【2021年版】USBメモリで使えるおすすめポータブルLinuxディストリビューション7選
Linuxは誕生から数十年の間に、数十種類ものディストリビューション(いわゆる「distro」)へと発展を遂げました。それぞれに熱心なファン層があり、得意とする用途も異なります。
また、LinuxはポータブルOSとしても人気があります。USBドライブから起動すれば、手元にあるどんなパソコンでも一時的なLinuxワークステーションに変えられるのです。ただし、すべてのディストリビューションが持ち運び用途に向いているわけではありません。そこで本記事では、現時点で最も優れたポータブルLinuxディストリビューションを厳選してご紹介します。
USBメモリでLinuxを使うメリットとは?
内蔵ハードディスクにインストールするのではなく、USBドライブから直接Linuxを起動するという考え方を初めて耳にした方の中には、「そもそも何のためにそんなことをするのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
実は、起動可能なポータブル版Linuxには数多くの活用シーンがあります。代表的な例をいくつか挙げてみましょう。
- ウイルス感染やハードディスクの破損など、パソコンのトラブル解決(トラブルシューティング)
- ペネトレーションテストなどのサイバーセキュリティ業務
- 使用後には痕跡が一切残らないプライベートな作業環境の確保
魅力的ですよね。では、どのような特徴を持つディストリビューションがポータブル用途に適しているのでしょうか。ここで注目すべきポイントを確認しておきましょう。
ポータブルLinuxディストリビューションを選ぶポイント
もちろん、主流デスクトップ向けLinuxディストリビューションのフルバージョンをそのままUSBドライブに入れることも可能です。しかし多くの場合、それでは本末転倒です。確かに最近のUSBドライブは大容量で耐久性・速度ともに優れていますが、それでも内蔵SSDには及びません。
さらに、USB版Linuxの用途によっては、スペックの控えめなパソコンを使う場面もあるかもしれません。つまり、各ディストリビューションのサイズやシステム要件を慎重に検討する必要があるのです。
今回のリストを作成するにあたり、私たちは以下の3つの要素に着目しました。
- 小さなインストールサイズ
- モジュール式のソフトウェア導入
- 低いシステム要件
リストアップしたすべてのディストリビューションがこの3条件を満たしているわけではありませんが、いずれもポータブル運用の観点から何らかの魅力を持っています。
Puppy Linux
Puppy Linuxは、その軽量さで常に高い評価を得てきたディストリビューションです。「ジャガイモでも動く」と言われるほどで、互換性のあるハードウェアさえあれば、驚くほど低スペックな環境でも快適に動作します。
ネットブックが流行していた頃、出荷時の制限の多いOSを削除してPuppy Linuxに置き換えるユーザーが続出しました。容量が一桁GB程度しかないSSDが主流だった時代には、まさにうってつけの存在だったのです。
実はPuppy Linuxは単一のディストリビューションではなく、複数のディストロに適用できるテンプレートのようなものです。そのため、体験の核となるベースを好みに応じて選べます。
動作の重い他のディストロと同等の機能をほぼすべて備えながら、どんなに低スペックなマシンでも確実に動作してくれる――そんなポータブルLinuxをお探しなら、Puppy Linuxは理想的な選択肢と言えるでしょう。
Kali Linux
Kali Linuxは、決して万人向けのディストリビューションではありません。サイバーセキュリティ目的のために特化して設計されたLinuxです。それほどニッチな存在でありながら、なぜこれほど人気があるのでしょうか。その答えの一端は、テレビドラマ「Mr. Robot」への登場にあります。同作は、これまでの映像作品の中でおそらく最もリアルにハッキングを描いた作品でした。
こうした背景からKali Linuxは「クール」なイメージを獲得しましたが、一般ユーザーにとっては必ずしも実用的とは言えません。それでも、強力なセキュリティツールを駆使して素早くペネトレーションテストを実施したり、目の前の任意のパソコンを「ハッカーの十徳ナイフ」に変えたりしたいなら、間違いなく最良のポータブルディストロのひとつです。
Slax
Slaxは比較的新しいディストリビューションで、当初からポータブルLinuxとして設計されている点が特徴的です。従来のようにデスクトップ向けLinuxをそのまま起動可能なフラッシュドライブにインストールするアプローチとは一線を画しています。
Slaxの根底にあるのは「モジュール性」という思想です。必要なソフトウェアやコンポーネントだけを素早く追加してカスタマイズできます。また柔軟性も高く、変更内容を保存できる永続モードと、毎回クリーンな状態で起動するライブモードの両方に対応しています。
難点を挙げるなら、コア部分が極めてミニマルで質素なことでしょうか。フル機能のデスクトップLinux体験をポータブル環境で求めるなら、別の選択肢を検討した方がよいかもしれません。一方で、軽量・高速・柔軟・高機能のすべてを兼ね備えた環境が必要なら、Slaxはぜひ候補に加えるべき存在です。
Ubuntu GamePack
Ubuntu GamePackは、多数のゲームとの互換性を追求して特別に調整されたサードパーティ製のUbuntu再配布版です。Ubuntu上で動作する最新のAAAタイトルから、DOSなどレガシープラットフォーム向けの古典ゲームまで幅広くカバーしています。
職場のパソコンや共用マシンにゲームをインストールして遊ぶことは、たいていの場合許されていません。そこでUbuntu GamePackをUSBドライブに入れてパソコンを再起動すれば、対象のマシンに一切痕跡を残すことなく娯楽を楽しめます。
もちろん、遊びたいゲームを処理できる性能のパソコンと、ゲーム一式を収容できる大容量のUSBドライブは必要ですが、それ以外の準備は不要。あとは思う存分ゲームを楽しむだけです。
見逃せない点として、UALinuxは異なるユーザーインターフェースやデスクトップ環境を採用した多様なバリエーションを提供しています。上の画像はWindows 10風の外観を持つ「Like Win」バージョンです。
Porteus
Porteusは、多くのディストリビューションと同じように、既存のディストロからフォークして独自の進化を遂げて誕生しました。その起源は「Slax Remix」と呼ばれるSlaxの特殊バージョンです。
Slaxと同様に、Porteusもモジュール設計と小さなインストールフットプリントによる高い携帯性を誇ります。さらに際立っているのが高速なパフォーマンスです。特に、OS全体をRAMに読み込んだ場合にはその真価を発揮します。起動・シャットダウンを司るコードが開発者によって極限まで最適化されているため、ブートと終了も非常に速いのも大きな魅力です。
まとめ:まずは仮想マシンで試してみよう
ここで紹介したディストリビューションは、ポータブルLinuxの中でも特に優れた選択肢ばかりです。しかしオープンソースソフトウェアの魅力は、ここに挙げたもの以外にも無数の選択肢を自由に試せることにあります。必要なのは時間と回線速度だけです。
仮想マシンを立ち上げて、気になるディストロを片っ端からダウンロードして試してみましょう。もちろん、まずはこのリストの中から有望そうなものから始めるのがおすすめ。かなりの時間を節約できるはずです!
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