iPhoneの「計測」アプリ完全ガイド|基本操作からLiDARの隠れた便利機能まで
Appleの「計測(Measure)」アプリは、iOSデバイスに標準搭載されながら意外と知られていない便利なアプリです。2018年のiOS 12で登場して以来、AR(拡張現実)技術を活用し、スマートフォン1つで周囲の物の長さや寸法を手軽に測れる「ARものさし」として活躍しています。
この記事では、計測アプリの基本的な使い方から、LiDARスキャナ搭載機種ならではの高度な機能まで、測定に役立つさまざまな機能の活用方法をわかりやすく解説します。
計測アプリを起動するには
計測アプリはAppleデバイスにプリインストールされています。うっかり削除してしまった場合でも、App Storeから無料で再ダウンロードできます。最新機能を利用するために、デバイスのOSを最新バージョンにアップデートしておくのも忘れずに。
計測アプリが動作する主なデバイスは以下の通りです。
- iPod touch(第7世代)以降
- iPad(第5世代)以降
- すべてのiPad Pro
- すべてのiPhone SE
- iPhone 6s以降
計測アプリで長さを測る基本操作
現実の物のサイズを測りたいときは、iPhoneを手にして以下の手順に従ってください。
- 計測アプリを開きます。画面の指示に従ってデバイスをゆっくり動かすと、中央に点のある円が表示されます。
- 点を測定したい物の始点に合わせて、プラスボタン(+)をタップします。
- デバイスを移動すると、始点から点線が伸びていきます。点を測定の終点に合わせると、その時点での測定値がリアルタイムに表示されます。
- 位置が決まったら、もう一度プラスボタン(+)をタップします。
- 測定が完了すると、2つの点をつなぐ破線が実線に変わります。点を長押ししてドラッグすれば、後から位置を微調整することも可能です。
測定値をタップすると、センチメートルとインチを切り替えて表示できます。コピーを選択すれば、数値をクリップボードにコピーして他のアプリに貼り付けることもできます。
また、画面右下のシャッターボタンを使えば、測定値が写った状態で対象物の写真を撮影・保存できます。
なお、シャッターボタンは点と点の間が実線になる(=測定が確定する)前には使用できません。測定前の状態でも画像を残したい場合は、iPhoneの通常のスクリーンショット機能を利用しましょう。
複数箇所を連続で測る方法
既存の測定線につなげる形で、複数の測定を追加することもできます。手順は以下の通りです。
- 最初の測定が完了したら、iPhoneを移動して次の測定の始点を探します。見つかったらプラスボタン(+)をタップします。
- 既存の測定線上や端の点上をタップすると、そこに新しい点を追加できます。
- デバイスを移動して、次の測定を行います。
注意点として、測定同士がつながっていない場合、新しい測定が以前の測定を上書きしてしまい、過去の測定値は保存されません。
四角い物の寸法を自動で測る方法
iPhoneは、正方形や長方形の物体を自動的に検出し、周囲に測定枠を表示します。
枠が表示されたらプラスボタン(+)をタップすると、縦幅・横幅が表示され、面積も同時に確認できます。表示されない場合は、カメラを少し動かしてみてください。面積部分をタップすれば、単位を切り替えることも可能です。
自動配置された点の位置がずれている場合は、デバイスを動かして確認しながら、必要に応じて手動で調整しましょう。
LiDARスキャナ搭載機種の拡張機能
LiDAR(Light Detection and Ranging:光検出および測距)は、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、iPad Pro(2020年モデル)以降に搭載されたセンサー技術です。
デバイス背面のフラッシュほどの大きさがある黒い点がそれで、光パルスを送受信することで距離を測定します。自動運転車やドローン、ロボット工学、プロカメラマンの分野でも使われる技術で、「飛行時間(Time of Flight)」方式により、カメラと周囲の環境との間の奥行きや距離(約1.5メートル/5フィート以内)を高精度に計測します。
この機能はiPhoneカメラのオートフォーカス速度や精度を向上させるだけでなく、計測アプリの性能も大幅に強化しました。測定の精度が上がり、アプリの動作もより快適になっています。
LiDAR搭載デバイスでは、さらに以下のような追加機能が利用できます。
- ものさしビュー(Ruler View)
- エッジ検出ガイド
- 人の身長測定
- 測定履歴
人の身長を測る方法
LiDARスキャナを使って人の身長を測定する手順は以下の通りです。
- iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、またはiPad Proで計測アプリを開きます。
- 相手をカメラの視野内に収め、全身が画面に映っていることを確認します。
- 頭頂部に身長を示すラインが表示されるまで待ちます。
- シャッターボタンをタップすると、身長が記された写真を撮影できます。
- 測定が終わったら完了をタップし、「写真に保存」または「ファイルに保存」を選択します。
正確に測定するには、明るさが十分な場所で、顔がはっきり認識できるようにすることが大切です。計測アプリは人を検知すると自動的に測定を開始するため、座っている人にも立っている人にも使えます。
人が検出されない場合は、少し離れてみてください。画面に「もっと離れて」「もっと近づいて」といった案内が表示されることもあります。
測り直したいときは、デバイスを別の場所に向けるだけで測定がリセットされます。
ものさしビュー(Ruler View)
通常の測定機能に加え、LiDAR搭載デバイスでは測定線を拡大表示すると「ものさしビュー」を利用できます。
デバイスを測定線に近づけると、線の上にものさしの目盛りが重ねて表示され、より細かい単位で寸法を確認できます。
ガイド(エッジ検出)
LiDAR搭載デバイスでは、物を測定している最中に垂直・水平のガイドが追加表示されます。センサーが物のエッジ(角や縁)を検出すると、ガイドが表示されて測定をサポートします。
ガイド上の任意の場所でプラスボタン(+)をタップするだけで測定を開始できるため、手動で点を打って位置を調整するよりも、はるかに簡単に測定できます。
測定履歴
ガイドやものさしビューに加えて、画面左上のリストボタンをタップすれば、そのセッション中に行った過去の測定値やスクリーンショットを一覧で確認できます。
複数の物を続けて測るときに特に便利な機能です。測定値をコピーして他のアプリに貼り付けたり、メモアプリに保存したり、メールで送信したりすることも簡単に行えます。
ポケットに入る便利なARものさし
測定結果には数センチ程度の誤差が生じることもありますが、iPhoneひとつで手軽に物のサイズを把握できる利便性を考えれば、十分許容できる範囲と言えるでしょう。
LiDARやARといった技術の進化のおかげで、物の寸法をざっと確認するのに苦労する必要はもうありません。測定結果の共有もとても簡単です。ぜひ日常のさまざまなシーンで活用してみてください。
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