Windows PEとは?概要、できること、制限事項、ダウンロード方法を徹底解説
Windows PE(Windows Preinstallation Environment)は、Microsoftが提供する軽量OS環境で、複数のコンピューターへのWindows展開や復旧作業に活用できるツールです。個人で1台のPCにWindows 10をセットアップするのは比較的簡単ですが、オフィス環境のように多数のマシンを構築するのは容易ではありません。そこでMicrosoftは、複数のコンピューターへWindowsをインストール・展開するために特化したOSを用意しました。さらに、Windows 10のHome、Pro、Enterprise、Educationといった各エディションの修復にも利用できます。本記事では、Windows PEの基本情報についてわかりやすく解説します。
Windows PEとは

まず押さえておきたいのは、Windows PEは通常のOSとして日常的に使用できるものではないという点です。あくまで「展開」と「復旧」を目的とした環境であり、組み込みOSとしての利用も認められていません。Microsoftの仕様により、PEは連続72時間の稼働後に自動的に停止するよう設計されています。再度起動すると、レジストリの変更を含むすべての変更内容は失われる点に注意が必要です。
恒久的なカスタム環境が必要な場合は、イメージをマウントして独自にカスタマイズする必要があります。
Windows PEでできること
- Windowsのインストール前にハードドライブをセットアップする
- スクリプトやアプリを使って、ネットワークまたはローカルドライブ経由でWindowsをインストールする
- Windowsイメージのキャプチャと適用を行う
- OSが稼働していない状態でOSを変更する
- 自動回復ツールをセットアップする
- デバイスが起動できない場合にデータを復旧する
- カスタムシェルやGUIを追加して、これらのタスクを自動化する
- Windows PEレスキューディスクを作成する
これらの用途からも分かるように、Windows PEはOSの多くの機能に対応しています。具体的には、バッチファイル、スクリプト、Win32アプリケーション、汎用ドライバー、TCP/IPやNetBIOS over TCP/IPなどのネットワークプロトコル(LAN経由)をサポートしています。また、NTFS、DiskPartツール、BCD Bootにも対応しています。セキュリティ面では、BitLocker、TPM、Secure Bootなどを利用可能です。さらに、VHDやマウス統合にも対応しており、ハイパーバイザー上でPEを実行することもできます。
一方で、ターミナル、ネットワークドメインへの参加、リモートデスクトップ、MSI拡張機能、32ビット環境上での64ビットアプリの実行、DISMによるアプリパッケージの追加などには対応していません。
Windows PEのサイズ制限
Windows PEのインストールにはFAT32が使用されるため、いくつかの制限が生じます。最大ファイルサイズは4GB、最大ドライブサイズは32GBです。たとえ32GBを超える容量のドライブを用意しても、実際に使用されるのは32GBまでとなります。対策としては、USBドライブ内に複数のパーティションを作成するか、イメージ用に別のUSBメモリを用意するか、ネットワーク上の場所からイメージを読み込む方法があります。
Windows PEの入手方法とダウンロード
動作要件としては最低512MBのRAMがあればよく、ハードディスクは不要です。ただし、Windows PEイメージ全体を保持できるRAMディスクブートが必要になります。なお、32ビット版Windows PEは32ビットUEFI/BIOS PCおよび64ビットBIOS PCで動作し、64ビット版Windows PEは64ビットUEFI/BIOS PCを起動できます。
Windows 10 October Update(バージョン1809)以降、Windows PEは「Windows Assessment and Deployment Kit(ADK)」のアドオンという位置づけに変わりました。起動可能なWinPE USBフラッシュドライブ、CD、DVD、または仮想ハードドライブを作成する必要があります。WinPEメディアの作成に必要なファイルは、ADKのWinPEアドオンに含まれています。
WinPEメディアを作成する手順は以下の通りです。まず「Deployment tools」オプションを選択してADKをインストールし、続けてWindows PEアドオンキットをインストールします。
なお、Windows 10 1809より前のバージョン(1803以前)を使用している場合は、WinPEが同梱されている従来のWindows ADKを利用してください。インストール時に「Deployment Tools」と「Windows Preinstallation Environment」の両機能を選択することで利用できます。詳細についてはmicrosoft.comの公式ドキュメントを参照してください。
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