【C++】コピーコンストラクタと代入演算子の違いを徹底解説
C++には、あるオブジェクトをもとに別のオブジェクトを初期化・設定するための仕組みとして、「コピーコンストラクタ」と「代入演算子」の2つがあります。一見似ていますが、両者には重要な違いがあります。
最大の違いはメモリの扱いです。コピーコンストラクタは、新しいオブジェクトに対して独立したメモリ領域を新たに作成します。一方、代入演算子は新しいメモリ領域を確保せず、すでに存在するオブジェクト同士の間で値を受け渡すだけです。
コピーコンストラクタとは
コピーコンストラクタは、同じクラスの既存オブジェクトをもとに新しいオブジェクトを初期化するための特殊なコンストラクタです。実体としては、引数に自分自身のクラス型へのconst参照を取る「オーバーロードされたコンストラクタ」です。コピー元とコピー先はそれぞれ別のメモリ領域を持つため、片方の変更がもう片方に影響することはありません。
コピーコンストラクタの構文
classname (const classname &obj) {
// コンストラクタの本体
}代入演算子とは
代入演算子(=)は、すでに存在する2つのオブジェクトの間で、一方の値をもう一方に割り当てるために使われる演算子です。新しいメモリ領域は確保されず、既存のオブジェクトの内容が上書きされます。デフォルトではビット単位のコピー(浅いコピー)が行われるため、動的メモリを扱うクラスでは適切にオーバーロードすることが推奨されます。
代入演算子の構文
classname Ob1, Ob2; Ob2 = Ob1;
コピーコンストラクタと代入演算子の違い一覧
| コピーコンストラクタ | 代入演算子 |
|---|---|
| 基本的に「オーバーロードされたコンストラクタ」である | 基本的に「演算子」である |
| 既存のオブジェクトを使って、新しいオブジェクトを初期化する | すでに存在する2つのオブジェクト間で、一方の値を他方に代入する |
| 既存のオブジェクトをもとに新しいオブジェクトを生成するときに使用される | 既存のオブジェクトに別の既存オブジェクトの値を割り当てたいときに使用される |
| 両方のオブジェクトは、それぞれ独立したメモリ領域を持つ | 新しいメモリ領域は確保されず、既存のオブジェクトの内容が更新される |
| クラス内で定義されていない場合、コンパイラが自動的に提供する | オーバーロードされていない場合、ビット単位のコピーが行われる |
動作の違いがわかるサンプルコード
次の例では、オブジェクトの生成時にコピーコンストラクタが、既存オブジェクトへの代入時に代入演算子が、それぞれ呼び出される様子を確認できます。
#includeusing namespace std; class Sample { int value; public: Sample(int v) : value(v) {} // コピーコンストラクタ Sample(const Sample &obj) : value(obj.value) { cout << "コピーコンストラクタが呼ばれました" << endl; } // 代入演算子 Sample& operator=(const Sample &obj) { if (this != &obj) { value = obj.value; } cout << "代入演算子が呼ばれました" << endl; return *this; } }; int main() { Sample a(10); Sample b = a; // 新規オブジェクトの生成 → コピーコンストラクタ Sample c(0); c = a; // 既存オブジェクトへの代入 → 代入演算子 return 0; }
使い分けのポイント
- オブジェクトの宣言と同時に初期化する場合(
Sample b = a;など)→ コピーコンストラクタが呼ばれる - 宣言済みのオブジェクトに後から値を設定する場合(
c = a;など)→ 代入演算子が呼ばれる - ポインタや動的メモリをメンバに持つクラスでは、浅いコピーによる二重解放などの問題を避けるため、両者を適切に自前で定義することが重要です。
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