SpeedFanレビュー:PC内部の温度をパーツ単位まで監視できる無料Windowsアプリ
パソコンは非常に信頼性の高い存在です。ただし、正常に動作している場合に限った話ですが。「コンピュータは決して間違えない」——これは概ね正しい言葉です。とはいえ、スマートフォンをミントティーのグラスに浸してしまえば、おそらく一二のミスを犯す(つまり、二度と動かなくなる)ことでしょう。もちろんスマホをお茶に沈めるのは愚かな行為ですが、パソコンを過熱状態で動かし続けるのも、目に見えないだけでほぼ同等のダメージをもたらします。
ショートさせて故障させるのと同じように、想定外の高温環境で動かし続ければ、パソコンは誤動作を起こします。SpeedFanはWindows向けの無料システム温度モニターで、コンピュータがどれほど熱くなっているのかを、個々のパーツレベルまで細かく把握するのに役立つツールです。
第一印象:無駄のない、飾らない定番ツール
当サイトでSpeedFanを取り上げるのは今回が初めてではありません。2009年の紹介以来、バージョン4.37から4.49へと進化を遂げました……とはいえ、劇的な変化があったわけではありません。このツールはまさに「定番」と呼ぶにふさわしい存在で、見た目もその通りです。「壊れていないものは直さない」というスタンスなのでしょう、インターフェースには4年前と比べて大きな変更点がほとんどありません。
アプリのインストーラーは、そのシンプルさと完成度を物語ります。最悪のケースでは、利益のためにブラウザのツールバーなどの不要なソフトを同梱したり、複雑な多段階の手順を強いるものもあります。SpeedFanのインストーラーはシンプルそのもので、手順はわずか2ステップ、余計なものは一切含まれていません。

SpeedFanを使う上での唯一の注意点は、正しく動作させるために管理者権限が必要という点です。
タブと数値の世界
SpeedFanを起動すると、シンプルさをほとんど追求しないインターフェースが現れます。このツールはひたすら「数値」に徹しています。

豊富な情報が6つのタブに整理されているのは、ユーザビリティへの配慮として歓迎できます。それでも「Readings(読み取り)」タブは情報量が多い割に説明がほとんどありません。システム温度はひと目で確認でき、筆者の環境ではなんと9つもの個別の測定値が表示されました。一部には「Temp1」「Temp2」「Temp3」といった謎めいたラベルが付けられ、さらに同じ名前のTemp1とTemp2が別の数値で再登場します。一方で分かりやすい項目もあります。デスクトップワークステーションに搭載したGPUの温度がすぐに確認できるのは嬉しいところです。ラベルが分かりにくいため、この画面は主に「何か異常がないか」を素早く把握するために役立ちます。Temp2が何を示すのか分からなくても、70℃もあれば注意が必要だと判断できますよね。
Exotics:なんとも不思議なタブ
このタブをあえて紹介したくなったのは、単純にその名前が理由です。「Exotics(珍しいもの)」というタブ名に、クリックせずにいられる人がいるでしょうか。
最初に開いたとき、Exoticsタブは「Show the magic(魔法を見せる)」ボタンとベータ版の警告だけが置かれた、気になるほど空っぽの状態です。これだけ前振りがあると期待が高まるのですが、実際の出力はやや拍子抜けでした。

この地味な画面には、実用的なデータが整然とした枠の中に収められています。Readingsタブと同じ温度表示から始まり、続いてハードディスクのS.M.A.R.T評価(HD0とHD1)、各CPUコアの使用率、CPUのクロック周波数、システムの稼働時間などが一度に確認できます。
S.M.A.R.T:ドライブの健康状態を丸ごと把握
SpeedFanがハードドライブについてたった1つの数値だけで満足すると思っている人はいないでしょう。「S.M.A.R.T」タブをクリックすれば、ハードドライブに関して知りたかった以上の詳細情報を目にすることになります。

ドライブのメーカー、モデル、ファームウェアが表示され、続いてS.M.A.R.Tのパフォーマンスおよび健全性に関する読み取り値の一覧が並びます。中にはSpeedFanにも解釈できない項目があり、「Unknown Attribute(不明な属性)」というラベルが付けられています。つまり「数値はあるけれど、意味は分かりません」ということです。これはSSDの場合で、もう一方の磁気HDDを分析した際には、もう少し丁寧な結果が得られました。

いくつかの項目は分かりにくい名前ですが、意味はオンラインで検索すればすぐ調べられます。また、一部の項目の横にあるアイコンはひと目で分かる健全性インジケーターになっており、筆者の環境ではすべてOKの表示でした。
Charts:推移をグラフで可視化
最後に紹介するのはChartsタブです。Exoticsほど刺激的な名前ではありませんが、より視覚的に状況を把握できる内容になっています。

Windows標準のリソースモニターや信頼性モニターほど美しく整形されてはいませんが、情報量は十分で、表示するメトリクスの切り替えも自由に行えます。惜しい点を挙げるとすれば、データをCSVファイルに書き出して外部ツールでグラフ化する機能がないことです。
まとめ:覚えておきたい頼れる相棒
SpeedFanはワクワクさせるようなツールではありません。しかし、それは決して欠点ではありません。時には、スリルよりも実用性こそが求められる場面があるのです。この分野において長年確固たる地位を築いており、その完成度の高さから、当サイト厳選の「最高のWindowsソフト」リストの「その他」カテゴリーにも選ばれています。毎日使うツールではないかもしれませんが、パソコンの挙動がおかしいとき、Windows標準機能では原因を突き止められないとき、ぜひ試してみたい一本です。
-
Windows 10 PCのアプリをすべて更新する方法を徹底解説
Windows 10のPCを使用している方なら、ブラウザ(Chrome、Firefox)、メディアプレーヤー(VLC、iTunes)、コミュニケーションアプリ(Skype、Zoom)など、数多くのアプリを日常的に利用していることでしょう。しかし、アプリ開発者は定期的にアップデートをリリースしており、インストール済みアプリを常に最新の状態に保つことを推奨していることをご存じでしょうか?各アプリを個別に更新するには膨大な時間と手間がかかるため、Systweak Software Updaterのようなアプリ更新ツールが役立ちます。 なぜアプリを更新すべきなのか? まず誰もが抱く疑問は、「そもそもソ
-
Windows 10/8/7のPCでRAMを解放する方法|動作が遅いときの対処法
パソコンの動作が遅くなるほどストレスを感じるものはありません。その主な原因のひとつがCPU使用率の高さです。つまり、PC上のアプリケーションがCPUやRAMの使用限界を超えてしまい、システム全体の速度が低下している状態です。こうした動作の遅さを解消するには、RAMを解放することが有効です。 Windows PCが遅くなる原因は、メモリリークや予期しない電源トラブルなど、さまざまな要因が考えられます。これらはユーザー側ではコントロールしにくいものですが、PCの動作が重くなったときには、各種ツールや方法を使ってRAMを解放することで改善できます。 まずは、RAMとは何か、そしてPCの動作低下を防