iPhoneポートレートモードの使い方|対応機種と撮影のコツを徹底解説
iPhoneの「ポートレートモード」は、iPhone 7 Plusで初めて搭載されたアーティスティックな撮影モードです。一部機種の背面に搭載されたデュアルカメラを活用し、被写体にピントを合わせながら背景をぼかす、奥行きのある美しい仕上がりを実現します。
さらにiOS 11以降で追加された「ポートレートライティング」と組み合わせれば、スタジオ撮影のような品質の写真も狙えます。Apple自身がその完成度を公言するほどの注目機能です。
プロのカメラマンほどの見栄えには届かないかもしれませんが、友人や家族のポートレートをぐっと魅力的に撮れるのは間違いありません。
使い方を解説する前に、まず重要な確認点があります。
ポートレートモードが使えるiPhoneはどの機種?
残念ながら、ポートレートモードを使いたくてiPhoneを購入したのに、自分の機種では利用できなかったという人もいます。現在、ポートレートモードに対応しているのは以下の機種です。
- iPhone 7 Plus
- iPhone 8 Plus
- iPhone X
- iPhone XS
- iPhone XR
- iPhone XS Max
標準モデルのiPhone 6・7・8で使えないのは、この機能がデュアルカメラに依存しているためです。iPhone 6/6s(Plusモデル含む)でも同様に非対応となっています。ただし、専用アプリなどを活用すれば、これらの機種でも擬似的なポートレート風の写真を楽しむことは可能です。
ポートレートモードでの撮り方
ここからは、ポートレートモードで美しい写真を撮る具体的な手順を紹介します。
- ホーム画面のカメラアイコンをタップするか、ロック画面から左へスワイプ、あるいは画面下端から上へスワイプしてカメラを起動します。
- ビューファインダー下のモード一覧(タイムラプス、スローモーション、ビデオ、写真、ポートレート、スクエア、パノラマ)から「ポートレート」を選択します。選ぶと文字が黄色く表示されます。
- 被写体との距離は約2.5メートル以内が理想ですが、近すぎてもいけません。「もっと近づいてください」「離れてください」という警告が表示されるので、それを目安に位置を調整しましょう。警告が出たままでも撮影はできますが、仕上がりは劣ります。
- 光量が不足している場合は「追加の光が必要です。フラッシュが役立ちます」と表示されます。自然光派なら無理にフラッシュを使う必要はありませんが、使いたいときは左上のアイコンをタップしてください。
- 上部の時計アイコンをタップすると、3秒または10秒のタイマーを設定できます。セルフィースティック使用時に便利です。遅延時間を選び、白いシャッターボタンを押せば自動で撮影されます。
- 撮影前にフィルターを適用することも可能です。右上の3つの重なった円アイコンをタップしてください。ただし、フィルターとポートレートライティングは同時に併用できません。また、撮影後にも編集で変更できるため、この工程は省略しても構いません。
- 下部の六角形アイコンは「ナチュラルライト」などポートレートライティングの設定です。タップするとスタジオライトやステージライトなどへ順番に切り替えられます。こちらも撮影後に変更可能です(詳細は後述)。
- 被写体から最適な距離を保ち、構図を決めたら白いシャッターボタン(または音量ボタンのどちらか)を押して撮影します。
撮影した写真は「写真」アプリで開いて編集できます。ポートレートモードの写真はすべて「ポートレート」アルバムにまとめられています。編集方法は後ほど詳しく解説しますが、まずは美しい一枚を撮るためのコツをいくつか紹介します。
ポートレートモードで上手に撮るコツ
ポートレートモードは本質的にアーティスティックな効果なので、「ルールはない、自由に試してクリエイティブに」と言いたいところですが、実際には押さえるべきポイントがあります。
被写体に近づく: 被写体はある程度近くに置く必要があります。機能自体も2.5メートル以内を推奨しています。逆に背景は大きく離れているほど、深度効果が際立ちます。被写体が壁に密着していると、ほとんど効果が現れません。
照明に気をつける: 光の条件は非常に重要です。室内の人工的な光では効果が弱まりがちですが、朝の柔らかい陽射しではとても美しい結果になりました。(デジタルで光の効果を加える方法は、後のポートレートライティングのセクションで解説します。)
動かない: 撮る側だけでなく、被写体もじっとしている必要があります。そのため、じっとしていられない幼児のポートレート撮影は難易度が高くなります。
通常撮影(左)と、ポートレートモードの深度効果を適用した写真(右)の比較
ピントの場所を選ぶ: 画面上の対象をタップすれば、ピントの合う位置を変更できます。iPhoneが意図した領域にフォーカスしているか必ず確認しましょう。
邪魔になるものに注意: 深度効果を混乱させる可能性のある小さな物に注意してください。ある検証テストでは、猿の写真の前に垂れ下がった2本のロープが機能を誤認識させ、細い方を前景と判断してピントを合わせようとしたものの、被写体の両脇で背景に溶けてしまうという失敗例が報告されています。
シンプルな構図を心がける: 基本はシンプルな構図です。特に被写体の手前にある雑多な物は効果を乱しやすいので避けるか、失敗ショットが出る可能性があることを念頭に置きましょう。髪の毛の束程度でも機能を混乱させることがありますが、目立つことは少ないでしょう。
プロカメラマンからのアドバイス
ここまでは私たち自身の経験に基づくコツでしたが、プロのカメラマンならもっと深い知識を持っているはずです。幸い、Appleはニュースルーム記事の中で、ポートレートモードを実際に試したプロカメラマンたちのヒントを公開しています。その中から厳選してご紹介します。
ジェレミー・コワート氏は「被写体から気を散らす要素を取り除くこと」「日陰を見つけて、太陽を被写体の背後に置き、美しい逆光を作ること」を勧めています。さらに「露出をほんの少し下げると、映画的な雰囲気が増す」とも語っています。
ジャーシーン・ゴラット氏は「被写体に近づいてディテールを引き出す」ことを推奨しています。
ペイ・ケトロン氏は、ペット撮影のコツについて次のように語っています。「犬には少し距離を取ってあげてください。ポートレートモードは望遠レンズを使うので、約2.4メートル離れるのがおすすめです。おやつを用意しておきましょう。被写体が動いていないときが一番良い結果につながります」
Pei Ketron氏がiPhone 7 Plusのポートレートモードで撮影した写真(写真家およびApple提供)
最後に、ベンジ・ハイシュ氏はポートレートモード撮影に最適な条件についてこう説明しています。「柔らかく拡散した光があると、被写体を美しく見せられます。ごちゃごちゃしすぎていない、気を散らす要素の少ない場所を選べば、ポートレートモードは本当に映える一枚を作り出してくれますよ」
ポートレートライティングの使い方
iPhone 8 PlusやXなど、7 Plus以外の対応機種でポートレートモードを使う場合、追加のライティングフィルターが利用できます。これらは総称して「ポートレートライティング」と呼ばれ、リリース当初はベータ版扱いで精度にムラがあるものの、手間をかけずに素敵な仕上がりを得られることがあります。
ポートレートモードに切り替えると各種ライティング効果が表示されますが、実際の仕上がりは撮ってみないと分かりにくいため、撮影後に試すのがおすすめです。
ポートレートライティングを写真に適用する手順は以下の通りです。
- 「写真」アプリを開き、編集したいポートレート写真を探します。ポートレートライティングはポートレートモードで撮影した写真にのみ追加でき、該当する写真は「ポートレート」アルバムにまとめられています。
- 「編集」をタップします。
- 写真下部の六角形アイコンをタップすると、小さなダイヤルが表示されます。
- ダイヤルをスワイプして効果を切り替えます。全部で5つの設定があります(内容は後述)。
- 各効果をタップすると、写真がどう変化するかプレビューできます。
- 気に入ったら「完了」をタップして保存を待ちます。
- 後から気に入らなくなったら、もう一度「編集」をタップして「元に戻す」を選ぶか、別の効果に付け替えましょう。
なお、編集画面で提供される通常のフィルターとポートレートライティングは併用できません。「ビビッドウォーム」や「ドラマチッククール」などを選んでも、ポートレートライティングを選んだ瞬間に解除されます(背景のぼかしは維持されます)。
ポートレートライティングの5つの効果
デフォルトはナチュラルライトです。自然な見た目のまま、背景だけをぼかします。
2番目はスタジオライト。ハイライトを明るくし、条件が良ければスタジオ撮影のような仕上がりになります。サンプル写真はそこまで完璧ではありませんが、十分改善されたと言えるでしょう。
3番目はコンターライト。スタジオライトより安定性は劣りますが、シャドウ部分に深みと陰影を加えて輪郭を引き締める効果があります。場合によっては、髭の影のように見えることもあります。
残り2つは、被写体を切り抜いて暗い背景に配置し、ドラマチックなステージ照明の下にいるような演出をするモードです。1つ目はステージライト。切り抜き処理が不安定で、特に髪の毛の周りの処理に難があります(ベータ版であることを考えれば許容範囲ですが…)。
最後はステージライトモノ。ステージライトと同じ演出を、全体をモノクロで仕上げます。ステージライト系は信頼性に欠けますが、このモノクロ版は雰囲気のある芸術的な一枚になることがあります。
ポートレートモードをオフにする方法
実はiOSは、ポートレートモードの写真を2枚保存しています。1枚は深度効果が適用されたもの、もう1枚は適用されていないものです。しかし黙って行われるため、「写真」アプリでは1枚しか見えません。
ぼかしのない元画像を見たい場合は、次の手順で表示できます。
- 編集したい写真を探します。ポートレートモードの写真は「写真」アプリの「ポートレート」アルバムにあります。
- 「編集」をタップします。
- 上部の黄色い「ポートレート」バナーをタップします。
- これで深度効果なしの画像が表示されます。再度バナーをタップすれば、いつでもポートレートモードを有効に戻せます。
また、iPhoneをMacに接続して「イメージキャプチャ」などで画像を閲覧すると、2つのバージョンが別々に保存されているのを確認できます。
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