二分探索を用いてグラフの最小頂点被覆のサイズを求めるC++プログラム
本記事では、二分探索(バイナリサーチ)を活用して、与えられたグラフの最小頂点被覆のサイズを求めるC++プログラムについて解説します。
最小頂点被覆とは?
最小頂点被覆(Minimum Vertex Cover)とは、グラフのすべての辺が、集合内のいずれかの頂点に接続(インシデント)するような頂点集合のうち、頂点数が最小のものを指します。
例として、以下のグラフを見てみましょう。
2 ---- 4 ---- 6 | | | | | | 3 ---- 5
このグラフの場合、最小頂点被覆は「頂点3」と「頂点4」の2つの頂点から構成されます。グラフ上のすべての辺は、必ず頂点3または頂点4のいずれかに接続しているためです。
アルゴリズムの流れ
このプログラムでは、次の手順で最小頂点被覆のサイズを求めます。
- 頂点被覆の候補サイズ k を二分探索で決定します。
- ビット演算を用いて、k 個の頂点を選ぶすべての組み合わせを効率的に列挙します。
- 選択した頂点集合が、グラフのすべての辺を被覆できるかを判定します。
- 被覆が成立する最小の k を二分探索によって絞り込み、結果として返します。
サンプルコード
#include<bits/stdc++.h>
using namespace std;
#define max 15
// グラフを格納する配列
bool arr[max][max];
// サイズ k の頂点被覆が存在するかを判定する関数
bool check_cover(int V, int k, int E) {
int set = (1 << k) - 1;
int limit = (1 << V);
// 辺の訪問状態を記録する配列
bool vis[max][max];
while (set < limit) {
// 各反復のたびに訪問状態をリセット
memset(vis, 0, sizeof vis);
int count = 0;
// ビットが立っている頂点を確認
for (int j = 1, v = 1 ; j < limit ; j = j << 1, v++) {
if (set & j) {
// 辺を訪問済みとしてマーク
for (int k = 1 ; k <= V ; k++) {
if (arr[v][k] && !vis[v][k]) {
vis[v][k] = 1;
vis[k][v] = 1;
count++;
}
}
}
}
// すべての辺が被覆できた場合
if (count == E)
return true;
// 次の組み合わせを生成(Gosper's Hack)
int c = set & -set;
int r = set + c;
set = (((r^set) >> 2) / c) | r;
}
return false;
}
// 最小頂点被覆を求める関数
int find_cover(int n, int m) {
// 二分探索を実行
int left = 1, right = n;
while (right > left){
int mid = (left + right) >> 1;
if (check_cover(n, mid, m) == false)
left = mid + 1;
else
right = mid;
}
return left;
}
// グラフに辺を追加する関数
void add_edge(int u, int v) {
arr[u][v] = 1;
arr[v][u] = 1;
}
int main() {
memset(arr, 0, sizeof arr);
int V = 6, E = 5;
add_edge(2, 3);
add_edge(2, 4);
add_edge(3, 5);
add_edge(4, 5);
add_edge(4, 6);
cout << "Size of Minimum Vertex Cover : " << find_cover(V, E) << endl;
return 0;
}
実行結果
Size of Minimum Vertex Cover : 2
頂点数6・辺数5のグラフに対して、最小頂点被覆のサイズとして「2」が出力されます。これは、頂点3と頂点4を選ぶことで、すべての辺を被覆できることを意味します。
なお、この手法は組み合わせの全列挙を伴うため、頂点数が多いグラフでは計算量が急増します。小規模なグラフ向けの実装である点に注意してください。
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