Macの不調を切り分ける5つのステップ|ソフトウェアとハードウェアの見分け方
コンピュータは私たちの生活を大きく便利にしてくれますが、デジタルデバイスにトラブルはつきものです。ソフトウェアが不調を起こしたり、ハードウェアが故障したりと、Macには時々ひと手間のケアが必要になることもあります。
何か問題が起きたとき、解決への第一歩となるのが「切り分け」です。それがソフトウェアの問題なのか、ハードウェアの問題なのかを突き止めること。この記事では、Macのほぼあらゆるソフトウェア・ハードウェアエラーを切り分けるために実践できる5つの手順を詳しく解説します。
ソフトウェアとハードウェアの問題の違い
ソフトウェアとハードウェアの問題では求められる解決策が異なるため、自分が何に直面しているのかを把握することが非常に重要です。
ソフトウェアの問題の例
- アプリが起動しない
- エラーメッセージが繰り返し表示される
- アプリやOSが期待どおりに動作しない
- Macが起動プロセスを完了できない
- その他
ハードウェアの問題の例
- トラックパッドの挙動がおかしい
- ディスプレイの表示異常が続く
- キーボードのキーが反応しない
- 電源がまったく入らない
- その他
実際には、上記のソフトウェアの問題の中にもハードウェア起因のものがあり得ますし、その逆もあります。だからこそ切り分けが重要なのです。トラブルシューティングの結果、ソフトウェアの問題だと特定できれば、多くの場合は自分自身で対処できます。
一方、ハードウェアの場合は専門の修理業者が必要になることもあります。ただし、電源ケーブルや周辺機器、一部の内部パーツなどは自分で交換できるケースもあります。たとえば、一部のMacモデルではRAMの増設や交換も比較的簡単に行えます。
注意:トラブルシューティングを始める前に、必ずデータのバックアップを取り、すべてのソフトウェアを最新の状態にしておきましょう。場合によっては、ソフトウェアのアップデートだけで問題が解決することもあります。
1. 最近のシステム変更を確認する
突然問題が発生したときは、「何が変わったのか」を自問してみましょう。新しいアプリをインストールした、設定を変更した、周辺機器を追加した、あるいはデバイスをうっかり落としてしまった——こうした出来事のどれもが原因になり得ます。
さらに切り分けを進めるには、以下を試してみてください。
- 怪しいアプリケーションをアンインストールする
- 変更した設定を元に戻す
- 外付けドライブやカメラなど、不要な周辺機器をすべて取り外す
- その他の最近のシステム変更を取り消す
多くの場合、特定の操作と問題の発生との間に明確な因果関係があります。しかし残念ながら、原因の特定がそれほど簡単ではないことも少なくありません。そんなときこそ、次のステップ以降の出番です。
2. Apple Diagnosticsを実行する
ハードウェア不良の特徴がある問題を調査しているなら、Apple Diagnostics(旧:Apple Hardware Test)が便利なツールです。テスト完了後、問題がなければその旨が表示され、問題があればエラーコードが出力されます。このコードをAppleの公式データベースで照合すれば、具体的な問題を特定できます。
Apple Diagnosticsの実行手順はシンプルです。
- Macをシャットダウンする
- 不要な周辺機器をすべて取り外す
- Macを電源に接続する
- 通気性の良い、平らで安定した場所にデバイスを置く
- Intel搭載Macの場合:電源を入れ、プログレスバーが表示されるまでDキーを押し続ける。Apple Silicon搭載Macの場合:電源ボタンを押し続けて起動オプション画面を表示し、Cmd + Dを押すと診断プログラムが読み込まれる
テストが完了すれば、Macに明白なハードウェアの問題があるかどうかがわかります。
3. セーフモードで起動する
セーフモードは問題の原因を特定するのに非常に有効な方法です。この起動モードではスタートアップ項目やキャッシュが読み込まれないため、それらが原因の問題を切り分けるのに役立ちます。
Intel搭載Macでセーフモードに起動するには、起動中にShiftキーを押し続けるだけです。
Apple Silicon搭載Macでは手順が異なります。
- 電源ボタンを押し続けて起動オプション画面を表示する
- 起動ディスク(通常はMacintosh HD)をクリックして選択する
- Shiftキーを押し続けると、ドライブアイコンの下に「セーフモードで続行」が表示される
- 「セーフモードで続行」をクリックする
起動時にディスクチェックが行われるため、セーフブートは通常より時間がかかります。プログレスバーの進みが遅くても慌てる必要はありません。起動が完了すると、画面右上に赤字で「セーフブート」と表示されます。
セーフブートで問題が解決した場合、起動時またはログイン時に立ち上がる項目が原因である可能性が高いです。対処としては、ログイン項目やlaunch agentを削除してみましょう。また、セーフブートで問題が解消された場合は、システムキャッシュフォルダのクリアも効果的な手段です。
4. 新規ユーザーアカウントでテストする
問題が解決しない場合は、それがシステム全体に及ぶものなのか、特定のユーザーアカウントだけに影響するものなのかを判断する必要があります。最良の方法は、新しい管理者ユーザーアカウントを作成することです。作業が終われば削除できるので安心です。
新しい管理者アカウントの作成手順は以下のとおりです。
- システム環境設定 > ユーザとグループを開く
- 鍵アイコンをクリックしてロックを解除する
- プラス(+)ボタンをクリックする
- アカウントタイプで「管理者」を選択する
- 必要事項を入力して「ユーザを作成」をクリックする
これで、現在のユーザーからログアウトし、新しい管理者アカウントにログインできます。問題が再現するなら、システム全体に関わる問題だとわかります。逆に解決したなら、元のユーザーアカウント内の何が原因なのかを突き止める必要があります。
5. リカバリーパーティションから起動する
リカバリーパーティションは、メインOSの外側にある領域で、システム全体に関わる問題のトラブルシューティングに利用できます。ほとんどの場合、ソフトウェアの不具合がリカバリー領域にまで及ぶことはありません。しかし、ここでも問題が続くようなら、ハードウェアの故障である可能性が高いと言えます。
Intel搭載Macでリカバリーから起動するには、起動中にCmd + Rを押し続けるだけです。
Apple Silicon搭載Macでの手順は以下のとおりです。
- 電源ボタンを押し続けて起動オプション画面を表示する
- 「オプション」を選択する
- 「続ける」をクリックする
リカバリーパーティションからは、サウンド、キーボードとマウス、グラフィックス、Wi-Fiなど、システム全体に関わる基本的な問題のトラブルシューティングが可能です。また、Safariにもアクセスできるため、Web関連の問題の切り分けにも役立ちます。
前述のとおり、リカバリーパーティションにまで及ぶ問題はハードウェア起因である可能性が高く、修理が必要になるかもしれません。Apple Diagnosticsは優れたツールですが、すべての問題を検出できるわけではなく、さらなる分析が必要なケースもあることを覚えておきましょう。
切り分けの次に何をする?
ときには、ソフトウェアやハードウェアが私たちを裏切ることもあります。トラブルが発生したとき、問題を切り分ける方法を知っていることが重要です。多くの場合、不具合の原因は最近の変更にあり、新しく加えたシステムの変更を特定することが問題解決への近道となります。
ハードウェアの問題にはApple Diagnosticsが有効です。一方、ソフトウェアについては、セーフモードや新しい管理者アカウントが多くの問題の切り分けに役立ちます。さらに、リカバリーパーティションはシステム全体の不具合のトラブルシューティングに便利です。
ハードウェアの故障が確定したら、状況に応じてDIY修理か専門業者への依頼を選びましょう。また、どうしても解決しない頑固なソフトウェアの問題には、システムの完全な再インストールが必要になることもあります。とはいえ、どんな問題でも最初の一歩は切り分けです。この記事の手順を活用して、効率よく原因を特定してください。
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