M1 Macを初期化(工場出荷時の状態に戻す)する方法【macOS別・起動しない場合の対処法つき】
Appleシリコン搭載Macは、Intel製Macと比べてパフォーマンスと電力効率が大幅に向上し、よりスムーズで快適な操作体験を実現しました。
しかし、何らかの理由でM1搭載のMacBook・iMac・Mac miniを初期化(工場出荷時の状態に戻す)したい場面があります。主なケースとしては以下が挙げられます。
- Macをまっさらな状態で使い直したい
- 画面のちらつきなど、現行のmacOSで不具合や動作不良が発生している
- Appleに修理・交換に出す必要がある
- 売却や譲渡に向けてMacを準備したい
- M1 Macが起動しなくなった
一般的に、Macの初期化は「内蔵起動ディスクの全データ消去」と「macOSの再インストール」という2つの工程で構成されます。ただし、Appleシリコン搭載Macの消去手順はIntel搭載Macとは異なり、さらにMacが正常に起動できる状態か、いわゆる「文鎮化」した状態かによっても方法が変わります。ここでは、M1 Macの初期化手順を詳しく解説します。
目次
- 起動可能なM1 Macを初期化する方法
- 起動しない(文鎮化した)M1 Macを復旧・初期化する方法
- まとめ
起動可能なM1 Macを初期化する方法
AppleはmacOSのバージョンアップごとにユーザー体験の向上を目指しています。最新のmacOS Monterey以降をインストールしていれば、2018年以降のMac向けの新機能「すべてのコンテンツと設定を消去」を使って、簡単にMacを初期状態へ戻せます。それ以前のmacOSの場合は、ディスクユーティリティを使った消去方法をご覧ください。
注意: 初期化を始める前に、Mac上の重要なファイルは必ずバックアップしておきましょう。
macOS Monterey以降の場合:「すべてのコンテンツと設定を消去」を使う
- Appleメニュー > システム環境設定 を開く
- メニューバーの「システム環境設定」をクリック
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択
- 管理者パスワードを入力し、「OK」「続ける」をクリック
- 求められたらTime Machineでバックアップを作成
- 警告内容を読み、「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択
- Wi-Fiネットワークを選択してMacをアクティベートし、「再起動」をクリック
- 再起動後、セットアップアシスタントに従ってMacを設定
macOS Montereyの新しい消去プロセスは、ドライブ上のすべてのアカウントとボリュームにわたる設定、メディア、アプリ、データを一括して消去します。対象にはiCloud、Apple ID、Touch IDの指紋情報、Bluetoothデバイス、Apple Walletなども含まれますが、現在インストールされているOS自体はそのまま残ります。この機能により、macOSを再インストールすることなくMacを初期化できます。
macOS Big Sur以前の場合:リカバリーモードとディスクユーティリティを使う
- FileVaultを有効にしている場合は、あらかじめオフにしておく
- MacをmacOSリカバリーモードで起動:Macを再起動し、電源ボタンを押し続けて「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ちます。通常のリカバリー画面が表示されない場合は、フォールバックリカバリーOSを利用します
- 「オプション」を選択し、「続ける」をクリック
- 求められたらユーザーを選択し、管理者パスワードを入力
- macOSユーティリティ画面から「ディスクユーティリティ」を選択して「続ける」をクリック
- サイドバーから、起動ディスク(デフォルトでは「Macintosh HD」)に追加したボリュームを選択して削除
- 「Macintosh HD」を選択し、ツールバーの「消去」をクリック
- 名前とフォーマットを指定(macOS 10.13以降はAPFS、10.12以前はMac OS拡張)し、「消去」または「ボリュームグループを消去」(表示される場合)をクリック
- 再起動後、画面の案内に従って言語を選択し、Wi-Fi接続でMacをアクティベート
- アクティベーション完了後、「macOSリカバリーユーティリティを終了」をクリック
続いて、以下のいずれかの方法でmacOSをインストールすれば、M1 MacBook Airの初期化は完了です。
- macOSユーティリティ画面の「macOSを再インストール」ユーティリティを使い、消去前に使用していたバージョンのmacOSを再インストールする
- 事前に作成しておいたmacOSのブータブルインストーラー(USBインストールメディア)からMacを起動してインストールする
- 正しい手順を把握している上級者であれば、ターミナルからmacOSを再インストールする
起動しない(文鎮化した)M1 Macを復旧・初期化する方法
無料のmacOSユーティリティ「Apple Configurator 2」も、Mac mini M1などの初期化に有効な手段です。以下のようなトラブルの解決に役立ちます。
- macOSアップグレード中の電源断により、Macが応答しなくなった
- 起動ボリュームからもmacOSリカバリーボリュームからもMacを起動できない
M1 MacBook AirをはじめとするAppleシリコン搭載Macを初期化するには、以下のものが必要です。
- 最新版のApple Configurator 2がインストールされた、もう1台の正常なMac
- 新型Mac用のUSB-C-USB-Cケーブル、または旧モデル用のUSB-A-USB-Cケーブル(電力とデータの両方に対応したもの)
- 作業中は2台目のMacのインターネット接続と電源を確保し続けること
準備が整ったら、以下の手順に進みましょう。
- 障害が発生したMacを、USB-Cポート経由で2台目のMacにケーブルで接続
- 2台目のMacでApple Configurator 2を起動
- 以下の特別なキー操作でMacをDFUモードで起動(問題のあるMac側には画面表示は一切現れません)
MacBook Air / MacBook Proの場合: 電源ボタンを押し続けながら、Control+Option+Shiftを同時に10秒間押し続けます。その後も電源ボタンは押し続け、2台目のMacのApple Configurator 2にDFUアイコンが表示されるまで待ちます。
Mac miniの場合: Mac miniの電源を10秒間切り、再度電源を接続します。ステータスインジケーターランプがオレンジ色になったら、すぐに電源キーを押し続けます。
iMacの場合: iMacの電源を切り、USB-Cケーブルをスタンドに最も近いThunderboltポートに接続します。その後電源を再接続し、すぐに電源キーを約3秒間押し続けます。
Apple Configurator 2では、M1 Macに対して「復活(Revive)」と「復元(Restore)」という2種類の操作が可能です。
復活(Revive): ファームウェアとリカバリー用macOSを最新バージョンに更新します。起動ボリューム、ユーザーデータボリューム、その他のボリュームには一切変更を加えません。
復元(Restore): ファームウェアを復元し、すべてのデータを消去したうえで、最新版のmacOSリカバリーとmacOSを内蔵ストレージに再インストールします。
そのため、M1 MacBook Air / Pro / iMac / Mac miniをどの程度の深さでリセットしたいか(既存データを保持するか消去するか)に応じて、Apple Configurator 2でそれぞれ異なる手順を実行してください。
注意: 処理中にどちらかのMacの電源が切れると、復活または復元の操作を最初からやり直す必要があります。
文鎮化したM1 Macを復活(Revive)させる
- 2台目のMacのApple Configurator 2で、macOSアップデート失敗後に起動しなくなったM1 Macを選択
- 対象のMacを右クリックし、「詳細」>「デバイスを復活」を選択して「復活」をクリック
- 処理が完了するまで待機
- Appleロゴが表示されて消えた後、Macが正常に再起動します
- Apple Configurator 2を終了し、ケーブルを抜く前に、すべてが正常に動作していることを確認
文鎮化したM1 Macを復元(Restore)する
- 2台目のMacのApple Configurator 2で、対象のMacを選択
- Macを右クリックし、「操作」>「復元」を選択して「復元」をクリック
- 障害のあるMacで初期化作業が完了するまで待機
- Appleロゴが表示されて消えた後、自動的に再起動します
macOS Montereyのダウンロードとインストールには約20~30分かかります。完了すると工場出荷時のセットアップ画面が表示されるので、Apple Configurator 2を終了し、アダプタやケーブルを取り外しましょう。
まとめ
初期化(工場出荷時の状態へのリセット)は、M1 Macをまっさらな状態で使い始めるための最も簡単な方法です。起動ディスクの破損、ファームウェアの不具合、macOSアップデートの失敗などでMacが起動しなくなった場合にも有効です。また、Macを譲渡や下取りに出す前に個人データを確実に消去するための最も効率的な手段でもあります。
ただし、後になってデータが必要になる可能性に備え、必ずリセット前にバックアップを取っておきましょう。加えて、一部のユーザーから報告されているM1 MacのSSD過剰摩耗にも注意が必要です。SSDの過度な使用によって寿命が近づいたデバイスは、リセットしても復活しません。
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