Windows 10でInput Directorを使って複数PC間でドキュメントをコピー&ペーストする方法
あるパソコンのドキュメントからコピーして、別のパソコンで開いているドキュメントに貼り付けたいと思ったことはありませんか?実はそれ、「Input Director」を使えば簡単に実現できます。Input Directorは、1台のパソコンに接続したマウスとキーボードだけで、複数のWindowsパソコンを操作できるフリーソフトです。ホットキーを使うか、カーソルを画面の端に移動するだけで、別のパソコンへ操作対象を切り替えられます。さらに、通信データの暗号化機能も備えているのが魅力です。
Windows 10でのInput Directorの使い方
マスター側とスレーブ側の各パソコンへのインストールと設定が完了したら、実際に使い方を見ていきましょう。
Input Directorの主な機能一覧
- マウスによるマスター→スレーブ間の切り替え
- ホットキーによるマスター→スレーブ間の切り替え
- カーソルをマスター側へ戻す方法
- 起動オプションの設定
- スレーブの利用可能状態の管理
- 共有クリップボードの活用
- Win+Lによるシステムのロック
- スレーブ側でのCtrl+Alt+Deleteの代替操作
- ポップアップコンテキストメニュー
- 別のパソコン上のファイルを開く方法
- グローバル設定(Global Preferences)
- マスター設定(Master Preferences)
- スレーブ設定(Slave Preferences)
- ロールの自動切り替え — どのキーボード/マウスでも任意のシステムを操作可能
- 情報ウィンドウ
- データ暗号化セキュリティの設定
- キーボードマクロ
- キーバインディング
Input Directorのレビュー
Input Directorを使えば、いずれか1台のパソコンに接続されたキーボードとマウスだけで、複数のWindowsシステムをまとめて操作できます。
1. マウスでマスターからスレーブへ切り替える
マスター側パソコンをどちらの位置(左または右)に配置したかによって、マウスを画面の右端または左端へ移動します。するとカーソルが消え、スレーブ側の画面に現れます。例えば、マスターがスレーブの右側にある場合、マスター画面の右端へカーソルを動かせば、カーソルはスレーブ側の画面へ移ります。この時点で入力した文字はすべてスレーブ側に入力されます。
マウスによる切り替えでは、以下のような遷移オプションを細かく設定できます。
- 画面の端でカーソルを2回タップしないと切り替わらないようにする
- 画面の端にカーソルを一定時間押し付けてから切り替える
- 特定のキーを押している間だけ切り替えを許可する
2. ホットキーでマスターからスレーブへ切り替える
ホットキーを設定済みであれば、その組み合わせを押すだけで、スレーブ側画面の中央にカーソルが現れます。以降のマウス・キーボード入力はすべてスレーブ側に送られます。
3. カーソルをマスター側へ戻す
デフォルトのホットキーは「左Ctrl + 左Alt + Pause/Break」です(Pause/Breakキーは標準キーボードのScroll Lockキーの右側にあります)。このホットキーはInput Directorのメインパネルから変更できます。
4. 起動オプション
Input Directorをインストールした直後は、Windows起動時に自動的に立ち上がりますが、マスターにもスレーブにもなりません。マスターまたはスレーブとして起動するには、グローバル設定タブで明示的に指定する必要があります。ログオン前にスレーブを操作したい場合は、Input Directorをスタートアップで起動し、スレーブとして有効化しておく必要があります。
5. スレーブの利用可能状態を管理する
設定で「スキップ」オプションにチェックを入れると、切り替え時にそのスレーブを飛ばすことができます。起動時はデフォルトでスキップ状態にしておくのがおすすめです。スレーブが準備できるとマスターに通知し、利用可能になります。また、スレーブがシャットダウンや再起動を行う際はその旨をマスターへ伝えるため、復帰するまでマスターは自動的にスキップしてくれます。
6. 共有クリップボードを使う
共有クリップボードの使い方は、通常のWindowsクリップボードとまったく同じ感覚です。片方のシステムでコンテンツをコピーし、もう片方のシステムへ切り替えて貼り付けるだけです。Input Directorはほとんどのクリップボードデータ形式に対応しています。
ファイル自体をコピー&ペーストしたい場合は、対象ファイルがネットワーク共有フォルダ経由でアクセスできる必要があります。Input DirectorはWindowsのセキュリティ機構に準拠しているため、対象システムにログオンしているユーザーがネットワーク共有経由でファイルを読み取る権限を持っている必要がある点に注意してください。
7. Win+Lでシステムをロックする
Win+Lでロックした場合、現在どのシステムを操作していても、必ずマスター側がロックされます。これはWindowsのセキュリティ仕様です。スレーブ側をロックしたい場合は、代わりに「Ctrl + Win + L」を使用してください(このホットキーはマスター側でも使えます)。ホットキーはマスターの環境設定画面から変更可能です。
8. スレーブ側でCtrl+Alt+Deleteを実行する
Ctrl+Alt+Deleteも同様に、常にマスター側で作動します。これもWindowsのセキュリティ仕様です。スレーブ側でCtrl+Alt+Delete相当の操作をしたい場合は「Ctrl + Alt + Insert」を使います(Insertキーは「Ins」と表記されている場合もあります)。このホットキーもマスター側で使用できます。変更はマスターの環境設定画面から行えます。
9. ポップアップコンテキストメニュー
通知領域の「ID」アイコンを右クリックすると、ショートカットメニューが表示され、Input Directorの有効化/無効化や終了などの操作が行えます。
マスター側システムでは「Shutdown Slaves and the Master(スレーブとマスターをシャットダウン)」を選ぶことで、全システムを一括終了できます(スレーブ側で「Shutdown this slave if directed to by the Master」オプションが有効になっている必要があります)。「Lock Slaves and Master」も同様に動作します。
Input Directorのウィンドウを非表示にしている場合は、「ID」アイコンを左ダブルクリックすれば再表示できます。
別のパソコン上のファイルを開く
他のパソコンにあるファイルを頻繁に開くなら、Input Directorの機能が便利です。エクスプローラーでネットワーク共有経由でアクセスできるファイルやフォルダを右クリックすると、ポップアップメニューにInput Directorの項目が追加され、マスター/スレーブ間で簡単にファイルやフォルダを開けます。
Input Directorの各種設定
1. グローバル設定(Global Preferences)
インストール直後のInput DirectorはWindows起動時に自動起動しますが、デフォルトでは無効モードで立ち上がります。これを変更するには、Input Directorウィンドウを開いて「Global Preferences」タブに切り替えてください。
2. スレーブ設定(Slave Preferences)
スレーブ設定は「Slave Configuration」タブの下部にあります。以下の5つの設定は、Input Directorがスレーブモードのときのみ有効です。
- マスターからのシャットダウン要求への応答:マスターは全スレーブにシャットダウンを要求できます(メインパネルの「Shutdown Slave Workstations」ボタン、またはIDアイコンのコンテキストメニューから実行)。各スレーブは応答方法を4つの中から選べます:「何もしない」「スタンバイ」「休止状態」「シャットダウン」。システムで有効な選択肢のみ表示されます。
- マスターとのロック同期:マスターに入力フォーカスがある状態でWin+Lを押すとマスターがロックされますが、このチェックボックスを有効にしたスレーブも同時にロックされます。
- Input Director稼働中はスリープさせない:このオプションを有効にすると、他のシステムを操作中でもスレーブがスリープモードに移行しなくなります。スクリーンセーバーについても、マスターがアクティブなときにスレーブ側のスクリーンセーバーが連動して起動します。
- 切り替え時にカーソルを非表示にする:チェックを入れると、スレーブから離れるときにカーソルが隠れます。再び切り替えて戻るか、ローカル接続のマウスを動かすと再表示されます。30分間操作がない場合も自動的に再表示されます。
- マウス未接続時もカーソルを表示する:Windows 10ではマウスを取り外すとカーソルが完全に見えなくなります。このオプションを有効にすれば、マウスが接続されていなくてもカーソルが常に表示されます。
3. マスター設定(Master Preferences)
マスター側システムでInput Directorを起動し、「Master Preferences」タブを開きます。マスター設定は次の3つのカテゴリに分かれています。
- マウス/キーボード設定
- 遷移オプション
- 詳細設定
マウス/キーボード設定:
マスター・スレーブ両方のシステムに対するマウスとキーボードの設定を行います。
- Win+Lの代替キーの設定
- Ctrl+Alt+Deleteの代替キーの設定
- システムキーボードの使用
遷移オプション:
システム間の切り替えに関する設定を行います。
- 切り替え前に特定のキー組み合わせの押下を必須にする
- 切り替え用ホットキーの設定
- 画面端での切り替えの無効化など
詳細設定:
その他の高度な設定はここにまとめられています。
- スレーブのネットワーク経由でのWake-on-LAN許可
- オフラインのスレーブの可用性チェック
- Logicool(ロジクール)キーボードのマクロ設定
- スレーブの可用性ステータスの更新
ロールの自動切り替え(Auto-Switching)
Input Directorでは、マスター/スレーブの役割を自動的に切り替えることも可能です。どのパソコンでもマスターにもスレーブにもなれます。
- そのシステムに接続されたキーボードやマウスが使われたら、マスターに切り替わる
- 許可されたマスターが通信してきたら、スレーブとして動作する
自動切り替えを有効にするには、Input Directorを開いて「Global Preferences」タブからauto-switchを有効にしてください。すべてのシステムで同じ設定を行う必要があります。
情報ウィンドウ
マスター・スレーブ両方のシステムには「情報ウィンドウ」を表示でき、Input Directorのステータスと、現在どのシステムが入力フォーカスを持っているかを確認できます。情報ウィンドウを制御するには「Global Preferences」タブに切り替えます。「Show」ボタンで表示/非表示を切り替え、「Reset」ボタンで初期状態に戻せます。
「Show」ボタンを押すと、画面右下に情報ウィンドウがポップアップ表示されます。
ウィンドウが表示されない場合は、Input Directorがスレーブまたはマスターとして有効になっているか確認してください。デフォルトでは、無効状態だとウィンドウは隠れたままになります。
入力がシステム間で切り替わると、情報ウィンドウを表示しているすべてのInput Directorがリアルタイムに更新されます。
データ暗号化の設定
Input Directorは、マスターとスレーブ間でやり取りされるデータを暗号化するよう設定できます。暗号化にはAES(Advanced Encryption Standard)暗号方式が採用されています。
暗号化を有効にすると、古いハードウェアではマウスやキーボードの反応が少し鈍く感じられることがあります。これは、送信されるすべての入力情報をマスター側で暗号化し、スレーブ側で復号してから使用するためです。リモートクリップボードのデータもリアルタイムで暗号化・復号されるため、同様の影響が出る可能性があります。
暗号化はスレーブごとに設定します。特定のスレーブだけ暗号化し、別のスレーブは暗号化しないという運用も可能です。さらに、スレーブごとに異なるパスワードを設定することもできます。
暗号化の設定手順:
スレーブ側パソコンでInput Directorを開き、「Slave Configuration」を選択します。「Change」をクリックしてセキュリティ設定ダイアログを開き、「AES Encryption」を選択して任意のパスワードを入力してください。
パスワードは長いほど安全ですが、古いハードウェアではシステムの応答性に影響します。Input Directorはパスワードの長さや英数字の混在などを強制しないため、強度の高いパスワードを選ぶのはユーザーの責任となります。
暗号化が有効になると、閉じた南京錠アイコンと説明文でスレーブ側に表示されます。
マスター側の暗号化設定を更新する手順:
- マスター側でInput Directorを開き、「Master Configuration」タブに切り替えます。
- データセキュリティを設定したスレーブを選択し、「Edit」を押して「Slave Configuration」ウィンドウを開きます。「Change」ボタンをクリックして、該当スレーブのデータセキュリティ設定を行います。
- 対応するスレーブと同じ暗号化方式、キー長、パスワードを設定し、「OK」をクリックして保存します。
キーボードマクロ
Input Directorでは、キーボードマクロの記録と再生が可能です。マクロはマスター側で実行することも、ネットワーク経由でスレーブ側に送信して実行することもできます。キーボードマクロとは、必要なときに再生できるキーストロークの連続記録のことで、Input Directorでは基本的にホットキーとして扱われます。
キーバインディング
Input Directorでは、特定のキーを別のシステムに恒久的に割り当てることができます。例えば、スレーブ側にスピーカーが接続されている場合、マスターのキーボードの音量上げ下げメディアキーをそのスレーブにバインドしておくと便利です。
バインドされたキーは、現在どのシステムを操作していても、必ずバインド先のシステムで作動します。
なお、バインドしたキーはInput Directorのホットキーとして使用できなくなります。ホットキーに使われているキーをバインドすると、そのホットキーは動作しなくなるので注意してください。
Input Directorは公式サイトからダウンロードできます。個人かつ非商用利用に限り無料で使用可能です。
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