JavaScriptのAtomicsとは?アトミック操作とadd()メソッドの使い方
Atomics(アトミックス)とは
Atomicsは、JavaScriptにおいてアトミック操作(不可分操作)を静的メソッドとして提供する組み込みオブジェクトです。Mathオブジェクトのメソッドと同様に、Atomicsのメソッドやプロパティはすべて静的に提供されます。主にSharedArrayBufferオブジェクトと組み合わせて使用され、複数スレッド間での安全なデータ共有を実現します。
アトミック操作はAtomicsモジュール上に実装されています。他のグローバルオブジェクトとは異なり、Atomicsはコンストラクタではありません。そのため、new演算子を使ってインスタンス化したり、関数として直接呼び出したりすることはできません。
アトミック操作とは何か
アトミック操作とは、途中で中断されることのない処理のことです。メモリが共有されている環境では、複数のスレッドが同時に同じデータを読み書きする可能性があります。このとき、あるスレッドがデータを書き換えている最中に別のスレッドがアクセスすると、データの不整合(競合状態)が発生し、意図しないデータ損失につながります。
アトミック操作は、予期した値(データ)が正確に読み書きされることを保証します。現在実行中の操作が完了するまで次の操作は開始されないため、処理の途中で既存のデータが書き換えられることはありません。
ここからは、代表的なAtomicsメソッドの一つであるAtomics.add()について詳しく見ていきます。
Atomics.add()メソッド
Atomics.add()は、配列内の指定した位置に指定した値を加算し、その位置にあった「元の値(古い値)」を返すメソッドです。アトミック操作のため中断が許されず、変更後の値が返されるまで他の書き込み操作が介入することはありません。
構文
Atomics.add(typedArray, index, value)
パラメータ
typedArray
値を加算する対象となる共有整数型配列(SharedArrayBufferを基盤としたTypedArray)です。
index
新しい値を加算する配列内の位置(インデックス番号)です。
value
加算する数値です。
戻り値
Atomics.add()は、指定された位置にあった元の値(typedArray[index])を返します。
サンプルコード
<html>
<body>
<script type="text/javascript">
// SharedArrayBufferを作成
var buffer = new SharedArrayBuffer(25);
var arr = new Uint8Array(buffer);
// 配列の0番目の要素を6で初期化
arr[0] = 6;
// Atomics.add()メソッドの戻り値を表示
document.write(Atomics.add(arr, 0, 2));
document.write("</br>");
// 更新後のSharedArrayBufferの値を表示
document.write(Atomics.load(arr, 0));
</script>
</body>
</html>出力結果
6 8
この例では、まず0番目の要素を6で初期化し、そこへ2を加算しています。Atomics.add()は「加算前の古い値」である6を返し、その後Atomics.load()で確認すると、値が正しく8に更新されていることがわかります。
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