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Microsoft SCOM(System Center Operations Manager)とは?インフラストラクチャとアプリケーションパフォーマンスの包括的な監視

Microsoft SCOM(System Center Operations Manager)は、インフラストラクチャの監視とアプリケーションのパフォーマンス管理を行うためのツール群です。SCOMはMicrosoftのSystem Centerファミリーの一部であり、System Centerは企業のインフラストラクチャの展開、構成、管理、監視を簡素化する製品です。これにより、組織はインフラストラクチャや仮想化されたソフトウェア定義データセンター(SDDC)の俊敏性とパフォーマンスを向上させることができます。

Microsoft System Centerには、オンプレミスとクラウドの両方のデータセンター管理を簡素化する多数のツールが含まれています。これらのツールは、ソフトウェア定義のエンタープライズデータセンターの監視、自動化、プロビジョニングを容易にし、データセンター管理者がインフラストラクチャ全体の問題を診断・トラブルシューティングできるようにします。

SCOMは、インフラストラクチャの監視とパフォーマンス管理のための柔軟でコスト効率の高いツールです。このソフトウェアにより、IT管理者は複数のコンピューター上の稼働状況、インストール済みのサービスやアプリケーション、接続されたデバイスを、単一の一元化されたコンソールから監視できます。

コンソールには、監視対象オブジェクトすべての健全性、パフォーマンス、可用性が表示されます。問題を特定すると、SCOMが優先順位付けした推奨事項のリストに基づいて解決を図ります。SCOMを活用すれば、管理者はデータセンターとクラウドインフラストラクチャ(パブリック・プライベート双方)を監視し、基幹業務アプリケーションの安定したパフォーマンスと継続的な可用性を確保するための対策を講じることができます。

Microsoft SCOMの主要コンポーネント

System Center Operations Managerは、エンタープライズIT環境内のさまざまなコンピューター、デバイス、アプリケーション、サービスを監視し、どの監視対象が健全な状態か(あるいはそうでないか)を管理者に通知します。問題を検出するとアラートを送信し、検出された問題に関する有用な情報を提供するとともに、原因を突き止めて考えられる解決策を提示します。

これらのタスクを実行するために、複数のコンポーネントがSCOM内で連携して動作します。これらのコンポーネントは「管理グループ」の一部であり、管理グループはSCOMのインストール時に作成される機能の基本単位です。コンポーネントは単一のサーバー上に存在することもあれば、複数のサーバーに分散して配置されることもあります。SCOMの主なコンポーネントは以下の通りです。

  • 運用データベース: すべての構成データを格納し、監視データを短期間保存するSQL Serverデータベース。
  • データウェアハウスデータベース: 同じくSQL Serverデータベースですが、こちらは監視データやアラートデータを履歴として長期保存するために使用されます。
  • 管理サーバー: 管理グループを管理し、データベースとの通信を担います。
  • レポートサーバー: データウェアハウスデータベースのデータをもとにレポートを作成・表示します。
  • エージェント: 監視データの収集、アラートの生成、応答の実行のためにコンピューターにインストールされるサービス。管理グループ内の管理サーバーへ結果を報告します。
  • 監視エージェントサービス: パフォーマンスデータを収集し、タスクを実行して、収集したデータを管理サーバーに送信します。

SCOM 2022の主な新機能

最新版となるSCOM 2022では、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指し、強化されたロールベースのアクセス制御(RBAC)と新しい組み込みロールがサポートされました。例えば、レポート機能を含むSCOM全体に対する読み取り権限を付与する「Read-Only Administrator」ロールが利用可能です。「Delegated Administrator」ロールもRead-Only Administratorロールと類似していますが、レポート権限の扱いが異なります。さらに、管理者は特定の権限を持つカスタムユーザーロールを作成することもできます。

SCOM 2022のもう一つの新機能として、Windows NT LAN Manager(NTLM)セキュリティプロトコルを無効化している組織でも、インストール時にReporting Manager認証タイプとして「Windows Negotiate」を選択できるようになりました。また、管理者は異常状態にあるヘルスモニターのアラートをクローズすることも可能です。加えて、既存のSQL Always On構成を利用しながら、事後の構成変更なしにSCOMデータベースをアップグレードできるようになりました。

SCOM 2022では、Secure Hash Algorithm-1(SHA-1)証明書がSHA-256で暗号化されます。また、Get AlertデータAPIでgroupIdがサポートされ、管理パックのチューニング中にソース(完全修飾ドメイン名)を確認できるようになりました。そのほかの便利な機能は以下の通りです。

  • Overrides Summary(オーバーライド概要)での列ごとの並べ替えオプションのサポート。
  • SCOM 2019からのアップグレード時に、カスタマイズされたレジストリ値が保持される。
  • 非プライマリ管理サーバーのアップグレード時にも、データウェアハウスのレジストリ詳細が保持される。
  • WebコンソールがSilverlightに代わりHTML5を採用。
  • .NET Framework 4.8、Ubuntu 20.04、Oracle Linux 8、Debian 10、Debian 11のサポート。
  • [コンソール] > [監視] > [アクティブなアラート] でアラートソース(モニター/ルール)を表示可能。
  • LocalSystemアカウントへの依存関係を廃止。
  • すべての変更追跡レポートを単一フォルダー(Change Tracking)で利用可能。

SCOMのシステム要件

SCOMのメリットを最大限に引き出すには、まずシステム要件を確認し、それらが満たされていることを確認することが重要です。ただし、SCOMは柔軟性と拡張性を重視して設計されているため、個別のシナリオにおけるハードウェア・ソフトウェア要件は、以下のガイドラインと異なる場合があります。

  • エージェントで監視されるコンピューター、同時に接続される操作コンソール、管理グループあたりのエージェント管理対象およびUnix/Linuxコンピューター、3台以上の管理サーバーを含むリソースプールで管理されるネットワークデバイスなど、すべての監視項目について推奨上限値を遵守する必要があります。
  • アプリケーションパフォーマンス監視(APM)の対象アプリケーション数は400未満とする必要があります。
  • エージェントごとに監視するURLの数は50未満とする必要があります。
  • 最大2,000エージェントを管理するManagement Server、Gateway Server、Web Console Server、SQL Server Reporting Servicesサーバーなどのロールを構成するには、メモリ8GB以上とディスク容量10GB以上が必要です。
  • SCOMサーバーロールに求められる最小x64プロセッサ要件は、4コア2.66GHzのCPUです。
  • Operations Manager管理サーバーを構成するには、Windows Server 2019 StandardまたはDatacenter以降が必要です。
  • Operations Managerレポートサーバーコンポーネントには、Windows Server 2019またはWindows Server 2022のStandard/Datacenterエディションが必要です。

なお、1つ以上のSystem Centerコンポーネントと統合されたSystem Center 2019 - Operations Managerのインストール環境をアップグレードする場合は、まずOrchestratorをアップグレードし、続いてService Manager、Data Protection Manager、Operations Manager、Virtual Machine Managerの順番でアップグレードする必要があります。

Microsoft SCOMを構成するためのその他の最小システム要件は以下の通りです。

  • Silverlight対応ダッシュボードとの後方互換性を確保するためのInternet Explorer(IE)11およびSilverlight 5。
  • Operations Managerコンソール用のWindows PowerShell 2.0または3.0。
  • 管理サーバーおよびゲートウェイサーバー用の.NET Framework 4.7.2または4.8。
  • HTML5 Webコンソール用クライアントブラウザーとして、Microsoft Edge 88、IE 11、Google Chrome 88。
  • 構成済みのHTTPまたはHTTPSバインディング。
  • Windows 10およびWindows 11クライアントOS。
  • Active Directory Domain Services(AD DS)が正常な状態で維持され、一定の最小構成レベルを満たしていること。
  • AD DSとSCOMを適切にサポートするため、DNSがインストールされ、正常に動作していること。

SCOM Assessment(評価サービス)

SCOM Assessmentは、Operations Manager環境における潜在的な問題を診断するプロアクティブなサービスです。このサービスは、オンプレミス環境とAzure仮想マシン(VM)、つまりIaaS環境の両方に適用できます。その目的は、SCOM環境へのリスクを軽減するための具体的で実行可能なガイダンスを管理者に提供することです。推奨事項は6つの重点分野にわたって優先順位付け・グループ化されており、管理者とそのチームは以下のことを実現できます。

  • リスクがどこで発生しているのか、それぞれのリスクレベルを迅速に把握する。
  • SCOM環境の全体的な健全性を評価する。
  • 特定されたリスクを低減し、可能であれば排除するための対策を講じる。
  • IT全体の健全性、パフォーマンス、安定性を向上させる。

これらのメリットを得るには、SCOM Assessmentのセットアップが必要です。所要時間は約1時間で、組織のAzureサブスクリプションをServices Hubにリンクし、Services Hubの[Health] > [Assessments]からAssessmentを追加することで実施できます。評価の実行後、結果はAzure Log AnalyticsとServices Hubダッシュボードで確認できます。アクティブな評価に対して[View all recommendations]を選択すると、結果とともに、インフラストラクチャの健全性とパフォーマンスを改善するための優先順位付けされた推奨事項のリストが表示されます。

SDDCアーキテクチャの採用には、慎重な検討と適切な計画が不可欠である点にも留意しましょう。

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