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Tumblr、ロシア製の偽アカウント84件を削除 ― SNSに潜む「偽情報」の実態

ファンダム――それはバミューダトライアングルや、モニカ・ゲラーの掃除用具クローゼットの中身にも匹敵するほど謎めいた世界です。好きなドラマや推しカップル(OTP)について語り合う場所として、Tumblrは長年にわたりファンダム文化の中心であり続けてきました。10代だった少女たちは大人へと成長し、今もなお創作投稿やファン活動の場としてTumblrを使い続けています。

そんなユーザーたちが衝撃を受けたのは先週末のこと。Tumblr運営から届いたメールには、自分がタイムラインでリブログした投稿の出どころが「ロシアのプロパガンダページ」だったと告げられていたのです。

冬真っ只中の「春の大掃除」

Facebookを巻き込んだ大規模なデータ流出問題が報じられ始めた頃、Tumblrは静かに動き出していました。週末にかけて同社はユーザー宛てのメールで、「ロシアのインターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」が関与した84のアカウントを特定・削除したことを明かしました。これらのアカウントは、親トランプ派のロシアプロパガンダページに関わる勢力と連携していたとされ、民主党に関する「フェイクニュース」や「オルタナティブ・ファクト」を作成し、各種ソーシャルメディアへ拡散していたとみられています。

特筆すべきは、その手口の巧妙さです。多くの偽アカウントは、人種差別への抗議や社会正義を掲げる活動家を装っており、「black-to-the-bones」「melanin-diary」「swagintherain」など、一見すると本物のアクティビストアカウントと見分けがつかない名前を持っていました。ロシアが米国人の習慣や世論の分断点をそこまで綿密に研究し、それをコンテンツ制作に活かしていたという事実には驚かされます。そしてさらに考えさせられるのは、民主主義国家の選挙プロセスが、SNSの投稿ひとつで容易く揺さぶられ得るということです。

Tumblrはメールの中で、該当アカウントのコンテンツを目にした可能性のあるユーザーに対し、以下の対応を実施したと説明しています。

  • IRA関連アカウントに「いいね」、リブログ、返信、フォローをしたユーザー全員にメールで通知
  • IRAおよび国家主導の偽情報キャンペーンに関連するユーザー名の公開記録を維持
  • 該当アカウントの投稿を含むリブログチェーンは自動削除せず、「リブログチェーンには実際のTumblrユーザーによる投稿が含まれており、多くの場合、IRA関連の元投稿の虚偽的・扇動的な主張に異議を唱えたり反証したりしています。あなたの同意なく本物の投稿を削除することは、言論の自由を侵害しかねません」と説明

また、メールには削除された84のアカウント名を記載した詳細なリストも添付されており、透明性を確保する姿勢がうかがえます。

Tumblrはさらにこう述べています。「民主主義には透明性と、十分な情報を得た有権者が必要です。私たちはその責任を極めて重く受け止めています。私たちは国家主導の偽情報キャンペーンの兆候がないかTumblrを積極的に監視し、発見次第、適切な措置を講じます。」

遅すぎた対応?

Tumblrがこれらのページを削除した功績を認める一方で、懐疑的な見方も残ります。今回の発覚はあくまで氷山の一角にすぎず、米国発とみられる「白人至上主義」や「フェイクニュース」系のページが、今なおTumblr上で活動を続けられているからです。

次にSNSで投稿をシェアするときは、一度立ち止まって考えてみましょう。それが「フェイクニュース」や「オルタナティブ・ファクト」を撒き散らすロシアのプロパガンダページではないかもしれません。

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