Pythonで与えられたグラフが2部グラフかどうかを判定するプログラム
2部グラフとは
無向グラフが与えられたとき、そのグラフが2部グラフ(バイパータイトグラフ)であるかどうかを判定する方法を解説します。
2部グラフとは、グラフのすべての頂点を2つの集合 A と B に分割でき、グラフ内のすべての辺 {u, v} が必ず一方の端点 u が集合 A、もう一方の端点 v が集合 B に属するようなグラフのことです。つまり、同じ集合内の頂点同士を結ぶ辺(A-A や B-B)が一切存在しないグラフです。
例として、次のようなグラフを考えてみましょう。

この場合、頂点 [0, 4] を集合 A に、[1, 2, 3] を集合 B に分類できます。すべての辺は A から B、または B から A に向かっており、A 内部や B 内部に辺が存在しないため、このグラフは2部グラフであり、出力は True となります。
アルゴリズムの考え方:2色塗り分け
2部グラフの判定にはDFS(深さ優先探索)による2色塗り分けが有効です。隣接する頂点同士を必ず異なる色で塗っていき、途中で「隣接頂点と同じ色になってしまった」箇所が見つかれば、そのグラフは2部グラフではありません。
手順
- DFS用の関数
dfs()を定義します。引数は探索起点となる頂点sourceです。 graph[source]に含まれる各頂点vertexについて次を処理します。color[vertex]が -1 以外(=すでに塗られている)の場合:color[vertex]がcolor[source]と同じなら、結果をFalseにして処理を終了します。- 色が異なる場合は何もせず次の頂点へ進みます。
- まだ塗られていない場合は、
color[vertex] = 1 - color[source]として反対の色を割り当て、そこから再帰的に DFS を実行します。
- メイン処理では以下を行います。
nを入力配列のサイズとします。- 頂点 0 ~ n-1 の空の隣接リスト
graphを作成します。 - 各辺に対して、両方向の隣接関係をリストに登録します(無向グラフのため)。
- サイズ n の色管理リスト
colorを作成し、すべて -1(未訪問)で初期化します。 - 結果を保持する
resultを[True]で初期化します。
- すべての頂点 i について、
color[i]が -1(未訪問)ならdfs(i)を呼び出します。これにより連結成分ごとに探索が行われます。 - 最後に
result[0]を返します。
Pythonでの実装例
from collections import defaultdict
class Solution:
def solve(self, arr):
n = len(arr)
# 隣接リストの構築(無向グラフなので双方向に登録)
graph = [set() for i in range(n)]
for i in range(n):
for j in arr[i]:
graph[j].add(i)
graph[i].add(j)
color = [-1] * n # -1 = 未訪問
result = [True]
def dfs(source):
for child in graph[source]:
if color[child] != -1:
if color[child] == color[source]:
# 隣接頂点と同じ色 → 2部グラフではない
result[0] = False
return
continue
# 隣接頂点に反対の色を割り当てて再帰探索
color[child] = 1 - color[source]
dfs(child)
# 未訪問の頂点から DFS を開始(非連結グラフ対応)
for i in range(n):
if color[i] == -1:
dfs(i)
return result[0]
ob = Solution()
graph = [[1,2,3],[0],[0,4],[0,4],[2,3]]
print(ob.solve(graph))入力
graph = [[1,2,3],[0],[0,4],[0,4],[2,3]]
出力
True
計算量
このアルゴリズムでは、各頂点と各辺が高々1回ずつ訪問されるため、時間計算量は O(V + E)(V: 頂点数、E: 辺数)、空間計算量も色管理リストと隣接リストの分だけ必要となり O(V + E) です。
まとめ
2部グラフの判定は、DFS(またはBFS)を使った2色塗り分け問題として定式化できます。隣接頂点に交互に異なる色を割り当てながら探索し、矛盾が発生した時点で2部グラフではないと判断します。この手法は、奇数長の閉路(奇サイクル)を含むグラフが2部グラフにならないという性質とも密接に関係しています。
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