【2020年版】Macターミナルで使えるコマンドと便利テクニック完全ガイド
Macのターミナルとは?
MacOSのユーザーの中には、ターミナルやそのコマンドに苦手意識を持つ方もいるかもしれません。Macでターミナルを起動すると、まるでシステムにハッキングしているような見た目に感じることもあるでしょう。もちろん実際はそうではありませんが、Macのターミナルコマンドを理解することは、MacOS環境を自在に操るための大きな武器になります。
ターミナルは端末エミュレータとして動作し、テキストベースでオペレーティングシステムにアクセスできるツールです。コマンドに慣れていれば、GUIよりも素早くシステムを操作できます。基本的な使い方をマスターすれば、より複雑な作業にも挑戦でき、ターミナルの操作自体が楽しく感じられるようになるはずです。
ターミナルを使いこなせるようになったからといって、すぐにITスペシャリストになれるわけではありませんが、その道を目指すのであれば、確実な第一歩となるでしょう。
Macでターミナルを開く方法
ターミナルアプリケーションは「アプリケーション」フォルダ内の「ユーティリティ」フォルダに格納されています。アクセス方法はいくつかあります。
Finderで以下の場所へ移動してください。
アプリケーション > ユーティリティ > ターミナル
もうひとつの方法がSpotlight検索です。「command(⌘)」キーと「スペース」キーを同時に押すとSpotlight検索バーが表示されるので、「ターミナル」と入力し、候補の一番上を選択しましょう。
どちらの方法でもMacのコマンドプロンプトが起動し、黒いウィンドウが表示されます。

ターミナルの設定によって見た目は異なる場合があります。まずは自分好みの外観に調整しておくのがおすすめです。テーマを変更すれば簡単にカスタマイズできます。
ターミナルを開いた状態で、上部メニューバーの「ターミナル」から「環境設定」を選択します。

環境設定メニュー内の「プロファイル」タブへ移動します。

ここでは、背景色、文字色、フォントなど、ターミナルの外観を自由にカスタマイズできます。
ターミナルを使う前に知っておくべきポイント
ターミナルの操作は、GUIアプリケーションの操作ほど直感的ではないかもしれません。そのため、学習を始める前に押さえておくべき基本事項があります。
ターミナルではキーボードとマウスによる直接操作はできません。矢印キーを使って操作します。入力したコマンドを編集したい場合は、左右の矢印キーでカーソルを移動させ、修正したい位置まで移動します。
過去に入力したコマンドを再度使いたい場合は、上下の矢印キーで履歴をたどり、目的のコマンドを選択できます。同じコマンドを何度も打ち直す必要がなくなり便利です。
コマンドは表示されている通りに正確に入力する必要があります。1文字、1つのスペース、1つの記号まですべて重要です。一文字でも欠けると予期しない結果になることがあります。
コマンドを入力したら、「return(Enter)」キーを押して実行します。実行中のコマンドを中断したい場合は「command(⌘)+ C」を同時に押せば、処理を停止できます。
ターミナルで実行するコマンドは、現在いるファイルの場所(カレントディレクトリ)に対して作用します。場所を変更したい場合は、後述するコマンドを使用します。
Macターミナルコマンド一覧
ターミナルで使えるコマンドは非常に多く存在します。ここでは、ターミナルをマスターするうえで知っておくべき、特によく使われるMacOSのターミナルコマンドに絞って紹介します。
基本コマンド
どのコマンドにも共通して使える機能がいくつかあります。
| man [コマンド] | コマンドの意味や特定のパラメータの役割が分からないとき、マニュアル(man)ページが必要な情報をすべて提供してくれます。 |
| . | 現在のディレクトリ。ディレクトリの場所を指定する場面では、現在いるディレクトリを指します。 |
| .. | 親ディレクトリ。ディレクトリの場所を指定する場面では、現在のディレクトリの上位階層を指します。 |
| * | ワイルドカード。条件に一致する任意の対象を表します。例えば「*.jpg」は拡張子がjpgのすべてのファイルを意味します。 |
| ~ | ホームディレクトリ。 |
| clear | ターミナルの画面をクリアします。 |
| sudo [コマンド] | 一部のコマンドはスーパーユーザー権限を必要とします。システムの管理者であれば、このコマンドで権限を取得できます。実行時には管理者パスワードの入力が求められます。 |
| history | ターミナルは入力したすべてのコマンドの履歴を保持しています。このコマンドで履歴を一覧表示できます。 |
| history -c | ターミナルのコマンド履歴を削除します。 |
ディレクトリ一覧表示コマンド
最も使用頻度の高いコマンド群です。フォルダの中身を確認したいときに非常に役立ちます。
| pwd | 作業中のディレクトリを表示します(現在のディレクトリのパスを出力)。 |
| ls | フォルダ内のファイルとサブディレクトリの名前を表示します。 |
| ls -l | 詳細形式で一覧表示します。ファイルモード、所有者、グループ名などの情報が含まれます。 |
| ls -al | 隠しファイルを含むディレクトリ内容を詳細に一覧表示します。 |
ディレクトリ移動コマンド
以下のコマンドで、現在作業しているディレクトリを変更できます。コマンドを実行したいディレクトリを選ぶ際に特に便利です。
| cd | ホームディレクトリへ移動します。 |
| cd [フォルダ名] | ディレクトリを変更します(移動先が現在のディレクトリ内にない場合は、完全なパスが必要です)。 |
| cd .. | 親ディレクトリへ移動します。 |
| cd ../.. | 2階層上へ移動します(「../」を追加すれば任意の階層数だけ上へ移動可能)。 |
| cd ~ | ホームディレクトリへ移動します。 |
ファイルとディレクトリの管理
ディレクトリやフォルダの作成・編集・削除の方法を見ていきましょう。
| mkdir <dir> | 現在のディレクトリ内に新しいサブディレクトリを作成します。 |
| mkdir <dir1> <dir2> <dir3> | 複数のディレクトリを一度に作成します。 |
| mkdir "<dir>" | 名前にスペースを含むフォルダを作成します。 |
| rm -R <dir> | ディレクトリとその中身を削除します。 |
| cp -R <dir> <"newdir"> | フォルダを、名前にスペースを含む別のフォルダへコピーします。 |
| touch <file> | 新しいファイルを作成します。 |
| nano <file> | ターミナル上で動作するファイルエディタを開きます。ターミナルから直接ファイルを編集できます。 |
| cp <file> <dir> | ファイルをディレクトリへコピーします。 |
| cp <file> <newfile> | ファイルを現在のディレクトリに<newfile>という名前でコピーします。 |
| rm <file> | ファイルを完全に削除します。システムから完全に消去されるため、使用には十分注意してください。 |
| rm -i <file> | 確認を取ったうえでファイルを削除します。 |
| mv <file> <newfile> | ファイルを別のファイルへ移動/ファイル名を変更します。 |
| mv <file> <dir> | ファイルをフォルダへ移動します(既存ファイルは上書きされます)。 |
| mv *.txt <dir> | 現在のフォルダ内のすべてのテキストファイルを別のフォルダへ移動します。 |
関連記事:Macでアプリを正しくアンインストールする方法
権限管理
ファイルやフォルダの権限を適切に設定することは、不正アクセスを防ぐために重要です。読み取り・書き込み・実行の各権限を、所有者・グループ・その他のユーザーに対して個別に付与できます。
ファイルの権限を確認するには、「ディレクトリ一覧表示コマンド」のセクションで紹介したls -lコマンドを使用します。これにより、すべてのファイルとフォルダが詳細形式で一覧表示され、左端の列に次のような表記が現れます。
rw-r--r-- または drw-r-xr-x
これは9文字のスロットで構成され、3文字ずつが所有者・グループ・その他のユーザーに対応しています。最初の例rw-r--r--では、所有者には読み取り(r)と書き込み(w)の権限があり、実行(x)権限はありません。グループとその他のユーザーには読み取り(r)権限のみが付与されています。
2番目の例drw-r-xr-xでは、通常の権限表記に加えて先頭に「d」があり、これがディレクトリであることを示しています。
コマンドの説明に進む前に、8進数による権限表記に慣れておく必要があります。
| 権限なし | 実行 | 書き込み | 書き込み+実行 | 読み取り | 読み取り+実行 | 読み取り+書き込み | 読み取り+書き込み+実行 |
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| --- | --x | -w- | -wx | r-- | r-x | rw- | rwx |
ターミナルでは、ファイルやディレクトリに8進数表記で権限を設定できます。利用できるコマンドを見てみましょう。
| ls -l | ファイルまたはディレクトリの権限を確認します。 |
| chmod 500 <file> | ファイルの権限を500(r-x------)に変更します。 |
| chmod -R 600 <dir> | フォルダとその中身の権限を600(drw-------)に変更します。 |
| chown <user> <file> | ファイルの所有者を変更します。 |
| chown <user>:<group> <file> | ファイルの所有者とグループの両方を変更します。 |
プロセス管理
ターミナルを使えば、システム上で現在実行中のプロセスを確認したり、リソースの使用状況を調査したり、プロセスを強制終了したりできます。これらのコマンドは、GUIアプリケーションである「アクティビティモニタ」の代替として機能します。
| ps -ax | システムで実行中のすべてのプロセスの詳細を表示します。PID(プロセスID)、経過時間、プロセス名、場所などの情報が含まれます。 |
| ps -ax | grep <アプリケーション名> | 指定したアプリケーションに関する情報を表示します。パイプ記号(|)は、最初のコマンドの出力をgrep関数への入力として渡します。 |
| top | システムで実行中のプロセスに関するリアルタイム情報を表示します。 |
| kill PID | ps -axコマンドでPIDを特定したら、このコマンドでプロセスを終了できます。 |
ネットワーク管理
上記の作業はGUIアプリケーションでも実行できますが、ネットワークの設定や情報収集を最も手軽に行えるのはターミナルです。
ネットワーク関連で役立つターミナルコマンドをいくつか紹介します。
| ifconfig | さまざまな用途がありますが、最も一般的なのはIPアドレスの確認です。 |
| ping <ホスト> | ホストへの接続可否をテストします。ホストにはネットワーク上のデバイスのIPアドレスやWebドメインを指定できます。 |
| netstat | 現在の着信・発信接続をすべて一覧表示します。 |
| whois <ドメイン> | ドメインのwhois情報を出力します。基本の連絡先情報、ネームサーバーなどが含まれます。 |
| arp -a | ローカルネットワーク上のアクティブなデバイスの一覧を表示します。すべてのデバイスのIPアドレスとMACアドレスが確認できます。 |
| traceroute <ホスト> | 重要なトラブルシューティングツールです。パケットが通過する経路を追跡します。ホストとの接続が確立できない場合、パケットが途絶える正確な位置を特定できます。 |
| curl -O <ファイルのURL> | ブラウザを使わずにインターネットからファイルをダウンロードしたい場合に、HTTP、HTTPS、FTPでのダウンロードが可能です。 |
検索コマンド
以下のコマンドを使えば、コマンドラインから簡単にMac内を検索できます。
| find <dir> -name <file> | 指定したディレクトリ内でファイルを検索します。 |
| find . -name "*.jpg" | 現在のディレクトリ内で拡張子がjpgのすべてのファイルを検索します。 |
ファイル形式の判別
拡張子だけではファイルの種類を判断できないことがあります。そんなときは、次のコマンドで正確なファイル形式を特定できます。
| file <file> | ファイルの種類を判定します。 |
まとめ
今回は、ターミナルで利用できる特に有用なコマンドをいくつか紹介しました。考えられるあらゆるタスクに対応できるコマンドが数多く存在します。すべてのコマンドを細部まで暗記するのは容易ではありませんが、上記で紹介した頻出コマンドには慣れておくことが大切です。
ITスペシャリストを目指すなら、ターミナルを使いこなせることは習得すべき最も基本的なスキルのひとつです。ターミナルの基礎はすでに身についたはずなので、さらに深く掘り下げて、ITツールボックスの中で最も強力な道具をマスターしていきましょう。
執筆:Shanika Wickramasinghe
Shanikaはソフトウェアエンジニアであり、情報技術の学位を持っています。専門分野はWebおよびモバイル開発です。macOS愛好家であり、知識を共有できるライティングを楽しんでいます。macOSに関するヒントやテクニックの発信も行っています。LinkedInで彼女とつながることができます。
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