WSL(Windows Subsystem for Linux)で使える6つのLinux OSとデスクトップGUI環境の導入ガイド
WindowsパソコンにLinuxを導入したいと考えているなら、「Windows Subsystem for Linux(WSL)」という名前を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、WSLで実際に動かせるLinuxディストリビューションにはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、WSLを使ってWindows 10上でネイティブに実行できるLinuxベースのOSを6つ紹介し、あわせてLinuxデスクトップ環境の選び方・導入方法についても解説します。
Windows Subsystem for Linux(WSL)とは?
WSLはWindows 10に搭載された互換レイヤー機能で、Windows環境内でLinuxソフトウェアを直接実行できるようにするものです。Windows 10 Home以上のエディションで利用でき、手動で追加するか、新機能を先行体験できるWindows Insiderプログラムに参加することで利用可能になります。
WSLをインストールすればWindows用Linuxターミナルが使える
WSLをインストールすると、Windows 10上でLinuxターミナルを楽しめるようになります。Linuxソフトウェアの実行はもちろん、Linuxの操作に慣れるための学習環境としても大きなメリットがあります。
もちろん、WindowsでLinuxターミナルを利用する方法はこれだけではありません。Raspberry PiなどのリモートLinuxマシンがすでに稼働しているなら、PuTTYやWindows PowerShellなど、適切なSSHツールを使ってリモートアクセスすることもできます。
ただし、サブマシンを用意できない状況でWindowsにLinuxを導入するなら、WSLが最良の選択肢だといえます。
Windows 10のWSLにインストールできる6つのLinux OS
WSLのインストールが完了したら、次は導入するLinux OSを選びましょう。これらはMicrosoft Storeから入手でき、前提条件としてWSLが必要です。Linux OSをインストールする前に、必ずWSLを完全にセットアップしておいてください。WSLにインストールできるのは、以下の6つです。
1. UbuntuをWSLでWindows 10にインストール
おそらく最も有名なLinux OSであるUbuntuは、WSLを使えばWindows 10へのインストールも簡単です。
複数のバージョンが提供されており、それぞれ便利なユーティリティがプリインストールされています。必要なツールが見つからない場合でも、大抵は後から追加インストールできます。WSL向けに選べるUbuntuは以下の通りです。
ダウンロード: Ubuntu 18.04 LTS
ダウンロード: Ubuntu 20.04 LTS
ダウンロード: Ubuntu(ローリング版)
ローリング版は頻繁にアップデートされますが、旧バージョンが提供する長期サポート(LTS)の恩恵は受けられません。安定性を重視するならLTS版を選ぶのがおすすめです。
2. SUSE Linux Enterprise Server 15
SLEとも呼ばれるSUSEのサーバー版は、Windows PC上でさまざまなサーバー用途に活用できます。PostgreSQLやSambaをはじめとするサーバーアプリケーションが含まれており、WSL上ではテスト環境としても、本格的なSLEサーバーとしても理想的に機能します。
WSL向けに提供されているのは、SUSE Linux Enterprise Server 15 SP1です。
ダウンロード: SUSE Linux Enterprise Server 15
3. Debian
最も人気のあるLinuxディストリビューションのひとつであるDebianも、WSL対応アプリとしてWindows 10 PCに追加できます。完全なDebianコマンドライン環境が提供され、おなじみのDebianツールをすべて利用可能です。追加のソフトウェアが必要になったら、そのままインストールしましょう。
ダウンロード: Debian
4. Kali Linux
ペネトレーションテスト(侵入テスト)向けのディストリビューションであるKali Linuxは、WSL版を使えば別マシンにインストールすることなく、システムやスイッチ、その他のネットワーク機器を分析できます。日々の業務でネットワーク機器へのペネトレーションテストを行う人にとって、これは大きなメリットでしょう。
ダウンロード: Kali Linux
なお、WSLでKali Linuxを実行すると、Windows 10でウイルス対策ソフトの警告が表示される場合があります。最良の結果を得るには、セキュリティソフト側でこのソフトウェアへのフルアクセスを許可しておきましょう。
Kali Linuxの利点のひとつは、デスクトップ環境が標準で同梱されるようになったことです。Win-KEXはWSLの他のデスクトップ環境(後述)と同じように動作しますが、追加ソフトウェアのインストールが不要になる点が魅力です。
5. openSUSE Leap 15.2
やや知名度は低めのLinuxデスクトップOSですが、openSUSE on WSLは、より安定した信頼性の高い体験を求めるユーザー向けのLinux環境を提供します。他の例と同様に、システム管理者向けのネイティブなコマンドラインツールが使え、仮想マシンに頼ることなくLinuxサーバー環境を忠実に再現できます。
ダウンロード: openSUSE Leap 15.2
6. Fedora Remix for WSL
Windows 10上のLinuxとしてはFedoraファミリーが好みという方にも朗報です。「Fedora Remix for WSL」は、このオープンソースOSのWSL専用リリースです。
ただし注意点として、これは上流のFedora LinuxディストリビューションをWSL向けにリミックスしたものであり、Fedora ProjectやRed Hat, Inc.が公式に認証したものではないサードパーティ製リリースである点に留意してください。
ダウンロード: Fedora(9.99ドル)
ここで紹介した他のOSと異なり、Fedora Remix for WSLは少額の一回払いで入手できる有料製品です。
WSLにLinuxデスクトップをインストールできる?
WSLにLinux OSをインストールすれば、Linuxターミナル環境へフルアクセスできるようになります。
しかし、デフォルトではデスクトップは用意されていません。これを解決するには、デスクトップ環境をインストールし、WindowsのXサーバー経由でVNCを使ってアクセスします。WindowsでのLinux統合における小さなハードルではありますが、手順自体はシンプルなので安心してください。
WSLベースのLinux環境では、ほとんどのLinuxデスクトップ環境が動作します。上記の画像は、WSLによってWindows 10上のUbuntuでLXDEが動作している例です。
セットアップが完了すれば、Windows 10のデスクトップ上のウィンドウ内で、お好みのLinuxデスクトップ環境を楽しめるようになります。
お気に入りのディストロをWSLでWindows 10にインストールしよう
Microsoft Storeには6つのLinux OSが揃っており、選択肢は非常に豊富です。WSLのおかげで、デスクトップOSからLinuxサーバー、ペネトレーションテスト用OSまで、用途に応じて自由に選べます。
いずれのOSもデスクトップ環境なしでインストールされますが、後から追加することは可能です。VNC経由でアクセスすれば、まるでWSL上で物理的なLinuxデスクトップが動いているかのような体験が得られます。
WSLで提供されている選択肢に満足できない場合は、仮想マシンへのLinuxインストールを検討してみるのもよいでしょう。
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