最短共通超部分列(SCS)とは?動的計画法で長さを求めるアルゴリズムをC++で解説
最短共通超部分列(Shortest Common Supersequence、略称:SCS)とは、与えられた2つの列のすべての要素が含まれる列のことです。言い換えると、元となる2つの文字列がどちらも、この超部分列の部分列となっている関係です。
2つの文字列に共通する文字が1つもない場合には、単純に連結するだけで超部分列が得られます。しかし、共通の文字が含まれている場合は、まず最長共通部分列(LCS)を見つけたうえで、もう一方の文字列の残りの文字を付け足していく必要があります。
なお、SCSの長さは次の式でも求められます。
SCSの長さ = len(str1) + len(str2) − LCSの長さ
入力と出力の例
入力: 2つの文字列「ABCDEF」と「XYDEF」 出力: 最短共通超部分列の長さ ここでの超部分列は「ABCDEFXY」となり、長さは8です。
アルゴリズムの流れ
入力: 2つの文字列 str1 と str2
出力: 最短共通超部分列の長さ
Begin
m := str1 の文字数
n := str2 の文字数
サイズ (m+1) × (n+1) の表 seqTab を定義
for i := 0 to m, do
for j := 0 to n, do
if i = 0 のとき
seqTab[i, j] := j // 片方が空なら相手の長さがそのまま答え
else if j = 0 のとき
seqTab[i, j] := i // 同上
else if str1[i-1] = str2[j-1] のとき
seqTab[i, j] := 1 + seqTab[i-1, j-1] // 文字が一致した場合
else
seqTab[i, j] := 1 + min(seqTab[i-1, j], seqTab[i, j-1])
done
done
return seqTab[m, n]
Endこのアルゴリズムは動的計画法(DP)を用いており、計算量は O(m × n)、必要な記憶領域も同様に O(m × n) となります。
遷移のポイント
- 片方の文字列が空の場合: もう一方の文字列全体がそのまま超部分列になるため、その長さをそのまま格納します。
- 現在比較中の文字が一致する場合: その文字は両方の文字列で共有できるため、斜め左上の値に1を加えたものになります。
- 文字が一致しない場合: どちらかの文字列から1文字採用するため、「上のセル」「左のセル」の小さい方に1を加えます。
C++による実装例
#include<iostream>
using namespace std;
int min(int a, int b) {
return (a<b)?a:b;
}
int superSeq(string str1, string str2) {
int m = str1.size();
int n = str2.size();
int supSeqTable[m+1][n+1];
for (int i = 0; i <= m; i++) {
for (int j = 0; j <= n; j++) {
if (!i)
supSeqTable[i][j] = j; // 片方が空なら長さはj
else if (!j)
supSeqTable[i][j] = i; // 同様に長さはi
else if (str1[i-1] == str2[j-1])
supSeqTable[i][j] = 1 + supSeqTable[i-1][j-1]; // 文字が一致
else
supSeqTable[i][j] = 1 + min(supSeqTable[i-1][j], supSeqTable[i][j-1]);
}
}
return supSeqTable[m][n];
}
int main() {
string first = "ABCDEF";
string second = "XYDEF";
cout << "Length of the shortest supersequence is " << superSeq(first, second);
}実行結果
Length of the shortest supersequence is 8
まとめ
最短共通超部分列の問題は、LCS(最長共通部分列)の知識があると理解しやすいのが特徴です。「2つの文字列の合計の長さから共通部分の重複分を引く」という発想で捉えると、DPテーブルの更新式の意味も自然に見えてきます。文字列処理や差分マージなど、実際の応用場面も多いため、ぜひ実装を通じて仕組みを身につけてください。
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