Ubuntu 22.04 LTS / 22.10で静的IPアドレスを設定する方法|nmcli・netplan・GUIの3つの手順を完全解説

更新日:2023年8月29日(9:15 AM EDT)
執筆者のFatihは、フリーランスのセキュリティリサーチャー、ペネトレーションテスター、マルウェアアナリストとして活動しています。2017年以降、C、C++、Python、x86アセンブリを中心にさまざまな言語や技術に携わり、これまでに100社以上の大手企業の脆弱性を報告してきました。現在は、オペレーティングシステムとクラウドアーキテクチャを専門とするエンジニアとして研究を続けています。
今日、ほとんどのデバイスのIPアドレスは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバーによって自動的に割り当てられています。デバイスがネットワークに接続されるとDHCPサーバーから動的IPアドレスが付与され、状況に応じてこのアドレスは変化します。
一方、静的IP(スタティックIP)とは、固定された不変のアドレスのことです。動的IPとは異なり、常に同じアドレスを使い続けられます。Ubuntu 22.04 LTSおよび22.10では、静的IPを「nmcli」「netplan」「GUI」の3つの方法で設定できます。本記事では、それぞれの手順をわかりやすく解説します。
UbuntuにおけるIP設定の基礎知識
Ubuntuのネットワーク管理機能は進化を続けており、静的IPのような設定も以前より格段に扱いやすくなりました。特にUbuntu 22.04の静的IP設定機能は、ネットワークの効率性と安定性の面で大きなメリットをもたらします。
セッションごとに変化しうる動的IPとは異なり、Ubuntuの静的IPは常に一定です。これは、一貫したアドレス認識が不可欠なサーバー環境において特に有利であり、こうしたサーバーにとって静的IPの設定は必須といえるでしょう。
グラフィカルインターフェース(GUI)なら直感的に操作できる一方、コマンドラインを使った設定はより精密な制御が可能です。ネットワーク設定を細かく管理したいユーザーにはコマンドライン方式がおすすめで、この方法を習得すれば、自分のニーズに合った最適なIP構成を実現できます。
ただし、静的IPのメリットの裏には責任も伴います。設定ミスはネットワークの脆弱性につながるため、正しく構成することが非常に重要です。
それでは、以下の手順に従って、Ubuntuマシンに静的IPアドレスを正しく設定していきましょう。
nmcliコマンドで静的IPを設定する
nmcliコマンドを使えば、Ubuntu 22.04の静的IP設定はとても簡単です。nmcliは、デバイス上の有線接続の状態を確認できるテキストベースのユーティリティです。
このコマンドでは、接続状態、ホスト名、ネットワーク設定に関する権限などの追加情報にもアクセスできます。Ubuntuサーバーに静的IPを設定したい場合に特に役立つコマンドです。
まず、次のコマンドで接続情報を確認します。
nmcli connection show
実行結果は以下のようになります。
NAME UUID TYPE DEVICE
Wired connection 1 12f312a7-f0e7-334a-8ab4-c7b3f8249c7e ethernet enp0s3
次に、以下のコマンドで「static」という名前の静的な接続を作成します。enp0s3(インターフェース名)とipv4関連の各パラメータは、ご自身の環境に合わせて書き換えてください。
sudo nmcli con add type ethernet con-name 'static' ifname enp0s3 ipv4.method manual ipv4.addresses 192.168.1.89/24 gw4 192.168.1.1
再度nmcli connection showコマンドを実行すると、staticという接続が追加されていることを確認できます。

続いて、作成した静的接続にDNSサーバーのIPアドレスを設定します。「*」の部分は、実際の環境で使うDNSサーバーのアドレスに置き換えてください。
sudo nmcli con mod static ipv4.dns 192.168.*.*
さらに、以下のコマンドで接続を有効化します。
sudo nmcli con up id 'static'
出力に「connection successfully activated」と表示されれば、静的IPアドレスの設定は成功です。
動的IPに起因する接続トラブルを避けたい場合は、静的IPアドレスの利用を検討するとよいでしょう。静的IPアドレスがあれば、インターネットに接続する際に固定の識別情報と場所を維持できます。
割り当てた静的IPが正しく反映されているかどうかは、次のコマンドで確認できます。
ip route

netplanを使って静的IPを設定する
nmcliと同様に、netplanもUbuntuで静的IPを設定できるコマンドです。Ubuntu 22.04 LTSおよび22.10では、netplanを使って簡単に静的IPを構成できます。以下の手順に従ってください。
まず、次のコマンドでネットワークインターフェース名を確認します。
sudo ip a

ここに表示されているのがネットワークインターフェースの名前です。この名前はデバイスによって異なる場合があるため注意してください。
次に、/etc/netplanフォルダ内に01-netcfg.yamlという名前のファイルを作成し、お好みのテキストエディタで編集します。
sudo vim /etc/netplan/01-netcfg.yaml
ファイルに以下の内容を記述します。
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
eth0: #この行はご自身のネットワークインターフェース名に合わせて編集してください。
dhcp4: no
addresses:
- 192.168.1.10/24
gateway4: 192.168.1.1
nameservers:
addresses:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4
この設定では、dhcp4: noという記述によりDHCPによる自動割り当てを無効化し、固定IPアドレスとGoogleが提供するパブリックDNS(8.8.8.8 / 8.8.4.4)を指定しています。なお、新しいバージョンのnetplanではgateway4は非推奨となっており、必要に応じてroutes設定の使用が推奨されます。
ファイルを保存したら、以下のコマンドを実行して変更を適用します。
sudo netplan apply
GUIで静的IPを設定する
コマンドラインを使いたくない場合は、Ubuntu 22.04のグラフィカルなネットワーク設定画面が便利です。この画面からでも、静的IPアドレスを簡単に設定できます。
まず、デスクトップ右上のネットワーク(Network)アイコンをクリックし、ドロップダウンメニューから有線設定(Wired Settings)を選択します。次に、歯車(Gear)アイコンをクリックして設定ウィンドウを開きます。

開いたウィンドウでIPv4タブに切り替えます。

初期状態ではDHCPが有効になっています。動的IPではなく静的IPを使用したいので、IPv4メソッド(IPv4 Method)を手動(Manual)に変更します。次に、アドレス、ネットマスク、ゲートウェイの各項目を入力します。最後にDNSの設定を変更し、適用(Apply)ボタンをクリックしましょう。

これらの変更を反映させるには、有線接続の再起動が必要です。ネットワーク名の横にあるスイッチを一度オフにしてから、再度オンに切り替えるだけで完了です。

Ubuntuで静的IPアドレスを使うべき理由
本記事では、「Jammy Jellyfish」のコードネームで知られるUbuntu 22.04 LTSおよび22.10において、nmcliとnetplanを使ったコマンドライン方式、そしてGUI方式の両方で静的IPを設定する方法を解説しました。
IPアドレスの枯渇により、一部のサービスプロバイダでは同じアドレスを複数のユーザーに割り当てるケースがあります。このような場合、接続トラブルが発生することがあります。ユーザー固有の静的IPアドレスを使用すれば、こうした問題は回避できます。ただし、IPアドレスはさまざまな形で悪用される可能性もあるため、運用には十分な注意が必要です。
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