【C++】二分探索木(BST)の最小値を求めるプログラムの解説
本記事では、二分探索木(Binary Search Tree:BST)に格納されたデータの中から最小値を求めるC++プログラムを紹介します。二分探索木には「左の子孫は親より小さい値を持つ」という性質があるため、木の左端にあるノードを順にたどっていくだけで、必ず最小値のノードに到達できます。
アルゴリズム
処理の手順は以下の擬似コードのとおりです。
開始
構造体ndを宣言する。
整数型の変数dを宣言する。
構造体nd型へのポインタlt(左子)を宣言する。
構造体nd型へのポインタrt(右子)を宣言する。
関数new_nd()(戻り値:構造体nd型、引数:整数d)
ポインタndを宣言し、
nd = (struct nd*) malloc(sizeof(struct nd)) で初期化する。
nd->d に d を代入する。
nd->lt に NULL を代入する。
nd->rt に NULL を代入する。
nd を返す。
関数add_node()(戻り値:構造体nd型、引数:ポインタnd・整数d)
もし nd == NULL ならば
new_nd(d) を返す。
そうでなければ
もし d <= nd->d ならば
nd->lt = add_node(nd->lt, d)
そうでなければ
nd->rt = add_node(nd->rt, d)
nd を返す。
関数minimum_val()(戻り値:整数型、引数:ポインタnd)
ポインタcurを宣言し、cur = nd で初期化する。
cur->lt が NULL になるまで繰り返す
cur = cur->lt
cur->d を返す。
ポインタrootを宣言し、NULL で初期化する。
root = add_node(root, 54)
add_node(root, 32)
add_node(root, 25)
add_node(root, 45)
add_node(root, 65)
add_node(root, 75)
「与えられた二分探索木の最小値は次のとおりです」と出力する。
二分探索木の最小値を出力する。
getchar() を呼び出して入力待ちにする。
終了
サンプルコード(C++実装例)
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
// ノードを表す構造体
struct nd {
int d; // ノードが保持するデータ
struct nd* lt; // 左の子ノードへのポインタ
struct nd* rt; // 右の子ノードへのポインタ
};
// 新しいノードを作成する関数
struct nd* new_nd(int d) {
struct nd* nd = (struct nd*)
malloc(sizeof(struct nd));
nd->d = d;
nd->lt = NULL;
nd->rt = NULL;
return(nd);
}
// 木にノードを挿入する関数
struct nd* add_node(struct nd* nd, int d) {
if (nd == NULL)
return(new_nd(d));
else {
if (d <= nd->d) // 現在の値以下なら左側へ
nd->lt = add_node(nd->lt, d);
else // 現在の値より大きければ右側へ
nd->rt = add_node(nd->rt, d);
return nd;
}
}
// 最小値を求める関数
int minimum_val(struct nd* nd) {
struct nd* cur = nd;
while (cur->lt != NULL) { // 左端のノードまで移動
cur = cur->lt;
}
return(cur->d);
}
int main() {
struct nd* root = NULL;
root = add_node(root, 54);
add_node(root, 32);
add_node(root, 25);
add_node(root, 45);
add_node(root, 65);
add_node(root, 75);
cout << "The Minimum value of the given binary search tree is: " << minimum_val(root);
getchar();
return 0;
}
実行結果
The Minimum value of the given binary search tree is: 25
プログラムのポイント
このプログラムで重要なのはminimum_val()関数の動作です。二分探索木では、すべての小さい値が左側の部分木に配置されるため、ルートから出発して左の子ポインタがNULLになるまで移動を繰り返せば、その位置のノードが必ず最小値になります。
また、ノードの追加は再帰的に実装されたadd_node()関数が担当します。挿入する値が現在のノードの値以下であれば左の子に、大きければ右の子に再帰的に渡すことで、二分探索木の構造が自動的に保たれます。
計算量については、木のバランスが取れている場合は木の高さに比例したO(log n)、偏った木(線形に近い形状)の場合は最悪でO(n)となります。
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