傾向分析(トレンド分析)とは?時系列データから傾向を抽出する手法を解説
傾向分析の概要
傾向分析(トレンド分析)とは、ノイズによって部分的あるいは完全に隠されている可能性のある時系列データから、振る舞いのモデルを抽出するための一連の手法を指します。この手法は、感染症の発生や予期しない増減の検知、疾病動向のモニタリング、疾病対策プログラムや政策の有効性評価、医療プログラムの成果測定など、幅広い分野で活用されています。
スムージング(平滑化)によるノイズ除去
時系列データの傾向を検出するには、さまざまな手法が利用できます。その一つが「スムージング(平滑化)」で、時系列に含まれる非系統的な変動を取り除くアプローチです。一般的には、特定の時点を中心とした時間窓(ウィンドウ)を設定し、その範囲内の属性値の移動平均を求める形で実装されます。
このとき、該当時点の個別の値の代わりに局所平均を使用します。外れ値(異常値)の影響を受けやすい平均値よりも、中央値の方が感度が低く安定するため、通常は中央値が採用されます。スムージングによりノイズや外れ値をフィルタリングできるだけでなく、処理後のデータは線形・対数・指数関数など既知の関数への当てはめが容易になるため、将来値の予測にも役立ちます。
季節パターンの検出とラグ
時系列データから季節性パターンを検出するのは、より難易度の高い作業です。一つの方法として、一定間隔で配置された属性値同士の相関関係を調べる手法があります。例えば月次の売上データであれば、12番目ごとの値の間に相関が見られるかもしれません。このように相関する項目間の時間差は「ラグ」と呼ばれます。
自己相関関数とコレログラム
異なるラグ間隔におけるデータ値間の相関を特定するために、自己相関関数を生成できます。コレログラムは、複数のラグ値に対する自己相関の値をグラフ化して表示したものです。
共分散は、2つの変数がどのように連動して変化するかを測る指標であり、2つの時系列間の関係、または1つの時系列における季節トレンドを判定する基礎として利用できます。自己相関係数 rk は、一定の距離(ラグ k)だけ離れた時系列値同士の相関を測定します。
相関係数の解釈
自己相関の分析では複数のアプローチが用いられます。正の値は両方の変数が一緒に増加することを示し、負の値は一方が増加すると他方が減少することを示します。また、ゼロに近い値は、2つの変数間にほとんど相関がないことを意味します。
相関係数の計算式(ピアソンの r)
相関を計算する代表的な公式が相関係数 r で、「ピアソンの r」としても知られています。平均値が X′ および Y′ である2つの時系列 X と Y(それぞれ n 要素)が与えられた場合、r の計算式は次のようになります。
$$\mathrm{\frac{\sum(x_i-X')(y_i-Y')}{\sqrt{\sum(x_i-X)^2(y_i-Y')^2}}}$$
この式を応用すれば、時系列 X=(x1,x2,…xn) に対してラグ k の相関係数 rk を求めるのも簡単です。第1の時系列を X′=(x1,x2,…xn−k)、第2の時系列を X''=(xk+1,…xn) として扱い、それぞれのペアについて式を適用します。
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