常時無料のAutonomous Database(自律型データベース)とは?特徴とOracle Cloudでの作成手順を解説
本記事では、Oracleの自律型データベース「Autonomous Database」について紹介し、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上で利用できる「常時無料(Always Free)」オプションの作成方法と活用方法を解説します。
自律型データベース(Autonomous Database)とは?
自律型データベースは、Oracleが提供する次世代のクラウドデータベースです。EXADATAインフラストラクチャ上で稼働し、データベース操作からデータセンター運用までが完全に自動化されています。機械学習をはじめとするAI技術を活用し、従来データベース管理者(DBA)が手作業で行っていた業務をすべて自動化する、世界初の完全自動化データベースです。その設計思想は「3S」の原則に基づいています。
- セルフドライビング(Self-driving):プロビジョニング、スケーリング、パッチ適用、バックアップといったデータベースおよびインフラストラクチャの管理を自動化します。パフォーマンスチューニングや監視タスクも含まれます。
- セルフセキュア(Self-securing):内部・外部のあらゆる脅威から自身を保護し、保存中・転送中のすべてのデータを自動的に暗号化します。セキュリティアップデートもダウンタイムなしで適用されます。
- セルフリペアリング(Self-repairing):障害発生時に自動的に復旧し、99.95%という高いSLAによりダウンタイムを最小限に抑えます。

画像出典:https://learn.oracle.com/ols/course/working-with-oracle-autonomous-database/35573/55727/73116
自律型データベースの種類
自律型データベースは、対象となるワークロードに応じて、以下の2種類が提供されています。
- Autonomous Data Warehouse(ADW):データウェアハウス、レポーティング、大規模なデータスキャン、データマートなど、分析系ワークロードに最適化されたタイプです。各種BI活動を実行しながら、データベースライフサイクル全体の運用を自動的に管理します。
- Autonomous Transaction Processing(ATP):トランザクション処理や混合ワークロード環境に最適化されたタイプです。リアルタイム分析、大量のランダムデータアクセス、アプリケーション開発など、幅広い用途に対応できます。

画像出典:https://learn.oracle.com/ols/course/working-with-oracle-autonomous-database/35573/55727/73116
次の表は、それぞれのワークロードへの最適化の違いを示したものです。

表出典:https://learn.oracle.com/ols/course/working-with-oracle-autonomous-database/35573/55727/73116
自律型データベースのデプロイメントオプション
自律型データベースには、以下の2つのデプロイメントオプションがあります。
- サーバーレスデプロイメント(Serverless):共有クラウドインフラストラクチャのリソースモデルを利用する方式です。
- 専用デプロイメント(Dedicated):ユーザー専用のクラウドインフラストラクチャ内に自律型データベースをデプロイできる方式です。

画像出典:https://blogs.oracle.com/database/autonomous-database-dedicated-exadata-cloud-infrastructure-v2
Always Free Autonomous Databaseの詳細
テナンシーのホームリージョンでは、最大2つのAlways Free Autonomous Databaseをプロビジョニングできます。これらのデータベースは無償で提供されており、有料アカウント・無料アカウントのどちらでも利用可能です。
Always Free Autonomous Databaseの主な仕様
- CPU:1 OCPU(Oracle CPU)
- メモリ:8GB RAM
- ストレージ:20GB
- ワークロードタイプ:トランザクション処理またはデータウェアハウス
- データベースバージョン:Oracle Database 19c
- インフラストラクチャタイプ:共有Exadataインフラストラクチャ
- 最大データベースセッション数:20
- CPUおよびストレージのスケーリングには対応していません
- 7日間連続してアクティビティがない場合、データベースサービスは自動的に停止します。再起動すれば引き続き利用できます。ただし、停止状態が3か月間続くと、データベースは自動的に削除されるため注意が必要です。
- イベントと通知を設定することで、非アクティブになったAlways Free Autonomous Databaseの情報を把握できます。
詳細については、Oracle公式ドキュメント「Overview of the Always Free Autonomous Database」をご参照ください。
Always Free Autonomous Databaseのセットアップ手順
以下の手順で、Always Free Autonomous Databaseをセットアップできます。
- Oracle Cloud Infrastructureの無料ティアサービスにアクセスし、アカウントを作成します。
- OCIコンソールにログインします。

- データベースタイプとしてATPまたはADWを選択します。
- コンパートメント名、表示名、データベース名を入力します。

- 共有インフラストラクチャ(Shared Infrastructure)を選択します。

- Always Freeオプションが選択(有効)になっていることを確認します。

- 管理者パスワードを作成します。

- ライセンス込み(License Included)を選択します。必要に応じて、アクセス制御ルールも設定できます。

- 作成(Create)をクリックすると、データベースのプロビジョニングが開始されます。

- 3〜4分ほど待つと緑色のステータスが表示され、データベースのプロビジョニングが完了し、利用可能になります。

- データベースへの接続方法は複数用意されています。サービスコンソール(Service Console)をクリックし、管理者パスワードでログインしましょう。
- ブラウザベースのツールであるSQL Developer Webを選択すると、ブラウザから直接データベースに接続できます。


まとめ
Autonomous Databaseは、優れたハードウェア基盤と完全自動化された運用によって、クラウドデータベースに大きな進歩をもたらすサービスです。常時無料(Always Free)プランを活用すれば、コストをかけずにOracle Cloud Infrastructureでの学習、開発、検証を行えます。まずは無料アカウントを作成し、自律型データベースの威力を体験してみてはいかがでしょうか。
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