Chromiumがアンインストールできない? 正規版・マルウェア版それぞれの完全削除ガイド
一般的な方法でChromiumをPCからアンインストールできないという報告が寄せられています。これはインストール時の不具合の可能性もありますが、多くの場合、フリーソフトやシェアウェアに同梱されている「偽のChromiumパッケージ(マルウェア)」が原因です。

この記事では、正規版のChromiumとマルウェアに感染した偽Chromiumの両方を確実にアンインストールするための手順を解説します。
Chromiumとは?
Chromiumは、Googleが開発した正規のオープンソースブラウザプロジェクトであり、Google Chromeの基盤となっています。見た目や操作感はChromeとほぼ同一ですが、Chromeには独自の機能改善やコーデック対応、自動更新機能などが追加されています。
オープンソースであるため、誰でもソースコードを入手・改変してブラウザとして再コンパイルできます。この仕組みを悪用し、悪意あるコードを紛れ込ませた偽Chromiumが出回っているのが現状です。
なお、正規版のChromiumビルドの多くはポータブル版(インストール不要)として配布され、自動的にスタートアップに登録されたり、他のソフトとバンドルされたりすることはありません。インストーラー形式で配布されている派生プロジェクトも一部存在しますが、クリーンなビルドであれば上記のような挙動はしません。
Chromiumがもたらす潜在的なセキュリティリスク
Chromium自体は無害であり、セキュリティ脅威ではありません。しかし、オープンソースであることを悪用し、マルウェア作者が感染版を作成し、ユーザーを騙してインストールさせるケースが後を絶ちません。
感染版Chromiumの主な目的は、アドウェアのインストール、特定サイトへのリダイレクト、オンライン行動の追跡、さらなる感染ソフトのダウンロード誘導などです。
幸い、マルウェア感染版Chromiumは見分けやすい特徴があります。以下の症状に心当たりがある場合は、感染版の可能性が高いです。
- 身に覚えのないChromiumがPCに存在する(他ソフトのインストール時に勝手に入り込む)
- 勝手にデフォルトブラウザがChromiumに変更される
- 「コントロール パネル」>「プログラムと機能」にChromiumが表示されず、通常の手順でアンインストールできない
- デフォルト検索エンジンが怪しいプロバイダーに書き換わる
- ブラウジング中に頻繁にリダイレクト、ポップアップ、新規タブが発生する
- PCの起動が極端に遅くなり、動作が重くなる
- ブロックできない広告ポップアップや通知が表示され、追加ソフト(マルウェア)のダウンロードを促される
上記の症状がある場合、放置すると深刻なトラブルに発展する恐れがあります。マルウェア活動が確認されている主なChromium系ブラウザ名は以下の通りです(これらは正規のChromiumとは無関係です)。
- BoBrowser
- Chedot
- eFast
- BrowseAir
- MyBrowser
- Olcinium
- Palikan
- Tortuga
- Qword
- WebDiscover Browser
注意: これは一部のリストに過ぎません。正規のChromiumと全く同じアイコン・名称・メニューを装ったクローンも多数存在します。
お使いのChromiumがマルウェアかどうかを判別する
Chromiumがアンインストールできない場合、まず正規版かマルウェア版かを特定しましょう。手っ取り早いのは タスクマネージャー (Ctrl + Shift + Esc) を開き、[プロセス] タブでChromiumのプロセス数を確認する方法です。

注意: 複数のChromiumプロセスが高CPUリソースを消費している場合、マルウェア感染の強い兆候です。この状況であれば、最初の2つの方法(正規版向け)をスキップし、方法3(手動マルウェア削除)から実行してください。なお、正規のChromeでも複数プロセスが動く仕様のため、リソース使用量が低ければ正規版の可能性もあります。
タスクマネージャーでChromiumプロセスが1つのみ(リソース使用量も少ない)であれば、正規版の可能性があります。その場合は方法1から順に試してください。
Chromiumを強制的にアンインストールする手順
方法1:コントロール パネルからアンインストールし、AppDataフォルダを削除する
正規版Chromiumでも、アンインストール後にスタートアップで起動し続けたり、完全に削除できなかったりする既知の不具合があります。これはマルウェアではなく、単なるバグです。対処はAppDataフォルダ内の残骸を手動で削除します。
注意: すでに「プログラムと機能」からアンインストール済みの場合は、手順1〜2をスキップしてください。
- Windowsキー + R で「ファイル名を指定して実行」を開き、
appwiz.cplと入力してEnter。[プログラムと機能] が開きます。

- 一覧から Chromium を探し、右クリック>[アンインストール] を選択。画面の指示に従って削除します。
注意: 再起動後、システムトレイにChromiumアイコンが残っていれば次の手順へ進みます。 - エクスプローラーで
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Localに移動します。
注意: AppDataフォルダが見えない場合は、隠しフォルダの表示設定が必要です。Win+R で control.exe foldersを実行し、[表示] タブで [隠しファイル、隠しフォルダ、隠しドライブを表示する] を有効にして [適用] してください。

- AppData\Local 内の Chromium フォルダを完全に削除し、ゴミ箱も空にします。
注意: 「フォルダが使用中」エラーが出る場合、Chromiumがバックグラウンドで動いています。システムトレイのアイコンを右クリック>[終了] で完全に閉じてから再試行してください。
PCを再起動し、Chromiumの痕跡が消えたか確認してください。残っていれば方法2へ進みます。
方法2:アンインストーラー専用ソフトを使用する
Chromiumのパッケージによってはバグで正常にアンインストールできないことがあります。方法1で失敗した場合は、専用のアンインストーラーツールを試しましょう。
有名どころでは IObit Uninstaller、Revo Uninstaller、CCleaner などがあります。お好みのツールをお使いください。ここではIObit Uninstallerを例に手順を示します。
- IObit Uninstallerを公式サイトからダウンロード・インストールします。インストール時は「カスタム インストール」を選び、不要なバンドルソフトを入れないよう注意してください。
- IObit Uninstallerを起動し、左ペインの [すべてのプログラム] をクリック。右ペインの一覧から Chromium を探し、ゴミ箱アイコンをクリックします。

- [残存ファイルを自動的に削除] にチェックを入れ、[アンインストール] ボタンを押します。

完了後、再起動して痕跡が消えたか確認してください。まだシステムトレイアイコンやタスクマネージャーのプロセスが残っている場合は、マルウェア感染の可能性が高いため、以下の方法3・4に進んでください。
方法3:Chromiumマルウェアを手動で削除する
Chromium派生マルウェアには「再生能力」があり、不完全な削除だと再感染します。また、システムリソースを大量に消費し、放置するとPCの動作がどんどん重くなります。
方法1・2が効かない、またはタスクマネージャーで複数のChromiumプロセス(高CPU)を確認した場合は、マルウェア感染と判断し、以下の手順で徹底的に駆除してください。
注意: マルウェアの亜種によってフォルダ名やファイル名は異なる場合がありますが、削除の流れは共通です。
- タスクマネージャー (Ctrl+Shift+Esc) の [プロセス] タブでChromium関連プロセスを特定し、任意のプロセスを右クリック>[ファイルの場所を開く] を選択します。

- マルウェアの実体フォルダが開きます。削除する前に、タスクマネージャーで すべてのChromiumプロセスを右クリック>[タスクの終了] で強制終了させます。これをしないと「ファイルが使用中」で削除できません。
注意: これらのプロセスは時間経過で自動復活するため、終了後は素早く次の手順へ進んでください。 - 全プロセス終了後、マルウェアフォルダに戻り、メインの実行ファイル(多くの場合 Explore.exe など)を削除します。これがマルウェアの核心部分です。
注意: 右クリック>[削除] が効かない場合は、ゴミ箱にドラッグ&ドロップしてください。 - 実行ファイル削除後、同じフォルダ内の残りファイルもすべて削除し、フォルダごと (例: Explore フォルダ) を削除します。中身を空にしないとフォルダごと削除できません。

- さらに階層を上がり、残骸の Data フォルダを削除し、Local フォルダまで戻ります。

- 最後に Local 直下の Games Bot フォルダ(または怪しい名前のフォルダ)を削除します。

- ゴミ箱を空にし、PCを再起動します。次回起動時にはChromiumマルウェアの痕跡が消えているはずです。
この方法で解決しても、念のため方法4も実行し、完全な駆除を確実にしてください。
方法4:マルウェアの残骸(レジストリ等)をスキャンで除去する
このマルウェアは再生能力が高く、ファイル削除だけではレジストリエントリなどから再ダウンロード・再感染する恐れがあります。長期間感染していた場合は他のプロセスにも影響が及んでいる可能性があります。
徹底的に駆除するため、信頼できる対マルウェアツールでフルスキャンを実行します。無料で高機能な Malwarebytes を推奨します。
- Malwarebytesを公式サイトからダウンロード・インストールします。
- Malwarebytesを起動し、左メニューの [スキャン] を選択。[脅威スキャン] を選び [スキャン開始] をクリックします。

- スキャン完了まで待ちます(システムにより数時間かかる場合があります)。
- 完了後、[検出された脅威を表示] をクリックし、すべての脅威にチェックが入っていることを確認して [選択項目を隔離] を実行します。

- 結果に関わらず、最後にもう一度PCを再起動してください。次回起動時にはChromiumマルウェアのあらゆる痕跡が消去されているはずです。
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