Ubuntu標準ツール「Disks」でHDD/SSDを上手に管理する方法
はじめに:なぜディスク管理が必要か
Linuxを使っていると、ハードディスクやUSBメモリ、SDカードなどのリムーバブルメディアを管理する場面に遭遇することがあります。特に、UbuntuとWindows、あるいは別のLinuxをデュアルブートする予定があるなら、なおさらです。
そのため、ドライブとそのパーティションの管理方法を知っておくことは重要です。パーティションのサイズ変更、ハードディスクの再フォーマット、ドライブの健康状態チェックなどは、すべてUbuntuに標準搭載されたディスク管理ツール「Disks(GNOME Disks)」で行えます。
Disksの基本画面とレイアウト
Disksを起動するには、画面左下のランチャーをクリックしてアプリケーションメニューを開きます。一覧からアプリを探すか、名前を入力して検索しましょう。
ユーティリティのレイアウトは非常にシンプルです。左側に管理対象のドライブ一覧が表示され、それ以外の表示内容はすべて、現在選択しているドライブに関するものになっています。
画面の上半分には、ドライブの名前、ストレージ容量、パーティション構成、SMARTステータス(詳細は後述)といったドライブ全体の情報が表示されます。また、右上のメニューから、ドライブ全体に対する操作を実行できます。
下半分にはパーティションレイアウトが表示され、選択中のパーティションの詳細情報を確認できます。このビューからパーティションの追加・削除やアンマウントが可能で、歯車アイコンからその他の操作にもアクセスできます。
以下では、各オプションを詳しく見ていきましょう。まずは、ドライブ全体に対して実行できる操作からです。
GNOME Disksでのドライブ操作
ディスクをフォーマット(Format Disk)では、新しいパーティションテーブルを作成して古いものを上書きすることで、ハードディスクを再フォーマットできます。実行後、システムはドライブ上の既存のパーティションを認識しなくなります。
方式は「クイック(Quick)」と「低速(Slow)」の2つから選べます。クイックはパーティションテーブルだけを上書きし、データ自体は技術的には残ります(復元ツールなしでは使用不可)。一方、低速方式はドライブ上の全データをゼロで完全に上書きします。
MBRとGPTの選択は少し複雑です。MBR(Master Boot Record)は最大4つのパーティションをサポートします(論理パーティションを作成すれば、実質的に4つの制限を回避可能)が、対応するのは最大2TBまでのハードディスクです。
GPT(GUID Partition Table)は、4パーティションおよび2TBという制限を事実上解消します。つまりGPTの方が新しく「優れた」規格ですが、MBRの制限が影響しないのであれば、MBRを使っても何ら問題ありません。
また、ドライブのイメージ(バックアップ)を作成することもできます。イメージからドライブを復元する必要がある場合も、同じくこのツールで対応可能です。これらはディスクイメージの作成・復元(Create/Restore Disk Image)から利用できます。ただし、イメージの作成時には、保存先として十分な容量を持つ別のストレージが必要なので注意してください。
ドライブの実際の速度が気になるなら、ディスクのベンチマーク(Benchmark Disk)で読み書き速度やアクセスタイム(ファイルを探し出すまでの時間)を測定できます。
ドライブの動作がおかしいと感じたら、SMARTデータとセルフテスト(SMART Data & Self-Tests)を確認し、システムが異常を検出していないか調べてみましょう。
問題が見つかった場合、修理できる可能性は低いものの、少なくともハードウェア起因のトラブルだと特定できます。逆に何も検出されなければ、原因はソフトウェアなど別の場所にあるかもしれません。
ドライブ設定(Drive Settings)では、ライトキャッシュの設定を変更してドライブを高速化できます。ライトキャッシュを有効にすると、書き込むべきデータをまずキャッシュに蓄え、いっぱいになった時点でまとめてディスクに書き込むため、パフォーマンスが向上します。
これは、同じデータ量であれば、1回の大きな書き込みの方が何度も細かく書き込むよりも速いためです。ただし、停電時にデータ損失が発生する可能性がある点には注意が必要です。キャッシュ内のまだ書き込まれていないデータは、電源が遮断されると失われてしまいます。
GNOME Disksでのパーティション操作
前述の通り、パーティションレイアウトのビューから、パーティションの追加・削除・アンマウントが行えます。特定のパーティションをクリックして歯車アイコンを選ぶと、そのパーティションのみに適用される操作の一覧が表示されます。
たとえば、パーティションをフォーマット(Format Partition)では、クイック/低速どちらの方式でも、新しいファイルシステムタイプでフォーマットできます。パーティションイメージの作成・復元(Create/Restore Partition Image)では、ドライブ全体ではなく、特定のパーティションだけのイメージを作成・復元できます。
さらに、パーティションのベンチマーク(Benchmark Partition)を使えば、btrfsなど異なるファイルシステムタイプやその他の要因によって、性能が向上するかどうかを確認できます。
パーティションには、ドライブ単位では使えない追加オプションもいくつかあります。パーティションを編集(Edit Partition)では、パーティションの種類を指定できます(これは、特定のファイルシステムでフォーマットすることとは別の設定です)。
ファイルシステムを編集(Edit Filesystem)では、パーティションのラベル(名前)を変更できます。機能はそれだけです。
マウントオプションを編集(Edit Mount Options)では、起動時にファイルシステムをマウントするかどうかなどを設定できます。新しいハードディスクを追加して、システムに自動マウントさせたい場合は、ここを設定しましょう。
暗号化済みのパーティションを運用している場合は、暗号化オプションを編集(Edit Encryption Options)でその設定を編集できます。
ISOイメージをマウントする
Disksユーティリティは、ISOイメージを仮想ドライブとしてマウントすることもできます。画面最上部のパネルにマウスカーソルを合わせて表示されるDisksメニューをクリックし、ディスクイメージを接続(Attach Disk Image)を選択します。マウントしたいISOイメージを選べば完了です。
標準搭載されている手軽なディスク管理
Disksは優れたツールであり、Ubuntu上のほぼあらゆるディスク管理タスクをこなせる十分な能力を備えています。
もし代替ツールをお探しなら、長年の実績がある定番のディスク管理ツール「GParted」をチェックしてみてください。あるいは、Linuxのコマンドライン向けに用意されている多数のドライブ管理・パーティションツールを活用するのも良いでしょう。
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