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Window MakerでNeXTSTEPを追体験――伝説のOSインターフェースを現代のLinuxで再現する

Window MakerでNeXTSTEPを追体験――伝説のOSインターフェースを現代のLinuxで再現する

1989年9月にリリースされたNeXTSTEPは、スティーブ・ジョブズが手がけたNeXTコンピュータシリーズ――中でも「いつか所有したいマシン」として今なお語り継がれるNeXTcube――を支えた先駆的なオペレーティングシステムです。今日ではあまり知られていませんが、NeXTSTEPは数多くのモダンなUIに影響を与え、世界初のWebブラウザが誕生した環境であり、id Softwareが名作FPS「Doom」や「Quake」を開発した際にも使われたという由緒あるOSです。

「NeXTSTEPはもう失われた時代の遺物」と思われがちですが、実はエミュレーションなしで、最新のLinux PC上にほぼ同じインターフェースを再現できます。その鍵となるのが「Window Maker」です。

インストール方法

Window Makerをベースにした主要ディストリビューションは存在しないため、自分でインストールする必要があります。とはいえ、ほぼすべての主要ディストリビューションのリポジトリに収録されており、導入にかかる時間は数分程度です。

ディストリビューションごとに手順は異なるため、ここでは一般的な流れのみをご紹介します。筆者はUbuntuベースのシステムで試しました。Window Maker関連パッケージの一覧を確認するなら、Synapticが便利です。未インストールの場合は、ソフトウェアストアから入手するか、次のコマンドで導入できます。

sudo apt install synaptic

正確な手順は環境によって異なりますが、まずは本体であるwmakerパッケージをインストールし、その後、興味のあるものや重要そうなパッケージを追加していくのがおすすめです。パッケージ数はそれほど多くないので、数分で完了するはずです。

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ちょっと試してみたいだけなら、wdmパッケージはインストールしないでください。不用意に扱うと、現在のログイン画面が上書きされる恐れがあります。

逆に、Window Makerをメインのデスクトップとして使いたいなら、ぜひwdmを導入しましょう。同梱のログインマネージャーを採用することで、起動時間とメモリ使用量を大幅に削減できる可能性があります。

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ダウンロードが完了したら、現在のセッションからログアウトし、ログイン画面で普段のデスクトップの代わりに「Window Maker」を選択するだけです。

基本的な使い方

起動直後の何もないデスクトップには、不思議と美しい趣があります。しかし、すぐにアイコンで埋まっていくことになります。

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左上にあるのはワークスペース切り替え器、通称「クリップ(Clip)」です。

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最初はワークスペースが1つだけですが、システムメニューから追加すれば、複数のデスクトップを使い分けられます。

デスクトップの右上には設定(Preferences)アイコンがあります。ダブルクリックして開いてみましょう。

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設定項目は驚くほど充実しており、多くのモダンなLinuxデスクトップよりも細かい制御が可能です。

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特にショートカットキーの割り当ては設定しておく価値があります。このデスクトップはキーボード主体の操作と非常に相性が良いのです。

その下にある古いCRTモニターのアイコンをダブルクリックすると、ターミナルが起動します。

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NeXTSTEP/Window Maker最大の魅力といえるのがメニューシステムです。デスクトップ上で右クリックするとシステムメニューが表示されます。ここまではごく普通ですが、サブメニューをたどりながら、メニューの一部を「引き剥がして」開いたまま保持できるのが特徴です。よく使うメニュー――ゲームやシステム設定など――を、デスクトップに常時表示させておけるわけです。

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アプリを起動すると、左下隅から順にドックへ四角いアイコンが並んでいきます。ウィンドウ左上のボタンをクリックすると最小化され、アニメーションとともにアイコンへと縮みます。そのアイコンをダブルクリックすれば、ウィンドウが元通りになります。

Window MakerでNeXTSTEPを追体験――伝説のOSインターフェースを現代のLinuxで再現する

以上が基本操作です。あとは公式ドキュメントを参照しながら、自分なりの使い方を見つけてください。

実際に使い続けるとどうなる?

多少の癖を受け入れられるなら、かなり快適です。Window Makerはミニマルなデスクトップとされますが、アプリをいくつか立ち上げれば、そんな印象は薄れます。そもそもこれは、かつて最強クラスのワークステーションに搭載されていたインターフェースなのですから。無駄を削ぎ落とした集中力の高いワークフローは、「機能は欲しいが散らかすのは嫌」という技術系ユーザーの心をつかむことでしょう。

一連のモダンな作業を試した結果、Window Makerを日常のデスクトップとして使うことは十分現実的だと断言できます。Firefox、Steam、YouTube、Netflix……どれも問題なく動作しました。ただし、80年代後半に設計されたインターフェースで現代的な作業をするのは、なんとも言えない奇妙な体験です。「Windows 3.xでOverwatchをプレイする」ような感覚、と言えば伝わるでしょうか。

一方で、いくつか注意点もあります。まず、Window Makerには自動マウントや専用ファイルマネージャーといった現代的な利便性が備わっていません。便利なアドオンも多数存在しますが、MATEのファイルマネージャー「Caja」などをインストールしておくと格段に快適になります。

また、Window Makerはコンポジット機能が登場する以前の時代の産物なので、画面のティアリング(表示の乱れ)が気になる場合は、Comptonなどのコンポジタを併用すると改善します。さらに、Ubuntuが自動生成するシステムメニューには、引数が不正で正常に動作しないエントリが多く含まれています。メニューを自力で編集するか、ターミナルから直接アプリを起動する覚悟が必要です。

筆者の環境では、最大化したウィンドウの上に設定アイコンとターミナルアイコンが重なって表示される問題も発生しました。他のアイコンは邪魔にならない位置へ退避するのに、この2つだけは前面に残り続けます。

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この問題の解決方法をご存じの方は、ぜひコメント欄でお知らせください。

とはいえ、今でもWindow Makerを試す価値は十分にあります。どんなモダンな軽量デスクトップよりも軽快でありながら、高い機能性を備えています。極めてニッチな存在ではありますが、「別のやり方」への渇望を抱いている人にとっては、まさに求めていたものかもしれません。

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個性的な軽量デスクトップをお探しだが、もう少しモダンなものがいいという方は、「Lumina」のレビューも合わせてチェックしてみてください。


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