C言語で学ぶスタックの基本概念と配列による実装方法
データ構造とは、構造化された方法で整理・管理されたデータの集合体のことです。データ構造は大きく「線形データ構造」と「非線形データ構造」の2種類に分類されます。

データ構造の2つの分類
線形データ構造
データが一本の線上に順番に並ぶように配置される構造です。
例: 配列、構造体、スタック、キュー、連結リストなど
非線形データ構造
データが階層的・網目的に配置される構造です。
例: 木(ツリー)、グラフ、集合、テーブルなど
C言語におけるスタックとは
スタックは線形データ構造の一種で、データの挿入と削除が同じ一端(トップ)でのみ行われるという特徴を持ちます。この仕組みは「後入れ先出し(LIFO:Last In First Out)」と呼ばれ、最後に積んだデータが最初に取り出されます。
スタックの基本操作
- Push(プッシュ) – スタックのトップに新しい要素を挿入する。
- Pop(ポップ) – スタックのトップから要素を取り除く(削除する)。




たとえば、10・20・30・40・50 の順にプッシュした後、pop() を1回呼び出すと次のようになります。
Deleted element = 50 Item = a [top] top --
- pop(), pop(), pop(), pop()
Deleted element = 40 Deleted element = 30 Deleted element = 20 Deleted element = 10
- pop()
さらに pop() を呼び出すと、スタックは空のため「スタックアンダーフロー」が発生します。
スタックの重要な条件
スタックオーバーフロー – すでに満杯のスタックに対して、さらに要素を挿入しようとすると発生するエラー。
スタックアンダーフロー – 空のスタックから要素を削除しようとすると発生するエラー。
Push()・Pop()・Display() のアルゴリズム
それぞれの操作は、以下の手順で実装できます。
Push() のアルゴリズム
- まずスタックオーバーフローが起きていないか確認します。
if (top == n-1)
printf("stack over flow");
- 問題がなければ、スタックのトップに要素を挿入します。
top++; a[top] = item;
Pop() のアルゴリズム
- まずスタックアンダーフローが起きていないか確認します。
if (top == -1)
printf("stack under flow");
- 問題がなければ、トップの要素を取り出して削除します。
item = a[top]; top--;
Display() のアルゴリズム
- まずスタックが空かどうかを確認します。
if (top == -1)
printf("stack is empty");
- 空でなければ、下位から上位へ順に要素を表示します。
for (i = 0; i <= top; i++)
printf("%d", a[i]);
配列を使ったスタック実装のCプログラム例
以下は、配列を使用してスタックを実装したC言語のサンプルプログラムです。
#include<stdio.h>
#include <conio.h>
int top = -1, n, a[100];
void push(void){
int item;
if (top == n-1)
printf("スタックオーバーフロー\n");
else{
printf("挿入する要素を入力してください:");
scanf("%d", &item);
top++;
a[top] = item;
}
}
void pop(void){
int item;
if (top == -1)
printf("スタックアンダーフロー\n");
else{
item = a[top];
top--;
printf("削除された要素 = %d\n", item);
}
}
void display(void){
int i;
if (top == -1)
printf("スタックは空です\n");
else{
printf("スタックの内容:");
for (i = 0; i <= top; i++)
printf("%d \t", a[i]);
printf("\n");
}
}
int main(void){
int ch;
clrscr();
printf("スタックのサイズを入力してください:");
scanf("%d", &n);
printf("スタックの実装\n");
printf("1. プッシュ\n");
printf("2. ポップ\n");
printf("3. 終了\n");
do{
printf("選択してください:");
scanf("%d", &ch);
switch (ch){
case 1 : push();
display();
break;
case 2 : pop();
display();
break;
case 3 : exit(0);
}
}while (ch >= 1 && ch <= 3);
getch();
return 0;
}
実行結果
上記のプログラムを実行すると、次のような結果が得られます。
スタックのサイズを入力してください:5 [ユーザー入力] スタックの実装 1. プッシュ 2. ポップ 3. 終了 選択してください:1 [ユーザー入力] 挿入する要素を入力してください:10 スタックの内容:10 選択してください:1 挿入する要素を入力してください:20 スタックの内容:10 20 選択してください:2 削除された要素 = 20 スタックの内容:10 選択してください:2 削除された要素 = 10 スタックは空です 選択してください:2 スタックアンダーフロー 選択してください:1 挿入する要素を入力してください:30 スタックの内容:30
このように、スタックでは最後に追加した要素から順に取り出される(LIFO)動作を確認できます。また、空のスタックへのポップ操作ではアンダーフローが検出され、適切なメッセージが表示されることも分かります。
-
C言語のポインタ入門!宣言・初期化から配列アクセスの実例まで徹底解説
ポインタ(pointer)とは、他の変数のメモリアドレスを格納するための変数です。C言語においてポインタは、メモリを直接操作したり、関数間でデータを効率的にやり取りしたりするために欠かせない重要な概念です。 ポインタの宣言・初期化とアクセス まず、次のような通常の整数変数の宣言を見てみましょう。 int qty = 179; 変数qtyには値「179」が格納されると同時に、メモリ上のどこかにその格納場所(アドレス)が割り当てられます。 ポインタの宣言 int *p; 「p」はポインタ変数であり、別の整数型(int)変数のアドレスを保持します。変数名の前にアスタリスク(*)を付けることで、「こ
-
C#のクラスとは?基本概念からコンストラクタまで徹底解説
C#におけるクラスは、最も重要な型の一つです。クラスは、問題領域に関連するオブジェクトを生成するための「設計図」と考えることができます。つまり、クラスはテンプレートであり、そこからオブジェクトを作成します。クラスには、そのクラスから作られるオブジェクト群が共有する構造(データ)と振る舞い(メソッド)が定義されています。たとえるなら、クラスは「クッキーの型」であり、オブジェクトはその型で作られた「クッキー」そのものです。 カプセル化という重要な概念 クラスは、オブジェクト指向プログラミングにおける重要な概念である「カプセル化」を実現します。カプセル化とは、データと、そのデータを操作する処理を一箇