sin(x)とcos(x)の値を計算するC++プログラムの解説
sin(x)とcos(x)の値を計算するC++プログラム
本記事では、角度を入力として受け取り、その角度に対応するsin(x)(正弦)とcos(x)(余弦)の値を計算して結果を表示するC++プログラムを解説します。ライブラリ関数に頼らず、テイラー展開(マクローリン展開)を用いて数値を近似する手法を紹介します。
sin(x)とは
sin(x)は三角関数の一つで、角度xに対する正弦の値を求めるために使用されます。直角三角形では、斜辺に対する対辺の比として定義されます。
$$\sin (x) = \displaystyle\sum\limits_{k=0}^\infty \frac{(-1)^{k}}{(2k+1)!}x^{2k+1}$$
この無限級数は「x − x³/3! + x⁵/5! − x⁷/7! + …」という形で展開され、項を追加するほど精度の高い近似値が得られます。
cos(x)とは
cos(x)も三角関数の一つで、角度xに対する余弦の値を求めるために使用されます。直角三角形では、斜辺に対する隣辺の比として定義されます。
$$\cos (x) = \displaystyle\sum\limits_{k=0}^\infty \frac{(-1)^{k}}{(2k)!}x^{2k}$$
こちらは「1 − x²/2! + x⁴/4! − x⁶/6! + …」という形で展開されます。
プログラムのアプローチ
- sin(x)とcos(x)を求める角度xの値を入力する
- 上記のテイラー展開の公式を適用し、誤差が許容範囲(0.0001)以下になるまで項を加算する
- 計算結果を表示する
なお、三角関数の級数展開はラジアン単位で行うため、入力された角度(度)はあらかじめラジアンに変換しておく必要があります。
アルゴリズム
START
Step 1-> sinの値を計算する関数を宣言
void cal_sin(float n)
float acc = 0.0001, denominator, sinx, sinval を宣言・設定
n = n * (3.142 / 180.0) を設定(ラジアンに変換)
float temp = n を宣言
sinx = n を設定
sinval = sin(n) を設定
int i = 1 を宣言・設定
DO
denominator = 2 * i * (2 * i + 1) を設定
temp = -temp * n * n / denominator を設定
sinx = sinx + temp を設定
i = i + 1 を設定
WHILE(acc <= fabs(sinval - sinx))
sinx を表示
Step 2-> cosの値を計算する関数を宣言
void cal_cos(float n)
float acc = 0.0001, temp, denominator, cosx, cosval を宣言・設定
n = n * (3.142 / 180.0) を設定(ラジアンに変換)
temp = 1 を設定
cosx = temp を設定
cosval = cos(n) を設定
int i = 1 を設定
DO
denominator = 2 * i * (2 * i - 1) を設定
temp = -temp * n * n / denominator を設定
cosx = cosx + temp を設定
i = i + 1 を設定
WHILE(acc <= fabs(cosval - cosx))
cosx を表示
Step 3-> main() 内で
float n = 30 を宣言
cal_sin(n) を呼び出し
n = 60 を設定
cal_cos(n) を呼び出し
STOP
サンプルコード
#include <iostream>
#include <math.h>
using namespace std;
// sinの値を計算する関数
void cal_sin(float n) {
float acc = 0.0001, denominator, sinx, sinval;
n = n * (3.142 / 180.0); // ラジアンに変換
float temp = n;
sinx = n;
sinval = sin(n); // 基準値(ライブラリ関数)
int i = 1;
do {
denominator = 2 * i * (2 * i + 1);
temp = -temp * n * n / denominator;
sinx = sinx + temp;
i = i + 1;
} while (acc <= fabs(sinval - sinx));
cout << sinx;
}
// cosの値を計算する関数
void cal_cos(float n) {
float acc = 0.0001, temp, denominator, cosx, cosval;
n = n * (3.142 / 180.0); // ラジアンに変換
temp = 1;
cosx = temp;
cosval = cos(n); // 基準値(ライブラリ関数)
int i = 1;
do {
denominator = 2 * i * (2 * i - 1);
temp = -temp * n * n / denominator;
cosx = cosx + temp;
i = i + 1;
} while (acc <= fabs(cosval - cosx));
cout << cosx;
}
int main() {
float n = 30;
cout << "value of Sin is : ";
cal_sin(n);
cout << "\n";
n = 60;
cout << "value of Cos is : ";
cal_cos(n);
return 0;
}
出力結果
value of Sin is : 0.500061 value of Cos is : 0.499847
解説
このプログラムでは、変数accが許容誤差(0.0001)を表しており、級数の近似値sinx(またはcosx)とライブラリ関数の値sinval(またはcosval)との差がこの誤差以下になるまで、do-whileループで項の加算を繰り返します。
30度のsinは理論上0.5、60度のcosも0.5ですが、出力結果にはわずかな誤差(0.500061、0.499847)が含まれています。これは、円周率を3.142と近似していること、および許容誤差の設定によるものです。より高い精度が必要な場合は、accの値を小さくしたり、円周率により正確な値(M_PIなど)を使用したりすることで改善できます。
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