グラフが木(ツリー)であるかどうかを判定するアルゴリズム
木であるかの判定基準
この問題では、1つの無向グラフが与えられ、そのグラフが木(ツリー)であるかどうかを判定します。判定は木の性質を確認するだけで簡単に行えます。木には閉路(サイクル)が含まれないため、グラフ内に閉路がひとつでも存在すれば、そのグラフは木ではありません。

別のアプローチもあります。グラフが連結であり、かつ辺の本数が V−1 であれば、そのグラフは木であると判定できます。ここで V はグラフの頂点数です。これは「連結なグラフが V−1 本の辺を持つならば、必ず閉路を持たない」というグラフ理論の性質に基づいています。
入力と出力
入力: 隣接行列 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 1 1 1 0 出力: このグラフは木です
アルゴリズム
isCycle(u, visited, parent)
入力:開始頂点 u、訪問状態を記録する visited リスト、親頂点。
出力:グラフ内に閉路が存在する場合は true。
開始
u を訪問済みとしてマークする
u に隣接するすべての頂点 v について繰り返す
もし v が未訪問であれば
isCycle(v, visited, u) が true であれば
true を返す
そうでなく v が親頂点 parent と異なる場合
true を返す(閉路を検出)
繰り返し終了
false を返す
終了
isTree(graph)
入力:無向グラフ。
出力:グラフが木である場合は true。
開始 訪問状態を記録する配列 visited を用意する 最初にすべてのノードを未訪問として初期化する isCycle(0, visited, φ) が true であれば false を返す ※開始頂点の親は null(存在しない) グラフが連結でなければ false を返す それ以外の場合は true を返す 終了
このアルゴリズムでは、DFS(深さ優先探索)を利用して閉路の有無を調べます。探索中に「訪問済みだが親ではない」頂点へ再びたどり着いた場合、そこに閉路が存在すると判断できます。さらに、探索終了後に未訪問の頂点が残っていた場合は、グラフが連結していないことを意味します。閉路が存在せず、かつグラフ全体が連結していれば、そのグラフは木であると結論付けられます。
C++による実装例
#include<iostream>
#define NODE 5
using namespace std;
int graph[NODE][NODE] = {
{0, 1, 1, 1, 0},
{1, 0, 1, 0, 0},
{1, 1, 0, 0, 0},
{1, 0, 0, 0, 1},
{0, 0, 0, 1, 0}
};
bool isCycle(int u, bool visited[], int parent) {
visited[u] = true; //u を訪問済みとしてマーク
for(int v = 0; v<NODE; v++) {
if(graph[u][v]) {
if(!visited[v]) { //隣接ノード v が未訪問の場合
if(isCycle(v, visited, u)) {
return true;
}
} else if(v != parent) { //隣接頂点が訪問済みだが親ではない場合
return true; //閉路が存在する
}
}
}
return false;
}
bool isTree() {
bool *vis = new bool[NODE];
for(int i = 0; i<NODE; i++)
vis[i] = false; //すべてのノードを未訪問として初期化
if(isCycle(0, vis, -1)) //閉路が存在するかどうかをチェック
return false;
for(int i = 0; i<NODE; i++) {
if(!vis[i]) //探索で未訪問のノードが残っていれば、グラフは非連結
return false;
}
return true;
}
int main() {
if(isTree())
cout << "The Graph is a Tree.";
else
cout << "The Graph is not a Tree.";
}
実行結果
The Graph is a Tree.
計算量
隣接行列を用いた上記の実装では、各頂点からすべての頂点を走査するため、時間計算量は O(V²) となります。隣接リストを使用すれば、時間計算量を O(V + E) まで改善できます。一方、訪問状態を管理する配列などの分、空間計算量は O(V) です。
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