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Javaのオブジェクトレベルロックとクラスレベルロックの違いを徹底解説

はじめに:マルチスレッド環境とロックの必要性

マルチスレッド環境では、2つ以上のスレッドが同時に共有リソースへアクセスする可能性があり、データの不整合や予期しない動作を引き起こす恐れがあります。Javaではこの問題を防ぐために「ロック(Lock)」という仕組みを提供しており、共有リソースやオブジェクトへの同時アクセスを制御できます。

Javaのロックは、適用対象によって大きく次の2つのレベルに分類されます。

  • オブジェクトレベルロック … 非staticメソッドや非staticのコードブロックに対して、同時に1つのスレッドからしかアクセスできないようにしたい場合に使用します。
  • クラスレベルロック … 実行時に存在するすべてのインスタンスを通じて、複数のスレッドが同期ブロックへ同時に入るのを防ぎたい場合に使用します。staticデータをスレッドセーフにする際に必ず使用すべきロックです。

オブジェクトレベルロックとクラスレベルロックの比較表

No.比較項目オブジェクトレベルロッククラスレベルロック
1基本非staticメソッドや非staticのコードブロックに、同時に1つのスレッドしかアクセスできないようにしたい場合に使用します。実行時に存在するすべてのインスタンスにおいて、複数のスレッドが同期ブロックへ同時に入るのを防ぎたい場合に使用します。
2static / 非static非staticデータ(インスタンス変数など)をスレッドセーフにするために使用します。staticデータ(クラス変数など)をスレッドセーフにするために使用します。
3ロックの数クラスの各インスタンス(オブジェクト)がそれぞれ独自のロックを持ちます。クラスのインスタンスは複数存在し得ますが、そのクラスに対応するClassオブジェクトのロックはJVM内に常に1つだけです。

クラスレベルロックの実装例

クラスレベルロックを取得するには、synchronizedブロックのモニターとしてクラス名.class(Classオブジェクト)を指定します。

public class ClassLevelLockExample {
    public void classLevelLockMethod() {
        synchronized (ClassLevelLockExample.class) {
            // ここに排他制御が必要な処理を記述
        }
    }
}

また、static synchronizedメソッドを定義した場合も、暗黙的にこのクラスレベルロックが使用されます。

オブジェクトレベルロックの実装例

オブジェクトレベルロックを取得するには、synchronizedブロックのモニターとしてthis(現在のインスタンス自身)を指定します。

public class ObjectLevelLockExample {
    public void objectLevelLockMethod() {
        synchronized (this) {
            // ここに排他制御が必要な処理を記述
        }
    }
}

インスタンスメソッドにsynchronized修飾子を付けた場合も、暗黙的にthisのロックが取得されます。

まとめ

オブジェクトレベルロックはインスタンス単位の排他制御、クラスレベルロックはクラス全体(全インスタンス共通)の排他制御を行うための仕組みです。インスタンス固有の状態を守るなら前者を、staticフィールドなどクラス全体で共有される状態を守るなら後者を選択することで、マルチスレッド環境でも安全なプログラムを実現できます。

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