D7:PCトラブルシューティングに欠かせない万能ポータブルツール
パソコン好きでIT管理者として働いていると、壊れたシステムに関する相談の電話が絶えないものです。私はいつもUSBメモリに入れた「応急処置キット」を携帯しており、問題を抱えたシステムや故障したシステムのトラブルシューティングにすぐ対応できるようにしています。今回は、IT管理者はもちろん、システムの不具合解決が好きな技術者にとって「スイスアーミーナイフ(十徳ナイフ)」のような存在となるポータブルユーティリティ「D7」を詳しく紹介します。
D7とは?
D7は、システムのトラブルシューティングとチューニングを1つにまとめたオールインワンのポータブルツールです。インストール不要でUSBから直接実行でき、Windowsの修復・最適化・診断に必要な機能がほぼすべて揃っています。その機能は非常に多岐にわたるため、本記事はやや長めになりますが、ぜひ最後までご覧ください。
D7を初めて起動すると、利用規約への同意を求められます。同意すると設定ウィンドウが表示され、ここでさまざまなオプションを事前に構成できます。メインウィンドウには複数のタブが用意されており、それぞれ異なる機能セットを持っています。各タブの詳細を解説する前に、まずD7ウィンドウ右上に配置された共通メニューボタンについて説明します。
共通メニューボタン

D7の画面右上には、さまざまなトラブルシューティングツールへアクセスできるメニューボタンが並んでいます。
インターネットボタン: インターネット接続のテストに役立つ多数のツールが含まれています。D7には独自のブラウザも内蔵されており、ネットワーク関連の問題解決に非常に便利です。Flash、Shockwave、Java、Silverlight、PDF、SSLなどの統合状態もテスト可能です。さらに、Microsoft Security EssentialsやMicrosoft System Update Readiness Toolのダウンロードリンクも提供されています。
ユーザーアカウント制御設定ボタン: ユーザーログオンやUAC(ユーザーアカウント制御)のオプションをここから構成できます。
Windowsツールボタン: 最も重要度の高いボタンです。MSConfig、レジストリエディター、グループポリシーエディター、タスクマネージャー、デバイスマネージャーなど、重要なWindows標準ツールが一箇所にまとめられています。
フォルダを開くボタン: 重要なシステムフォルダを2クリックで素早く開けます。
シャットダウンボタン: シャットダウン処理中にシステムがフリーズした場合でも、強制的に再起動できます。また、再起動時にファイルの削除や置き換えを予約することも可能です。
なお、Toolsメニューの項目(Process Explorer、Process Monitor、RegLite、BlueScreenViewなど)は、対象のサードパーティ製ツールをD7フォルダにコピーしてある場合のみ動作します。
Infoタブ

最初のデフォルトタブでは、コンピュータの情報を確認できます。OSの種類、ページファイル、稼働時間、システム名、ユーザー、インストール日などのシステム情報と、CPU、RAM、ビデオカード、マザーボード、BIOSなどのハードウェア情報が一目でわかります。さらに、イベントログ、デバイスマネージャー、Windows Updateからのアラートも表示されるため、問題の早期発見に役立ちます。
Maintenanceタブ

メンテナンス機能の最大の魅力は、お気に入りのサードパーティ製アプリをD7本体に統合できる点です。CCleaner、Malwarebytes、Defraggler、DataGrab、Piriform Recuva、TCP Optimizerなどを組み込めます。「D7 Auto Mode」を使えば、統合済みのすべてのメンテナンスユーティリティを自動的に順番に実行することも可能です。
サードパーティ製アプリの統合方法
統合作業はとても簡単です。D7はポータブルソフトウェアなので、D7フォルダに関連ファイルがすべて格納されています。アプリを統合するには、D7のメインフォルダ内に「3rd Party Tools」という名前のフォルダを作成し、それぞれのアプリを個別のフォルダに入れるだけです。
例えばCCleanerを統合する場合、ディレクトリ構成は次のようになります。
D7\3rd Party Tools\CCleaner
Recuvaの場合は次のとおりです。
D7\3rd Party Tools\Recuva
Sysinternals系のツールの場合は専用フォルダは不要で、例えばProcess Explorerなら D7\3rd Party Tools\psexec.exe のように直接配置します。
Repairタブ

Repairタブでは、ウイルスやマルウェアによって破損しがちな、繊細なWindowsの問題を修復できます。Hostsファイルの確認・編集、プロキシ設定のクリア、DHCPによるIPアドレスの更新、ネットワークインターフェースのリセット、Winsockの修復など、ネットワーク障害の切り分けに欠かせない機能が豊富に揃っています。
Tweaksタブ

Tweaksタブでは、主にユーザーインターフェースに関連するさまざまなWindows設定を調整できます。これらの調整は、破損したシステムのトラブルシューティングにも有効です。例えば、多くのウイルスは「隠しファイルと隠しフォルダを表示する」設定を無効化し、再有効化できないようにしますが、Tweaksタブからその設定を復元できます。
Malwareタブ

このタブは誤った操作を行うとシステムを破壊しかねないため、細心の注意が必要です。D7には自動マルウェア除去機能は含まれていません。代わりに、システム内の何が疑わしいか、何を修正すべきかを教えてくれる診断支援ツールとして機能します。ホワイトリストとブラックリストを作成することで、マルウェア対策を適切に行えます。使用前に、Malwareタブに関する公式ドキュメントを必ず全文読んでおきましょう。
Offline Toolsタブ

Offline Toolsタブは、起動しなくなった問題のPCを扱うための専用機能です。CD/DVDから起動したPE環境上でD7を実行すれば、Windowsを起動することなくレジストリを編集したり、MBRレコードの確認、ポリシーの削除、非表示ボリュームのリセット、解析用ミニダンプの取得など、多彩なオフライン修復作業が行えます。
D7を使用する際の注意点
D7を使う前に知っておくべき弱点もあります。
- 起動が遅く、一時的に応答しなくなることがありますが、しばらく待てば正常に動作します。
- 多くの機能は誤って使うとシステムを壊す恐れがあるため、経験豊富な上級者向けのツールです。
それでも、Windowsのトラブルシューティングに携わるすべての人にとって、D7は持っておいて損のない強力な相棒となるでしょう。公式サイトからダウンロードして、ぜひ試してみてください。
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