C++でクローンされた二分木から対応するノードを検索する方法
問題概要
2つの二分木「original(元の木)」と「cloned(クローン木)」が与えられ、さらに元の木に存在する特定のノード target への参照が渡されます。クローン木は元の木とまったく同じ構造を持つコピーです。ここでの課題は、クローン木の中から target に対応する同じ位置のノードへの参照を見つけ出すことです。
例えば、下図のような木が与えられ、target の値が 3 である場合、出力は 3 となります。

解決のアプローチ
この問題は、元の木とクローン木を同時に再帰的にたどることで解けます。両方の木は構造が完全に一致しているため、元の木の走査中に target を発見した時点で、クローン木の同じ位置にあるノードを返せばよいのです。具体的な手順は以下の通りです。
- solve() というメソッドを定義します。このメソッドは node1、node2、target を引数として受け取ります
- node1 が NULL の場合は NULL を返します
- node1 が target と同一であり、かつ node1 の値が node2 の値と等しい場合、node2 を返します
- leftPart := solve(node1 の左の子、node2 の左の子、target) として左側の部分木を探索します
- rightPart := solve(node1 の右の子、node2 の右の子、target) として右側の部分木を探索します
- leftPart が NULL でなければ leftPart を返し、そうでなければ rightPart を返します
- メイン処理からは solve(original, cloned, target) を呼び出し、その結果を返します
このアルゴリズムの計算量は O(n)(n はノード数)であり、各ノードを一度だけ訪問すればよいため、非常に効率的です。また、必要な追加メモリも再帰のスタック分だけで済みます。
C++による実装例
それでは、以下の実装コードを見て、より深く理解しましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class TreeNode{
public:
int val;
TreeNode *left, *right;
TreeNode(int data){
val = data;
left = right = NULL;
}
};
void insert(TreeNode **root, int val){
queue<TreeNode*> q;
q.push(*root);
while(q.size()){
TreeNode *temp = q.front();
q.pop();
if(!temp->left){
if(val != NULL)
temp->left = new TreeNode(val);
else
temp->left = new TreeNode(0);
return;
} else {
q.push(temp->left);
}
if(!temp->right){
if(val != NULL)
temp->right = new TreeNode(val);
else
temp->right = new TreeNode(0);
return;
} else {
q.push(temp->right);
}
}
}
TreeNode *make_tree(vector<int> v){
TreeNode *root = new TreeNode(v[0]);
for(int i = 1; i<v.size(); i++){
insert(&root, v[i]);
}
return root;
}
class Solution {
public:
TreeNode* solve(TreeNode* node1, TreeNode* node2, TreeNode*
target){
if(!node1) return NULL;
if(node1 == target && node1->val == node2->val) return node2;
TreeNode* leftPart = solve(node1->left, node2->left, target);
TreeNode* rightPart = solve(node1->right, node2->right, target);
return leftPart? leftPart : rightPart;
}
TreeNode* getTargetCopy(TreeNode* original, TreeNode* cloned,
TreeNode* target) {
return solve(original, cloned, target);
}
};
main(){
vector<int> v = {7,4,3,NULL,NULL,6,19};
TreeNode *root = make_tree(v);
TreeNode *cloned = make_tree(v);
TreeNode *target = root->right; //The node with value 3
Solution ob;
cout << (ob.getTargetCopy(root, cloned, target))->val;
}入力
[7,4,3,null,null,6,19] 3
出力
3
このコードでは、まず補助関数 make_tree() を使って入力ベクターから二分木を構築し、元の木とクローン木の2本を作成しています。その後、値が 3 のノード(root の右の子)を target として設定し、getTargetCopy() を呼び出すことで、クローン木における対応するノードを取得しています。実行結果として 3 が出力されれば、正しくノードを特定できています。
-
C++で二分木のルートから特定ノードまでの距離を求める方法
二分木が与えられたとき、ルートから特定のノード u までの距離(経路の長さ)を求める問題を考えてみましょう。例として、次のような二分木を想定します。この木において、ルートからノード6までの距離は2、ルートからノード8までの距離は3となります。解決のアプローチこの問題は、再帰的な手法を用いて解くことができます。具体的には、目的のノードを左部分木と右部分木の両方に対して再帰的に探索し、再帰の各段階(レベル)で距離を1ずつ加算していきます。探索の仕組みは以下の通りです。現在のノードがNULLの場合は -1 を返します(ノードが見つからなかったことを示す)。現在のノードの値が目的の値と一致した場合、ま
-
C++の二分探索木(BST)で最小値のノードを見つける方法
二分探索木(Binary Search Tree、BST)が与えられたとき、その木の中から最小の要素を見つけることを考えます。例えば、以下のようなBSTがあるとします。この場合、最小要素は 1 になります。考え方二分探索木の重要な性質として、左部分木には必ず親ノードより小さい値が格納されるというものがあります。この性質を利用すると、次の手順で最小要素を見つけることができます。ルートノードから探索を開始します。現在のノードの左の子が NULL でない間、左の子へ移動を繰り返します。左の子が NULL になったノードの値が、木全体の中で最小の要素です。この操作の計算量は木の高さに依存し、平衡な二分