ブラウザマイニングサービス「Coinhive」がDNSハイジャック被害――原因は2014年の漏洩パスワードか
ランサムウェア「Bad Rabbit」の攻撃について耳にしたばかりの方も多いかもしれませんが、実はすでに少し前のニュースになりつつあります。
現在、セキュリティ業界で話題となっているのは、有名なブラウザベースのマイニングサービス「Coinhive(コインハイブ)」がハイジャック被害を受けたという速報です。報道によると、CoinhiveのDNSレコードが攻撃者によって改ざんされ、同サービスのスクリプトを通じて採掘された暗号通貨を盗むための侵入経路を確保されてしまったとのことです。
Coinhiveとは何か?
Coinhiveは、ウェブサイト運営者がMonero(モネロ)を採掘するJavaScriptコードを自身のサイトに組み込むことで、訪問者に広告を大量表示することなく収益を得られるようにするサービスとして知られていました。
仕組みとしては、サイト訪問者のコンピューターのCPUパワーを利用して暗号通貨のマイニングを行い、そのうち30%をCoinhiveが受け取り、残りの収益はサイト運営者に支払われるというものです。このプロセスは、あくまで訪問者の同意と理解がある場合にのみ実行される設計でした。
しかしながら、プロジェクトの初期段階では多くの問題に直面しました。一部のサイト運営者が、訪問者に告知することなくスクリプトを埋め込み、CPUリソースを勝手に使うケースが後を絶たなかったのです。このような不透明な運用が問題視された結果、広告ブロッカー各社はCoinhiveのスクリプトをブロック対象としました。
こうした初期の混乱に乗じる形で、攻撃者たちはウェブサイトを侵害し、不正にマイニングスクリプトを仕込んで収益を得る手口を確立していきました。
最新のニュース
火曜日、Coinhiveは自社のCloudflareアカウントがハイジャックされたことを発表しました。Cloudflareアカウントは、CoinhiveがDNSサーバーの設定を変更するために使用しているものです。攻撃者はこれを悪用し、多数のウェブサイトに埋め込まれている公式のJavaScriptコードを、悪意のあるバージョンへと差し替えようとしました。
対象となったのは以下のURLです。
https://coin-hive[.]com/lib/coinhive.min.js
攻撃者は2014年のKickstarter情報漏洩事件で流出したパスワードを再利用
報道によれば、攻撃者は2014年に発生した「Kickstarter」のデータ漏洩事件で流出したパスワードを再利用し、それを使ってCoinhiveのCloudflareアカウントへのアクセスを試みたとみられています。
Coinhiveはブログ投稿の中で次のように説明しています。「本日10月23日午後10時(GMT)頃、当社のDNSプロバイダー(Cloudflare)のアカウントが攻撃者によってアクセスされました。coinhive.comのDNSレコードが改ざんされ、coinhive.min.jsへのリクエストが第三者のサーバーへリダイレクトされるよう変更されていました。」
さらに、「この第三者サーバーには、ハードコードされたサイトキーを含む改変版のJavaScriptファイルがホストされていた」と述べています。
また、同社は「私たちはセキュリティについて苦い教訓を学び、以降すべてのサービスで二要素認証(2FA)と固有のパスワードを使用するようにしてきました。しかし、何年も前に作成した古いCloudflareアカウントの更新を怠っていました」と認めています。
「今夜失われた収益については、ユーザーへの補償方法を検討しています。現時点での計画は、全サイトに対して直近の日平均ハッシュレート相当の12時間分を追加でクレジットするというものです」と付け加えています。Coinhiveはユーザーに対し、ウェブサイトのデータは安全であり、侵害されていないことを保証しました。
セキュリティ対策の動向
セキュリティ対策の一環として、KasperskyやMalwarebytesといったアンチウイルス大手は、すでにCoinhiveのスクリプトをブロックしています。これにより、顧客は過剰なCPU使用や不正なマイニングから守られることになります。
今日のサイバー世界において、ハッキング自体は珍しい出来事ではありません。しかし、Coinhiveがハッキングされた这一件は、パスワードベースのセキュリティシステムに潜む脆弱性を浮き彫りにしています。
Coinhiveは二要素認証(2FA)を導入していたにもかかわらず、攻撃者は容易にアカウントを乗っ取ることに成功しました。これは、企業がサイバーセキュリティに対する完全な理解をまだ欠いていることが主な要因です。その結果、自社のセキュリティシステムはハイジャックに耐えられるほど堅牢だと誤解しがちですが、実際には、その防御体制は簡単に突破されてしまう高価な継ぎ接ぎにすぎないのが実情なのです。
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