Scanpst.exeが動かない・エラーが出る時の対処法|Outlook PSTファイル修復の完全ガイド
MS Outlookは、企業や組織で最も広く利用されているメールプラットフォームの一つです。このプラットフォーム上では、メール、添付ファイル、カレンダー、メモなどのすべてのデータが、PST(個人用フォルダ)ファイル形式で保存されています。
しかし、PSTファイルはマルウェア感染や停電による電源遮断などを原因として破損することがあります。ファイルが破損するとアクセスできなくなり、大切なメールやデータが失われてしまったように感じてしまうでしょう。
こうした破損ファイルへのアクセスを取り戻すために役立つのが、MS Outlookに無料で同梱されているユーティリティ「Scanpst.exe」です。
Scanpst.exeとは?
「受信トレイ修復ツール(Inbox Repair Tool)」とも呼ばれるScanpst.exeは、Microsoftが提供する公式ユーティリティで、OutlookやWindows Mailの問題を修復するために使用できます。PSTファイル内のエラーをスキャンし、破損したファイルやフォルダを削除・修復することで、メールボックスの不具合を解消してくれます。
Scanpst.exeの場所
Windows 10/11環境でのscanpst.exeは、MS Outlookアプリケーションのインストールフォルダ内に格納されています。一般的な保存場所は以下の通りです。
- Office 2016以降(64bit版):
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16 - Office 2016以降(32bit版):
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16
見つからない場合は、エクスプローラーの検索ボックスやスタートメニューの検索で「SCANPST.EXE」と入力すれば簡単に探せます。
Scanpst.exeの使い方
破損したPSTファイルを修復したい場合は、以下の手順に従ってScanpst.exeを実行してください。
- 破損したPSTファイルをソースからコピーし、ローカルフォルダなど安全な場所にバックアップを保存します。
- Scanpst.exeを起動します。Microsoft Outlookと同じフォルダ内にあります。
- スタートメニューを開き、「検索」フィールドにカーソルを合わせます。
- 「scanpst.exe」と入力し、最も関連性の高いファイルをダブルクリックします。
- スキャンしたいファイル名を入力します。
- 「開始」ボタンを押してスキャン処理を開始します。エラーがなくなるまで、何度か「開始」を押す必要がある場合があります。
- 修復が完了したら、PSTファイルを「修復済み」であることが分かるように名前を変更しておきましょう。
Microsoft製の他のユーティリティと同様に、Scanpst.exeもトラブルが起こることがあります。PSTファイルの修復に失敗し、次のようなエラーメッセージが表示されるケースがあります。
- scanpst.exe missing(scanpst.exeが見つかりません)
- scanpst.exe not responding(scanpst.exeが応答しません)
- cannot find scanpst.exe(scanpst.exeを検出できません)
Scanpst.exeがPSTファイルを修復できない理由
このツールがPSTファイルの修復に失敗するのには、いくつかの理由があります。主なものを以下に挙げます。
- PSTファイルの深刻な破損 – 破損があまりに深刻な場合、このツールでは修復できません。Scanpst.exeには修復能力の限界があり、それを超える破損には対応できません。
- ファイルサイズの上限 – このツールが修復・復元できるのは、2GB以下のPSTファイルのみです。2GBを超えるファイルを修復しようとすると、「Scanpst.exe is not working(Scanpst.exeが動作しない)」というエラーが表示されます。
- 読み取れない内容が削除された – 何度試しても修復できない場合は、ファイルの内容自体が削除されている可能性があります。
- パスワードで保護されたPSTファイル – PSTファイル自体にパスワード保護が設定されている場合も、修復に失敗することがあります。
Scanpst.exe使用時に問題が発生した場合の対処法
メールにトラブルが発生し、Scanpst.exeでも復旧できない状況は非常にストレスが溜まるものです。ここでは、業務のダウンタイムを避け、同僚やクライアント、友人、家族からの重要なメッセージを見逃さないために試せる対処法を9つ紹介します。
対処法1:チェックディスク(chkdsk)ユーティリティを実行する
チェックディスクは、ハードディスクの潜在的なエラーや破損を確認できるWindows標準ツールです。完了まで時間がかかることもありますが、大量のデータを扱っているPCなら実行する価値があります。
このユーティリティを使って問題を解決するには、まず何がどこで起きているのかを特定し、その後以下の手順に従います。
- スタートメニューを開き、「コマンドプロンプト」を検索します。
- 右クリックして「管理者として実行」を選択し、完全な管理者権限で起動します。
- コマンドラインに「chkdsk /f」と入力し、Enterキーを押します。
- 画面の指示に従ってスキャン処理を進めます。
- スキャンが完了したらデバイスを再起動し、再度Scanpst.exeを実行してみてください。
対処法2:ドライブに問題がないか確認する
システムドライブ自体に問題が発生していると、Scanpst.exeの実行にも支障が出ることがあります。その場合は、以下の手順でドライブの状態を確認しましょう。
- 「スタート → コンピューター → C:/ → プロパティ」の順に開きます。
- 「ツール」タブに移動し、「チェック」ボタンをクリックします。
- 新しいダイアログボックスが開いたら、両方のオプションを選択して「開始」を押します。
- 処理が完了するのを待ち、その後もう一度Scanpst.exeを使用してみてください。
対処法3:PSTファイルを別の場所へ移動する
別の解決策として、対象のPSTファイルを同じOutlookバージョンがインストールされた別のPCへ移動する方法もあります。手順はシンプルで、PSTファイルを別のデバイスに移すだけです。その後、Scanpst.exeを実行してエラーが解消されたかどうかを確認してください。
対処法4:別のOfficeアプリからScanpst.exeを開く
あまり知られていませんが、Scanpst.exeは他のMicrosoft Officeアプリから開くことも可能です。以下の手順を試してみてください。
- Microsoft Wordを起動します。
- 「ファイル → 開く → 参照」の順に進みます。
- 「挿入」→「図」をクリックします。
- 「C:\Program Files\WindowsApps」と入力します。
- 「Office.Desktop.Outlook_####.####.####.#_x86__8wekyb3d8bbwe」というフォルダを開きます。フォルダ名に「neutral」という単語が含まれるものはクリックしないでください。
- 「Office16」フォルダを開きます。
- ウィンドウ右下のドロップダウンメニューを「すべてのファイル」に設定します。
- exeファイルを右クリックします。
- 「開く」を選択します。これでScanpst.exeが正常に動作するはずです。
対処法5:Scanpst.exeクライアントを更新する
Scanpst.exeはMS Outlookプログラムの一部です。そのため、Outlookに保留中の更新がある場合は、インストールしておきましょう。
MS Outlookの更新プログラムをインストールする手順は以下の通りです。
- Outlookアプリケーションを起動します。
- 「ファイル」→「アカウント」の順にクリックします。
- 「製品情報」セクションに移動し、「更新オプション」を選択します。
- 「今すぐ更新」ボタンをクリックします。「今すぐ更新」が表示されない場合は、先に「更新を有効にする」をクリックする必要があるかもしれません。
- Outlookが最新であることを示すメッセージが表示されたら、メニューを閉じます。
対処法6:Microsoft Outlookを再インストールする
Outlookの更新でも問題が解決しない場合は、Outlook自体のインストールが破損している可能性があります。その場合は再インストールすることで問題が解消されるかもしれません。手順は以下の通りです。
- スタートメニューを開き、「コントロールパネル」を検索してクリックします。
- 「プログラムの追加と削除」をダブルクリックすると、デバイスにインストール済みのアプリケーション一覧が表示されます。
- 「Microsoft Office」を探してクリックします。
- 「変更」ボタンをクリックし、インストールウィザードが読み込まれるのを待ちます。
- 「再インストール」または「修復」オプションを選択し、「次へ」をクリックします。
- 「Officeの再インストール」を選択して「インストール」をクリックします。
- インストール手順が完了したら「OK」ボタンを押します。
対処法7:PSTファイルのサイズを縮小する
Scanpst.exeが何度も失敗する場合は、他の要因も確認しましょう。前述の通り、PSTファイルのサイズが大きすぎるとツールが正常に動作しないことがあります。以下の手順でファイルサイズを減らしてみてください。
- MS Outlookを開き、不要なメールをすべて削除します。
- 「削除済みアイテム」フォルダも空にします。
- 「ファイル → アカウント設定」の順に進みます。
- 「データファイル」タブを開き、圧縮したいデータファイルを選択します。
- 「設定」をクリックし、「詳細設定」タブに移動します。
- 「Outlookデータファイルの設定」を選択します。
- 「今すぐ最適化」ボタンを押して「OK」をクリックします。
- PSTファイルのサイズを縮小した後、もう一度Scanpst.exeを実行します。
対処法8:Outlookをセーフモードで実行する
MS Outlookは、余計なプロセスなしで起動することもできます。このモードは文字どおり「セーフモード」と呼ばれます。セーフモードでOutlookを起動すると、問題の特定や診断がしやすくなり、Scanpst.exeもセーフモードなら正常に動作するかもしれません。
Outlookをセーフモードで起動する手順は以下の通りです。
- スタートメニューを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
- テキストフィールドに「Outlook.exe /safe」と入力し、「OK」をクリックします。これでOutlookがセーフモードで起動します。
対処法9:Microsoft Support and Recovery Assistantを使用する
ご存じない方も多いかもしれませんが、MicrosoftはOfficeの問題をスキャン・修復するための専用ツール「Microsoft Support and Recovery Assistant」を提供しています。
Windows 10/11向けのMicrosoft Support and Recovery Assistantは、Windows PCのトラブルシューティングを支援するプログラムです。OS自体の問題や、その上で動作するソフトウェアの問題を修正できるほか、不要なファイルや設定のクリーンアップ、アプリの最適化などを通じて、PCのパフォーマンス改善のための提案まで行ってくれます。Scanpst.exeに関連する問題の解決にも活用できます。
ダウンロードと使用の手順は以下の通りです。
- Microsoft公式サイトからツールをダウンロードします。
- サイトの指示に従ってダウンロードを完了させます。
- Microsoftの規約を読み、「同意する」ボタンをクリックします。
- 問題のあるアプリを選択して「次へ」を押します。
- 発生している問題を選択します。
- 「次へ」をクリックします。
- ツールの指示に従って操作を進めます。
まとめ
Scanpst.exeはOutlookのPSTファイルを修復できる便利なツールですが、必ずしも成功するとは限らず、根本的な問題を解決できないこともあります。そのような場合は、Officeアプリの更新や、Outlookを含むMicrosoft Officeスイート全体の再インストールといった追加の対策が必要になるでしょう。
それでも解決しない場合は、添付ファイルなど今後必要のないメールをアーカイブしてPSTファイルのサイズを縮小するのも有効な選択肢です。
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