C++で行と列を反転して2値行列の「1」の数を最大化するアルゴリズム
2値(0と1のみで構成される)行列が与えられたとき、1つの行を反転し、その後1つの列を反転することで、得られる「1」の最大数を求める問題をC++で解く方法を解説します。
問題の例
たとえば、次のような入力行列を考えてみましょう。
| 1 | 0 | 1 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 0 |
この場合、最適な行と列を選んで反転すると、出力は 8 になります。
解法のアプローチ
この問題は、全探索を行う代わりに、行ごと・列ごとの「1」の個数を事前に集計することで効率的に解けます。手順は以下の通りです。
n := 行列の行数
m := 行列の列数
ret := 0(答えを格納する変数)
サイズ n の配列 row を定義(各行に含まれる「1」の個数)
サイズ m の配列 col を定義(各列に含まれる「1」の個数)
total := 0(行列全体の「1」の総数)
i := 0 から n 未満の間、以下を繰り返す:
j := 0 から m 未満の間、以下を繰り返す:
row[i] := row[i] + matrix[i, j]
col[j] := col[j] + matrix[i, j]
total := total + matrix[i, j]
再び i := 0 から n 未満の間、以下を繰り返す:
j := 0 から m 未満の間、以下を繰り返す:
cand := total - row[i] - col[j] + ((m - row[i]) + (n - col[j]))
matrix[i, j] が 0 以外の場合:
cand := cand + 2
それ以外の場合:
cand := cand - 2
ret := ret と cand のうち大きい方
ret を返す
考え方のポイント
行 i を反転すると、その行に含まれる row[i] 個の「1」はすべて「0」に変わり、残りの (m − row[i]) 個の「0」はすべて「1」に変わります。同様に、列 j を反転すると、col[j] 個の「1」が「0」に、(n − col[j]) 個の「0」が「1」に変わります。
ただし、セル (i, j) は行の反転と列の反転の両方の影響を受けるため、上記の計算では二重に扱われてしまいます。そこで、matrix[i][j] が 1 の場合は cand に 2 を加え、0 の場合は 2 を引いて補正します。これにより、すべての (i, j) の組み合わせについて反転後の「1」の数を正しく求められます。
計算量は前処理・探索ともに O(n × m) となり、非常に効率的です。
実装例
理解を深めるために、以下のC++の実装を見てみましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class Solution {
public:
int solve(vector<vector<int>> &matrix) {
int n = matrix.size();
int m = matrix[0].size();
int ret = 0;
vector<int> row(n);
vector<int> col(m);
int total = 0;
for (int i = 0; i < n; i++) {
for (int j = 0; j < m; j++) {
row[i] += matrix[i][j];
col[j] += matrix[i][j];
total += matrix[i][j];
}
}
for (int i = 0; i < n; i++) {
for (int j = 0; j < m; j++) {
int cand = total - row[i] - col[j] + (m - row[i]) + (n -
col[j]);
if (matrix[i][j]) {
cand += 2;
}else {
cand -= 2;
}
ret = max(ret, cand);
}
}
return ret;
}
};
main() {
Solution ob;
vector<vector<int>> v = {{1,0,1},{0,1,0},{1,0,0}};
cout << (ob.solve(v));
}
入力
{{1,0,1},{0,1,0},{1,0,0}}
出力
8
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