し続けた
WD Black 160 2005 2009 D 24/7 F 予兆なく突然故障
WD Black 250 2006 2012 D 24/7 OK 同一機種 x2
Hitachi 160 2008 現役 E 1/M OK 自作ケースで使用
WD My Passport 250 2008 現役 E 1/M OK
WD My Book 500 2008 2018 E 24/7 F 予兆なくアクセス不能に
ノートPC用ディスク 320 2009 現役 L 3/M OK
Toshiba 320 2009 現役 L 5/M OK
WD Black 250 2009 2011 D 24/7 OK
WD My Book 500 2009 現役 E 24/7 OK
WD My Book 1000 2009 2017 E 24/7 F 初日からスピンアップ時に異音(カチカチ音)。故障の2年前から発熱とスピンダウン停止が発生。最終的にリードオンリー化
ノートPC用ディスク 500 2010 現役 L 5/M OK
WD My Passport 640 2010 現役 E 1/M OK
WD Black 500 2011 2020 D 24/7 OK
WD Black 2000 2011 2020 D 24/7 OK 同一機種 x4
WD Essentials 1000 2011 2015 E 30/M F 予兆なくリードオンリー化
WD Blue 1000 2012 現役 D 24/7 OK 同一機種 x2
WD Blue 1000 2012 2017 D 24/7 F 予兆なくリードオンリー化
ノートPC用ディスク 500 2013 現役 L 10/M OK
ノートPC用ディスク 1000 2014 現役 L 10/M OK
ノートPC用ディスク 1000 2015 現役 L 20/M OK
WD Essentials 1000 2015 現役 E 1/M OK
WD Essentials 1000 2015 現役 E 30/M OK
WD Elements 1000 2015 現役 E 1/M OK 同一機種 x2
WD Elements 2000 2015 現役 E 1/M OK
WD Black 2000 2017 現役 D 24/7 OK
WD Elements 2000 2017 現役 E 1/M OK
WD Elements 2000 2019 現役 E 1/M OK

信頼性の計算

この表から、以下のことが読み取れます。

  • デスクトップ用ディスク: 標準的な5年の使用期間で2/14台が故障(14%)。興味深いことに、使用5年目以降に故障したディスクは1台もありません。つまり、3〜9年の使用期間全体での故障率は2/14ということになります。
  • ノートPC用ディスク: 標準的な5年の使用期間で0/6台が故障(0%)。
  • 外付けディスク: 5年の使用期間で1/14台が故障(7%)、最長10年の使用期間では3/14台。デスクトップ用とは対照的に、最初の5年以内の故障は1件だけで、残りの2件は使用後期に発生しました。

15年間にわたるハードディスク信頼性調査レポート(2005年〜2020年)

  • 5件の故障のうち、事前に故障の兆候を示したのは1/4台(20%)のみ。
  • 5件の故障のうち、3/5件(60%)はリードオンリー状態となり、データを読み出して部分的に救済できました。
  • SMARTエラーを報告したのは30台中1台のみで、しかもそのディスクは故障しませんでした(偽陽性と考えられます)。

このデータに基づいて計算すると、推定MTTF(平均故障時間)は約61,000時間です。平均約7年の使用期間で5/30台が故障しており(総使用時間とディスクの経過年数を考慮)、これは約7年間連続使用したディスクのうち6台に1台が故障することを意味します。累積的な内訳を見ると、4年後に1件、5年後に2件、6年後に3件、10年後には5件の故障が発生する計算になります。

15年間にわたるハードディスク信頼性調査レポート(2005年〜2020年)

5年目が最もリスクが高く、正規化した年間故障率は2%(データ冗長性なし)。

言い換えれば、実用面では、重要なデータを2コピー保持していれば、10年間でのデータ損失の確率は2.5%、3コピーなら0.06%まで下がります。これは以前紹介した私のバックアップ戦略を裏付ける結果であり、重要なファイルをハードウェアの寿命よりも長く残したいのであれば、複数のコピーを保持することの重要性を明確に示しています。

まとめ

以上が、15年にわたる調査の全結果です。皆さんの参考になれば幸いです。もちろん、私のような技術者なら誰でもできることです。技術者は皆、ハードウェアを大量に溜め込むものですし、Dedoimedoの読者の大半も、複数のパソコンと山ほどのハードディスクを家じゅうに散らかしているはずです。あとは適切なデータをまとめるだけ。そうやってまとめられた記録は、どれもきっと興味深いものになるでしょう。

私の調査結果についてコメントや提案があれば、ぜひお聞かせください。繰り返しになりますが、私は巨大なデータセンターを持っているわけではないため、ベンダー間比較や容量別の正確な統計調査はできません。結果はひとつまみの塩(カルダモンでも可)をもってお受け取りください。ただし、家庭での利用シナリオに関しては、この数字はかなり示唆的だと自負しています。長い時間軸の中で大切なデータをどう管理すべきか考えている方にとって、どこから手を付けるべきか、リスクをどうヘッジすべきかの一つの指針になれば嬉しく思います。それでは、また。

Cheers.

  1. VirtualBoxで仮想ハードディスクを拡張する方法 ― modifyhdコマンドとスナップショットの落とし穴

    以前、VirtualBoxのハードディスクを縮小・拡張する方法を紹介するチュートリアルを公開しました。当時は縮小は簡単でしたが、拡張にはディスクイメージの作成が必要でした。ところが状況は一変しました。正確には「ある程度」ですが。VirtualBox 4.X以降では、この仮想化ソフトウェアはディスクの拡張にもネイティブで対応するようになったのです。 実際、私も仮想マシンの空き容量が不足していたため、早速試してみることにしました。コマンド自体は成功したものの、ディスクサイズはまったく変わりませんでした。そこで気づいたのです。スナップショットを使っていたことに。これは10年前の元ガイドでも強調してい

  2. Windowsのディスクチェックツールでハードディスクのパーティションを検査・修復する方法

    はじめにディスクエラーは、特にメンテナンスが行き届いていない古いパソコンによく発生するトラブルです。幸いにも、Windowsにはシステムユーティリティの1つとしてディスクチェックツールが標準搭載されており、ハードディスクの各パーティションをスキャンして、不良セクタや失われたセクタ、破損したファイルを検出することができます。ディスクチェックユーティリティによって検出・修復されるファイルは、システムトラブルの原因となることが多く、放置すればするほど深刻化する恐れがあります。そのため、このツールの使い方をマスターし、定期的にディスクチェックを実行して、パソコンを悩ませる問題を早めに解決しておくことが