PCのマザーボードが起動しないときの対処法|3つの基本トラブルシューティング
マザーボードが突然起動しなくなることは、意外とよくあるトラブルです。しかし経験上、その原因の多くはユーザー側にあります。ユーザー自身が引き起こした破損などを除けば、起動しない状態の大部分は、それほど苦労せずに復旧できます。
この記事では、マザーボードのトラブルを解決するための3つの基本的な方法、よくある故障のパターン、そして最悪の場合に備えて知っておきたい返品ポリシーについて解説します。
マザーボードが起動しない主な原因
POST(Power-On Self-Test:電源投入時自己診断)に失敗して、まったく起動しなくなる原因は数多く存在します。
一般的に、不具合を抱えたマザーボードは、大きく分けて次の3つのカテゴリーのいずれかに該当します。簡単な道具(多くはすでに手元にあるもの)さえあれば、トラブルシューティングは短時間で完了します。
その前に、マザーボードの起動トラブルでよく見られる問題を確認しておきましょう。
- 断線や緩みのあるケーブル
- BIOS/UEFIのエラー
- マザーボード本体の故障
上記の問題がひとつでもあると、マザーボードがPOSTせず、PCがまったく起動しない可能性が非常に高いため、注意が必要です。
トラブルシューティングに役立つシンプルな道具
PCのマザーボード関連の問題解決に役立つ、手軽な道具をいくつか紹介します。
- マザーボードテスター:マザーボードに不具合がある場合、エラーコードを表示してくれるため、修理業者もスムーズに原因を特定できます。
- PCスピーカー:ケースにスピーカーが付いていない場合、これをマザーボードに直接接続すると、「ビープ音」によるエラーコードを確認できます。
- ジャンパー:ジャンパーをマザーボードの指定されたピンに取り付けると、CMOSメモリがクリアされ、マザーボードがリセットされます。
- 非導電性の作業面:段ボールを敷いて作業する組み立て方もあります。表面が非導電性であれば問題ありませんが、基本的にはケース内での組み立てをおすすめします。
注意:帯電防止袋は導電性を持つ場合があります。マザーボードを帯電防止袋の上に置いたまま電源ユニットへ接続するのは避けましょう。
トラブルシューティングの手順
マザーボードのトラブルシューティングは、それほど大掛かりな作業ではありません。まず、各パーツが正しく装着されているかを確認します。次に、BIOS/UEFI(起動前環境)にエラーがないかを調べます。最後に、マザーボード自体が故障していないかを確かめます。
1. まずは基本から:配線とパーツの装着を確認
一般論として、起動しないPCの大半は、ケーブルの緩みやパーツの不完全な装着が原因です。正しい組み立て手順を踏んでいれば、確認すべきパーツはわずか4つで済みます。
最小構成でPCを起動するために必要なのは、以下のとおりです。
- メモリ1枚
- 電源ユニット
- CPU
- マザーボード
近年のPCでは、GPUがマザーボードまたはCPUに内蔵されています。最小限のパーツだけで起動を試みることで、グラフィックボードやハードディスク、その他の周辺機器に潜む潜在的なエラーを切り分けられます。
さらに、マザーボードのスピーカーポートに小型スピーカーを接続すれば、「ビープ音」によるエラーコードを取得でき、マザーボードの潜在的な問題の手がかりをつかめます。
起動しない場合は、上記のパーツのうち1つ以上に故障、または接続不良が発生している可能性があります。
2. 物理的な損傷を目視で点検
マザーボードは他の複雑なシステムと同様、壊れやすいサブシステムで構成されています。そのため、物理的な損傷がないか目視で確認しましょう。詳しい方なら、マザーボード上の集積回路(IC)に傷がないかもチェックしてみてください。
また、スペースが狭いケースでは、ポートに無理な力がかかることで繊細な部品が損傷することがあります。静電気放電(ESD)は物理的な痕跡を残しませんが、SATAケーブルの不適切な抜き差しは、はっきりと分かる損傷の痕跡を残すことがあります。
加えて、組み立て中にハードディスクの問題に遭遇した場合は、SATAポートや接続部分を含む、ドライブに関連するすべてのサブシステムに原因がある可能性があります。
マザーボードのコンデンサは、CMOSバッテリーを取り外した後でもしばらく電流を供給し続けることがあります。では、なぜマザーボードにバッテリーが必要なのでしょうか?
それは、マザーボード内のメモリが設定内容を保持するために、絶え間ない電力の供給を必要とするからです。しかし、その設定こそが起動失敗の原因になっている場合は、電流の流れを遮断してメモリをクリアする必要があります。
3. マザーボードをリセットする
問題がマザーボードのソフトウェア側にある可能性もあります。POSTできない(BIOS/UEFIにアクセスできない)場合は、次の3つの選択肢があります。
1つ目はCMOSバッテリーを取り外すこと。2つ目はジャンパーを数分間取り付けること。3つ目はジャンパーを取り付けたままCMOSバッテリーを外し、一晩待つことです。
- CMOSバッテリーの取り外し:最も手軽な方法です。コインサイズのCMOSバッテリーを取り外し、10分ほど待ちます。これでマザーボードが出荷時設定に戻るはずです。
- ジャンパーリセット:マザーボードの2ピンまたは3ピンのコネクタにジャンパーを取り付けます。指定された2本のピンに、10分間ジャンパーをかぶせてください。
- ディープリセット:CMOSバッテリーを取り外し、ジャンパーをマザーボードの指定位置にかぶせます。そのまま一晩放置して、残留電力を完全に放出させましょう。
上記のいずれかの方法で、問題はすぐに解決できるはずです。ただし、どうしても自分で解決できない場合は、最終手段としてサービスセンター(メーカーのサポート窓口)に相談しましょう。
やりがちなミスのチェックポイント
必要な手順をすべて試しても問題が解決しない場合は、以下の原因を疑ってみてください。
- 静電気放電(ESD):適切な保護具を身につけていない、または手順を誤ると、静電気放電が起こることがあります。
- CPUピンの曲がり:出荷時点でピンが曲がっているマザーボードもあります。気づかずにCPUを挿入すると、ピンがさらに損傷します。
- マザーボードの反り:基板をケースに固定するネジを強く締めすぎると、基板が反って修復不能になることがあります。
- メモリの不完全な装着:メモリが奥まで正しく挿さっていないと、システムはPOSTに失敗します。
返品・RMA・返金について知っておくべきこと
残念ながら、多くの販売店はマザーボードの返品に対してあまり良い対応をしていません。これは、ユーザーが破損させた製品や、実際には何の問題もなかったマザーボードが大量に返送されてきたことへの対応と言えます。
実店舗を構える企業の多くはマザーボードの返品を受け付けていますが、ネットショップの多くは返品条件が制限されているか、返品不可となっています。購入前に必ず返品ポリシー、特にマザーボードに関する記述をよく読んでおきましょう。
例えば、海外通販サイトNeweggのマザーボード返品ポリシーについては、多くの不満が寄せられています。
マザーボードのトラブルシューティングは意外と簡単
マザーボードの問題解決に必要なのは、たった3つの基本ステップだけです。1つ目は、基板に物理的な損傷がないか確認すること。2つ目は、ケーブル類が正しく接続されているか確認すること。3つ目は、BIOS/UEFIをリセットすることです。
マザーボードの不具合の特定は難しいこともありますが、この3つのシンプルなステップで解決への道が開けるはずです。それでも直らない場合は、返品ポリシーが充実した販売店で購入していれば、返金またはマザーボードの交換を受けられる可能性があります。
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